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【UKP OFFICIAL LIVE REPORT:asobius】「asobius presents『life is growing』 -1st Album 「pray&grow」release party-」

6/13に代官山UNITにて行われたasobiusの「asobius presents『life is growing』 -1st Album 「pray&grow」release party-」の模様を公開致しました。是非ご覧ください![文:濱田和人(UKP) / 撮影:AZUSA TAKADA]


2014.06.13(FRI) @代官山UNIT
「asobius presents『life is growing』 -1st Album 「pray&grow」release party-」
asobius / FOLKS / GOOD ON THE REEL


【19:01】 FOLKS

ライブはほぼ定刻通りにスタート。トップを飾るのはFOLKS。
アカペラのスタートを切り、軽くエフェクトのかかったその声に見るものが引き込まれていく。軽く挨拶を済ませスタートしたのは『Everything is Alone』それぞれの隙間を埋めるように重なった音像が次第に力強いものとなりフロアを包んでいく。その中で特に際立っていたのがボーカル岩井郁人の力強い歌だった。
緻密に構成された曲に応えるように、曲ごとに表情を変え、紡がれていくメロディを軸に、時には岩井郁人がパーカッションに加わったり、まだ逆にそれまでパーカッションを担当していた小林が楽器をギターに持ち替えたりと、一つの形に留まらず構成されていく楽曲が彼らの魅力として存分に発揮されていたステージであった。


【19:51】 GOOD ON THE REEL

続いてはGOOD ON THE REELの登場。
音を細かく紡ぎ楽曲を構成していたFOLKSとは対象的に音の一つ一つを結束させて放つそれは、まるで強大な音塊のようだった。
そして所狭しと曲に合わせステージを駆けるボーカル千野から放たれる、幼さとセンシティブさとが同居した、か細くも貫くようなハイトーンボイスがフロアの空気を切り裂く。『コワシテ』ではまるで心臓の音をマイクに乗せるかのように胸に叩きつけたそのパフォーマンスが胸を打つ。かと思えばMC時にはまるで少年のように屈託のない笑顔を見せ、フロアの空気を和ませる。このギャップも魅力の一つなのだろう。
しかしステージは一貫してシリアスなムードと緊張感が漂っていて目が離せない。まるでステージが彼らの聖域として存在しているようだった。MCで「僕らは僕らをやるだけなので」と語っていたのだが、まさにその言葉通り、GOOD ON THE REELにしか鳴らせない音がステージに満ちていた。


【20:42】 asobius

スタートのSEから『starlight』のイントロが流れ始め、瞬く間にフロアからは手拍子が鳴り始めた。ボーカル甲斐一斗の「音楽でみんなを愛します」の一言の後に演奏が始まり、静かな立ち上がりから、丁寧に熱を上げていくメンバー。甲斐が指差す方向から手が上がるなど、一曲目から完全にフロアを掌握していた。

続く『discovery』、『rise』と次々に1st『pray&grow』からの楽曲を披露。バンドの放出するエネルギーに負けじと観客も楽曲に対して様々なレスポンスで食らいつく。直後のMCでは『pray&grow』が発表され東京、大阪と開催された今回のライブのこと、FOLKSとGOOD ON THE REELに対する想いを語り、そして音楽に対する愛と観客に対する感謝の思いをまっすぐな言葉で惜しげもなく語っていた。

asobius

『new morning』、『voyage』、『I’m in the love』、『dive in the lake』と立て続けに演奏されたのだが、際立っていたのはメンバーのそれぞれの成長だった。躍動感溢れるビート感で支える宮下孝太のドラム。そしてそれを包むようにして支える海北真のベース、杉本広太のテクニカルなギターフレーズが楽曲に彩りを与え、メロに寄り添うようにして繊細なバッキングを刻む髙橋真作のギター。そしてその中心に甲斐のどこまでも響くような歌声が重なり、様々なライブを経てasobiusが手に入れた強靭なグルーヴを如何なく発揮していた。そしてひとりひとりの位置を被らせずフォーメーションを組めるこの代官山UNITという会場も、彼らによく似合っていた。

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『waltz』ではイツエの瑞葵がゲストボーカルとして登場。ここで今日のセットリストがアルバムの曲順に沿ったものであったと明かされた。甲斐と瑞葵がアイコンタクトを交わしながら紡ぎあげるボーカリゼイションはフロアを圧倒、アルバムでの楽曲の色彩を見事に再現していた。

この日のライブで甲斐は「音楽で愛し合おう、そしてまたここで会おう」と何度も語っていた。この内容が今の彼の、彼らのモードなのだろう。簡潔な言葉で繰り返し伝えようとする彼の姿を前に、観客もその声に応え、ステージとフロアとの濃密なコミュニケーションが生まれていた瞬間だったように思える。
『world re:creation』からアルバムラストを飾る『mother』まで、冷静に、でも決して熱を下げず、蓄え、放出するプロセスを丁寧に丁寧に構築するメンバー。また時には力強く、時にはちぎれそうになるほど繊細に、歌詞とメロディを紡ぐ甲斐の歌が最後までフロアに響き渡っていた。

アンコールでは新曲『world tree』を披露。ここで見せた演奏はこれまでのどのasobiusとも違っていた。新しいフェイズを突入したことを告げる、宣誓のような楽曲であった。どこまでも鳴り続けていくような感覚を覚えさせるほど彼らの演奏は逞しくなり、現在のバンドの姿を見事に表現していた。『pray&grow』によって蒔かれた種はこの日芽を出した。しかし、これからより大きく育つため、一音一音をさらに蒔いていく。彼らがどのように芽吹き、育って、枝を伸ばしたかが表現されている素晴らしい楽曲だった。そんな彼らが飛ばした種はさらにスケールを拡げ、新しい芽を育むだろう。そんなエネルギーに満ち溢れた会心のアクトだった。

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Set list

01. starlight
02. discovery
03. rise
-MC-
04. new morning
05. voyage
06. I’m in the love
07. dive in the lake
-MC-
08. waltz
-MC-
09. world re:creation
10. mother

En. world tree(新曲)

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