BIGMAMA_2014w(小)

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【UKP OFFICIAL INTERVIEW】BIGMAMA 金井政人「The Vanishing Bride」インタビュー

最新アルバム「The Vanishing Bride」を2/25にリリースしたBIGMAMA。そのフロントマンである金井政人にリリース直後である現在の心境、そして4月から半年に渡り開催されるロングツアー「The Vanishing Bride Tour 2015 ~消えた花嫁を探せ!~」における狙いと展望を訊いた。
今回のインタビューの中でも金井は特にツアーに対する想いを、時には熱い言葉で、時には冷静な言葉で語っている。彼が何を考えツアーに臨もうとしてるのか、その片鱗に少しでも触れられたらと思います。そしてライブ会場に足を運んでもらい、その全容を実際に目撃していただけたらと思います。ぜひご覧下さい。[取材・文:濱田和人(UKP)]


―:リリース後のインタビューってあんまりしたことなかったので、今回金井さんに白羽の矢を立てさせていただきました。よろしくお願いします。

金井:よろしくお願いします。

―:最新アルバム「The Vanishing Bride」の発売から一週間以上が経過したんですが、発売前と後で作品に対するご自身の気持ちの変化などありましたか?

金井:CDを出したら日本中の人、世界中の人がBIGMAMAのこと大好きになっちゃうんじゃないかなっていう期待は毎回してしまうんです。でも発売日を境に急に何かが変わるとかっていう風には思ってなくて…。そういう自覚と淡い期待と両方ありつつですね。なので良くも悪くも想定の範囲内というか。

―:想定の範囲内といいますと?

金井:もともとそういうものの反応に対してドライなんですよ。すごく期待をしてる部分もあるんだけど、冷静にならざるを得ない部分もあって。森の中の木の葉じゃないけど、CD屋さんって本当にたくさんCDが置いてあるんですよね。そこでいかに「光る葉っぱ」でありたいかっていうことをお店に行った時にすごく感じるし、光る光らないは置いといて、改めて一線を引く感覚というか、違いを見せる、唯一無二のものである必要性をとても感じるんです。

―:なるほど。

金井:「まだ知らない人」、「知った気になっている人」が多いバンドだとも思うので、今やっている事、今お世話になっているテレビ、雑誌、ラジオ、媒体関係の方々が作ってくれる記事のために集中していいものにする。っていうことでの冷静さが常にあって、しっかり足元をみてる感じでした。

―:浮つかないといった意味合いも含んだ「ドライ」なんですね。

金井:そうですね。なので心境の変化っていうものあんまりはなかったです。作品が元々素晴らしく誇らしいものが出来たと思ってるんです。心境自体がそんなに簡単に一瞬で変わるもんじゃないってことも思っていたので、むしろ足りない欲求が更に湧いてきましたね。この作品に関してはプロモーション含めて何一つ後悔はないんですよね。

―:はい。

金井:ひとつひとつのルートを大切にしつつ、あとはバンド次第というか。ツアー後振り返ったときに、景色が良くなっているのかどうなってるのか?っていうことだと思っていて。単純に知らない人も多いと思うんです。知ってもらうためにはずっと遠くから発信してもしょうがない。ちゃんとその土地に行かないと繋がってこないっていう実感は発売後に自分が思っていたこととしてありますね。作品に対する心境の変化っていうよりは、冷静に自分のすべきことを見定めて、バランスよく自分のなかで判断が出来ていると思います。

―:ドライって表現がありましたけど、その根っこには熱さが基になってると今話を聞いてて感じました。炎は炎でも青い炎というか。

金井:自分としては今燃えさかってるんですよ。情熱的です(笑)。

―:(笑)。

金井:バンドに対する、音楽に対するモチベーションだったり、自分の心の中、強いて言えばバンドはすごい燃えさかってるんです。それをきちんと正しい方向にコントロールしなきゃっていう意味でより冷静になれるっていうか。ここで燃えさかってすぐ燃え尽きてもしょうがないし。じれったいかもしれないけど、自分たちがすごくいいもの作ったから、そのための準備を丁寧にやっていこう。欲求とかフラストレーションとか今まで散々向き合ってきたから、その付き合い方はもうわかってるんですよ。そこに関してはクールでいよう。心がドライとかっていうのではなくて、ちゃんと自分たちの炎が前を、未来を照らせるように火力をコントロールすることに気を配りましたね。

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―:今回のキャンペーンも様々な地域を回られたとの事なんですが、目や耳に届いた反響のなかで特に印象的なものってありましたか?

金井:会う人会う人みんながアルバムを称賛してくれますね。

―:ストレートですね。

金井:これは僕が調子に乗ってるわけじゃなくて、ちゃんと聴いてくれた人は「すごくいいアルバムだね」って言ってくれるし、今までと違う温度感でそう言ってくださる方が多いです。さっきはドライにって言いましたけど、それは素直に喜んで信じています。でも逆にキャンペーンとかでちょっと困るのが、曲を一曲しかかけられないじゃないですか、そのことはとてもありがたいことなんですけど、BIGMAMAっていい曲が多いんですよ。リード曲をどれにしようか最後まで悩んでたし。「A KITE」が結果的にリード曲に選ばれましたけど、今までの自分達の在り方を踏まえて「ロックバンド」として考えた時に、他の曲もリードに似合う曲もあったと思うんですよね。実際キャンペーンに行ったときに「僕この曲好きです」ってリードじゃない曲を言われたりもしましたし。

―:バラエティに富んでますよね。僕はM2の「Flameout」が好きなんですよ。

金井:今みたいに色んな方と話をした時に「A KITE」がリードなのに「この曲がいいんだよね」って言ってもらえることがとても多くて、なんかもぞもぞしてしまうというか…(笑)。

―:(笑)。もぞもぞというのは?

金井:どの曲をリード曲にするべきだったのかなーって(笑)。結果的には「A KITE」で良かったんですけど、他の曲もいいって言ってもらえたので、総合的にいい曲が集まってるアルバムになったんだなあっていう風に思いました。それはすごくありがたいことだし、このアルバムがいいものになってる理由にもなってて。それはこのアルバムの1曲1曲がこの先のライブで組まれるであろうセットリストにおいて重要な曲になるように作用してるというか。それは今までのアルバムとの違いというか、差がつけられたんだと思います。

―:リード曲はいわゆるアルバムの名刺的な存在というか…。

金井:入口的なね。

―:そうですね。アルバムに導いていくっていう意味合いもあると思うんですね。でもリード以外の曲が、リスナーにとってのリード曲になって、届き方がリスナーそれぞれにあって、その人なりの楽しみ方が見つけ出せるっていうのはとても意味のあることだと思います。

金井:それが今の僕ららしさというか。自分達が本当にかっこいいものを、本当に素敵だなって思えるものを追及した結果が今だと思うので。

―:そういうアルバムになっていると思います。

金井:今回ひとつひとつを本当にちゃんとやったんですよね。目を見合わせて、息を合わせて、心を合わせて、全部合わせて完成したんですよね。今回のアルバムは。今までもそうじゃなかったわけではないんですけど、改めてちゃんと自分たちにしか作れないものを作ろうっていう事を目指して取り組んだので。それゆえのバリエーションなんですよね。でもバリエーションって怖い言葉でもあって、「多様性」っていう。悪く言うと散らかってしまう…、でもそれを僕らなりにきちんと繋ぎ止めて、ちゃんと形にしているつもりなんですけど、普通のバンド何個分かのことをやっているのかもしれないし、多様性って言葉に関して、ポジティブな意味として使ってもらってるのは感覚としてわかるんですけど、場合によってはちゃんとネガティブな意味として捉えないといけないなあとは思ってて。基本としてはロックバンドであること。そこにバイオリンを含めた「クラシック」の要素をどの配分で関係性を保っていくか、そこに僕がどんなアイディアを吹き込むか。そこのバランスと、いかにライブ映えするか、そこの中で自分たちがコントロールするっていう意味での「多様性」が重要なので。今何を基準にCDを作ってるかというとワンマンの2時間をいいライブにするためのものなんですよね。自分たちが2時間飽きずに最高だと思い続けられるものをパッケージするとこうなるから。このいい意味で多様性がハマってくれれば一生付き合えると思うし、部分部分つまんで好きだって言うのも理解できてるんですよね。「うちのバンドのこういうとこ好きなんだ」「この曲好きなんだ」っていうのだけでも全然OKっていうか。「一曲でも好きになってもらえたら、自分はその人を大切に思う」って。今はそういう風に自分の中での考え方とか変わってきてて。

―:以前はそうじゃなかったってことですか?

金井:そこはやっぱり、どの曲も好きになって欲しいって思ってましたよ。変わったというよりはぼんやりしていたしていた部分なんですけど、でも今だったら強く言えるというか。一曲でもすごい好きって思ってくれたら、もうあなたは他人じないよって思えるって力が、今回の作品には入っていると思います。反面、楽曲の多様性っていうものはきちんとコントロールしなきゃいけない、欲求通りいくと色んな所に散らばってしまう可能性があるので、今だったらライブがあって繋ぎ止めてるので僕らはその曲をステージで5人で演奏した時にかっこいいかどうかっていうことが、その多様性を繋ぎとめてると思うんですね。そこに関しては、一曲でもいいから引っかかるものがあるならそれでいいし、そういう付き合い方もありかなって今は思います。

―:「多様性」と「繋ぐ力」ってお話がありましたけど、曲順にもそれが表れてると思ったのですが。

金井:曲順に関して、僕の中では2年前に考えてたことから変わってないんですよ。元々のプランがあったんです。

―:そんな前から組み立てていたんですか?

金井:前のアルバム「君想う、故に我在り」のツアーが終わって、次どんなもの作ろうかなって思った時に、「こういう
風に始まって、こういう風な曲があるアルバムを作りたい」っていうイメージがあって、7、8割はそのイメージ通りに進んだんですけど、2年前の考えなら「Sweet Dreams」をオープニングに置いて、「Lovers in a Suitcase」で終わりたいっていうプランがあったんですけど、制作中にメンバーに話したりしていく中や、自分の中での変化があって、やっていく中で誤差が生まれてきたんですね。例えば「Sweet Dreams」ってみんなにとって馴染みの曲があって、BIGMAMAを聴いたことある人なら知ってる曲があって、でもそこはリスナーとしてもプレイヤーとしてもサプライズが欲しい、一曲目じゃない方がいいってメンバーに言われて、「Flameout」を作ったし。ラストの「神様も言う通りに」は結果エンディングとしてハマったっていう。じゃあ「Lovers in a Suitcase」をどこに入れようかってなった時に、作品の中で一番ドラマティックな曲なので、言葉でも音楽でも、バンドの押しの強さが終わった後に一歩引いてみるというか。でもこの配置の仕方は2年前に自分が描いていたイメージとあんまり変わらずにやれましたね。

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―:4月からはアルバムを引っさげたツアーも始まりますが、どんなツアーになりそうですか? 現時点で話せる範囲で聞けたらと思うのですが。

金井:曲ごとに描いてる景色があるんですけど、「Flameout」「Frozen Diamond~漂う宝石~」の2曲は自分たちの中で「強い曲」をちゃんと作ろうって考えた曲で。特にギターの柿沼のイメージが強いんですよね。

―:なるほど。

金井:彼を最大限に活かして、ライブハウスの中で自分たちが作り出すドラマのダイナミクスな部分、目に見えるフィジカルな面での盛り上がる部分を狙い撃ちしてるところがあって。それを2曲違うアプローチでやるのが僕らの中でかっこよくてクールなんです。「Flameout」はスピード感、「Frozen Diamond~漂う宝石~」は重さだったり、その中でオーディエンスと自分達でしのぎ合ってバチバチやり合うというか、そういう瞬間を作りたくて試行錯誤した記憶があります。遡ると「Swan Song」と「Theater of Mind」もそうだったかな。

―:その4曲ってアルバム曲の中でもクールな部分がひときわ目立ってますよね。

金井:熱さやノイジーさもあるんだけど、同じようにクールさだったり、きれいな面も出したくなるというか。その4曲に関してはこのツアーの中で明確に「沸点を何回作れるか」ってことを意識しています。逆に「Sweet Dreams」「Lovers in a Suitcase」はどんな会場をも飲み込む、レンジの広いサウンドで僕らにしかできない表現をする。それを「Roclassick」のクラシック成分多めの真っ向モードでやるっていうか、これはこれで自分たちのアンセムなんですよね。「Rock」寄りが前者の4曲だとしたら、後者はオーケストレーション要素強めというかクラシック寄り、バイオリンが主役の方っていう感じですね。極端に言うと僕がアコギ弾いてるイメージというか、その中で勝負曲を作るぞってやってるのが「Sweet Dreams」「Lovers in a Suitcase」「A KITE」かな。「A KITE」は作ってるうちにメロディとか美しいものを追及してました。この3曲は共通して広い音像で自分たちのアンセムを作る。今挙げた6曲が自分たちの核だったり軸になるものから生まれてきた曲ですね。それに対して「alongside」「神様も言う通りに」なんかは盛り上がりながらも色んな人が笑顔になれるような曲にと思って出てきた曲ですね。残りの曲は方法論として「やったことないからやろう」って言う部分に根差して出来上がったものだと思います。「ワンダーラスト」は誰もそう思わないかもしれないけど、僕の中では「メロコアの向こう側」なんですよね(笑)。

―:メロコアの向こう側(笑)。

金井:あれくらいのBPMで、生じゃなくて機械的な打ち込みの手段をとって違和感を作ろう、違うものを作ろうって作った曲なんですよ。「Royalize」は全部の曲に代名詞として用いてるバイオリンを取り払うっていう事をまずやって、いいアルバム作ろうと思ったら、今までの慣習にとらわれてたら駄目だって思ったんですよ。だっておれの好きな曲全部にバイオリンが入ってるわけじゃないし、そこは真緒ちゃん(東出真緒(Violin)にもユーティリティプレイヤーとして鍵盤でいい曲書く力を発揮できる場所だと思うし。

―:今回インスト曲も効果的に配置されてる印象を受けました。

金井:イントロと途中のインタールードの曲は、SE的な位置付けであったり、効果音的な存在としてといかに他の曲を引き立たせるかっていう曲なんですよね。あと「Why You Refrigerate Me?」なんですけど、この曲はレコーディングが順調すぎて時間が余ったんですけど、その時間の中で生まれたんですよね。

―:この曲の並びの中でもちょっと響きが変わってるというか、ムードが違って聴こえました。

金井:何でもいいって言い方はあれですけど、この曲の断片を1コーラスバンドに持っていって、「好きにして」ってアレンジしてもらって、戻ってきたらこんなんになってたんです(笑)。

―:(笑)。

金井:でもそれはそれでいい傾向だなって思ってて。メンバーがみんな自由だったんですよね。楽しんで音楽やってるんだなあって。この曲が入る前のアルバム13曲をぱっと聴いて。割と満足してしまってたんですよね。最後の14曲目、他にも候補はあったんですけど、「Why You Refrigerate Me?」聴いて、この曲が一番遊んでるなって、余裕が出てる感じがしてよかったんですよね。アルバム自体にも余裕が生まれるなって思ってGOしました。改めてなんですけど、自分の本質が浮き彫りになってきてるって気がしてるんですよね。ロックバンドとして、絶対的に自分達しか作れないものを作るって方法論が、例えばツインギターで、力強いドラム、ベースがあって、そこにバイオリンが入ってくる。逆にロックバンドがオーケストラ要素の中に入っていくっていうのが、自分の中での正攻法っていうのが再確認出来た。BIGMAMAってバンドがそこの中で勝負できるなあって。それがお茶の間なのか、世界なのか、ライブハウスなのかっていう全部のフィールドに対して確認できた。勝手に自分たちの好きなものを作ったらそうなっちゃうっていう感覚なんですけど。それが自分たちの中で明確になってきてるんですよね、前よりも。自分たちの中で遊び心をもって作ったものが、ZIP-FMとのタイアップとフィットして「ワンダーラスト」が生まれたし、今までの方法論から例え外れたとしても、いい意味で迷いがない状態だから、どう掛け合わせていってもいいみたいな風には思ってて。それは流行り廃りの中でも大事なことだけど、長い目で価値のある音楽を作る、5年10年愛されるバンドであるって考えた時に、きちんとその時のバランスを自分の中でふさわしいものを選んでいくのが、それは自分の年齢なのか、バンドの年齢なのか、タイミングなのか、それとも、相対的に世の中で鳴っている音楽の中でどう差別化していくのか、いろいろ考え方はあると思うんですけど、そのバランスを見極めるにあたって、自分たちが余裕をもって取り組んでいけるっていうのがとても心強くて、バンドの視界が良好というか、この感覚を失わないでいければそのうち、誰もが振り向く「いい曲」を書けるんじゃないかと思ってて。今までも書いてるとは思うんですけど、それがシーンに届く日が来るだろうなって勝手に予感しています。

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―:今回のツアーが4月から始まって、10月まで続く長期的なものになりますが、テーマみたいなものって考えていますか?

金井:僕らのバンドってとても応援してもらってると思ってるんですね。去年大きなイベントのトリを務めさせてもらったりとかもしてますし、でもみんなが思ってるよりくすぶっているバンドだとも思ってて。最近は自分の中で伝わると思っていることをわざわざ言うのが格好良くないと思ってるんですけど、思ってたらちゃんと通じると思ってるし、そういうものを見せつけれればいいと思うし、でもきっとBIGMAMAって「もっと届くと思うよ」「響くと思うよ」って色んな人がそう思ってくれるからこその今だと思うんですよね。心が磨かれるんですよね、絶対的に。応援してくれた人たちを絶対後悔させたくないし、いつか何倍の恩にして返したいしっていつも思ってるし。その返し方ってBIGMAMAっていうバンドを通じてやるしかないんですよね。

―:頂いた恩に対しての証明ということですよね。

金井:はい。自分が選んだバンドが間違ってなかったって思ってほしいし。思わせたい。そういう事を思っていたら、いい方向にスイッチが入ったし、それが去年一年過ごしてて自分もそうだし、メンバー全員の中でもそうだし。そのスイッチの入り方っていうのがきちんと誰にも真似できない音楽をやろう、音楽を作ってそれをライブで何倍にもして表現する。それが形になっていけばいいなって思います。今年は数えるくらいしかライブやってないけど、どれも手応えのあるものになってるんですよね。ようやく自分が発言してることにバンドと音楽とライブが追い付いてきたなあって。

―:前回のインタビューでもその旨の話されてましたよね。考えてることとやってることのズレの話が記憶に残ってます。

金井:元々イメージを先に言って、それに体を追いつかせるっていうか。それがもうちょっとでバンドに追い抜かされそうな気がしてる(笑)。っていうのも今年に入ってから一本一本のライブが飛躍的によくなってきてるのを感じるんですよ。メンバー間のコミュニケーションだったり、演奏のコンビネーションもすごく良くて、それってなんでかなーって考えたんですけど、自信を持っていい作品が作れたからなんだと思うんですよね。それが何万枚売れてとか、世の中の人にどれだけ広まったとかじゃなくて、このCD、この曲たちが素晴らしいなって思えるっていう事だと思うんです。次のツアーでそれを確立させたいって。多分、このアルバムを聴いた人はすごくハードルが上がってると思うんです。「BIGMAMAはすごくいいライブをするはずだ」って思ってるんですよ。

―:僕もそう思ってます(笑)。

金井:でもそれを普通にやっちゃったら普通に収まっちゃうので、それをどう普通じゃなくするか。今はインパクトのあるライブツアーが出来ると思ってます。特効使ってドカーンとかじゃなくて(笑)。きちんと音楽で替えの効かないライブというか、良い表現が出来るんじゃないかなと思っています。チケット取れる場所もきっとまだあるはずだし、「来てください」って言うのは簡単なんですよ。言えばいいだけだから。最近こういうインタビューの時に「ライブ来てください」ってみんな言ってることだからどうしようかなって思ってて(笑)。

―:(笑)。金井さん言葉に対して真摯というか厳しいというか。

金井:いやいやいや。こういう場って会って、対面して話せるじゃないですか。テキストになった時、みんな同じフォントになっちゃうわけだから、「ライブに遊びに来て下さいね」って俺が言っててもサルが言ってても変わらないんですよ(笑)。簡単に「来てくださいね」って言っちゃうことに対して無力さを感じてて…。でも今はBIGMAMAのCDを買って聴いてくれてる人がいたら、本当センスいいよ!みたいなことを心から思うし、今チケット取ろうか迷ってるんですよねって言う人いたら、それ取ってくれたら絶対その日のその時間、どんな事よりもいい時間にするからおいでって言います。次のツアーに来た人が「昔、この会場でBIGMAMAのライブ観たことあるんだよね」って、それがちゃんと価値のあることになるようにやっていきたいです。それが二番目にやっていきたいことで。

―:一番目とは?

金井:一番はいい仲間になって、いい関係性を作ること。自分たちの音源をチェックしてくれて、ライブに来てくれた人ともっといい関係になって帰ること。それが一番大切でその次くらいに、自分達を選んでくれたことに対する価値を作り出してあげたい。昔から応援してくれていた人にはもっと強い価値になるように。この先もっと有名になった時、あなたのいいと思ったものは素晴らしいものなんだよって思ってもらえるように。ツアーに出る前に思ってることってこんな感じです。今ありとあらゆるエンターテインメントがライバルですっていうのはまさにそういう意味で、「お金を使う」っていう意味で。時間を割くって事に関してもそうだし。このお金を、時間をBIGMAMAに使いますって、そういう選択をしてくれてるお客さんに対して、他のなにかに負けるかもって気持ちでいたらだめだなって思うんですよね。今急にそういう考え方になったんじゃなくて、昔から少しずつ積み重ねたことが、迷いを消してくれてて。今このタイミングでこういうことが口に出せてる。その要因として自分たちがいい作品を作れたってことがあってのことだから。

―:ベストの状態でツアーに出られそうですね。

金井:バンドが自分たちの音楽にすごく集中してますね。メンバーそれぞれが洗練されてきてるっていう事もありますし。そういうこともあって僕はすごく自由です。あと一つ足りないことがあるとすれば、予想を裏切る、上回る自由さがBIGMAMAに備わってくるとよりもう一皮剥けると思ってます。そこですね。今いい状況で、余裕も生まれてきた中で、もう一つ上に行くには何だろうって思ったら、その「遊び」の部分。そこがあればさらに余裕をもって楽しんでいけるんじゃないかって思います。そんなことを考えつつも、みんな今本当絶好調だから。

―:状態の良さもあるけれど、ツアーの中でバンドがなにを獲得できるかっていう部分もテーマとしてありそうですね。

金井:そうですね。でも音楽をそんな高尚なものにもしたくないというか。お客さんと一緒に作り上げる曲が多いので、自分の曲のように思ってもらえることって僕にとって幸せなんですよね。すごいデカい声で歌ってもらっても構わないし、コーラスのパートも自分のパートのように思っていてほしいし。僕もそれに負けないように歌うし。BIGMAMAの音楽によりどっぷり浸って欲しいし、自由にしてもらいたい。夢中にさせたい。そういう事をひとりひとりとしたいって思っています。


Album Release Tour 「The Vanishing Bride Tour 2015 ~消えた花嫁を探せ!~ 」

【前半スケジュール】
04月04日 (土) 横浜BAY HALL
04月11日 (土) 高崎 club FLEEZ
04月18日 (土) 岐阜 club-G
04月19日 (日) 松坂 M’AXA
04月28日 (火) 富山 MAIRO
04月29日 (水祝) 福井 CHOP
05月14日 (木) 奈良 NEVER LAND
05月16日 (土) 高松 MONSTER
05月17日 (日) 高知 X-pt.
05月28日 (木) 神戸 VARIT.
05月30日 (土) 長崎 DRUM Be-7
05月31日 (日) 熊本 B.9 V1
06月11日 (木) 宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-02
06月13日 (土) 青森 Quarter
06月14日 (日) 盛岡 CLUB CHANGE WAVE
06月20日 (土) 山口 LIVE rise SHUNAN
06月21日 (日) 米子 AZTiC laughs
06月23日 (火) 京都 MUSE
07月02日 (木) 水戸 HIGHT HOUSE
07月04日 (土) 山形 MUSIC SHOWA SESSION
07月05日 (日) 郡山 CLUB #9
07月11日 (土) 金沢 EIGHT HALL
07月12日 (日) 長野 club JUNK BOX
07月23日 (木) 浜松 窓枠
07月25日 (土) 大分 DRUM Be-0
07月26日 (日) 鹿児島 SR HALL

【後半スケジュール】
09月12日(土) 札幌PENNY LANE 24
09月13日(日) 札幌PENNY LANE 24
09月19日(土) 仙台RENSA
09月20日(日) 新潟LOTS
09月22日(火祝) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM
09月23日(水祝) 広島CLUB QUATTRO
09月26日(土) 福岡DRUM LOGOS
10月03日(土) 名古屋ZEPP NAGOYA
10月04日(日) 大阪ZEPP NAMBA OSAKA

TOUR FINAL
10月10日(土) 東京ZEPP TOKYO

問い合わせ:Livemasters Inc. 03-6379-4744
BIGMAMA OFFICIAL HP>http://bigmama-web.com/

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