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【UKP OFFICIAL INTERVIEW】 polly 越雲龍馬 インタビュー

6/3にミニアルバム「青、時々、goodbye」をリリースするpollyがUKPインタビューに初登場。リリースレーベルは様々な人の記憶に記録を残し続けている「DAIZAWA RECORDS」。pollyもまた誰かの記憶に残り続けるバンドになると個人的に確信している。今回バンドのVo.Gtを務める越雲龍馬に全国流通盤リリースのトピックを軸に、ここまでにたどり着くまでの道のり、自身を取り巻く環境の変化、そして真っ直ぐなまなざしの先に何を見ているのか、話を訊いてきた。[取材・文:濱田和人(UKP)]

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――:これまでにCD-Rの作品が4枚、自主制作盤1枚、そし今回の新作「青、時々、goodbye」がDAIZAWA RECORDSから全国流通盤としてリリースされるという事なんですが、このステップアップしていくイメージって元々あったものなんですか?

越雲:ここまで来るのが思ったより遅かったと思います。CD-Rの1枚目出してる時点で、もうちょっと早くいけるかなあって頭の中にはあったんですけど、今22歳で、18歳の時に20歳になるくらいにはこういう状況になってると思ってたんです。なので2年の誤差があるなあっていうのが正直なところです。

――:その2年間は今思うにどういう時期だったんでしょうか?

越雲:バンドが不健康だったんじゃないですかね。今は健康だと勝手に思っているんですけど、そうじゃない時期が何度かあったので、そこで進めずにいた時期がありましたね。

――:そもそもpollyを結成した経緯というのはどういうきっかけだったのでしょうか?

越雲:地元の宇都宮でそれぞれが別々のバンドをやっていたんです。

――:じゃあメンバーみんな元々バンドマンだったんだ。

越雲:はい。で、そのそれぞれのバンドが解散したタイミングで声掛けました。お世話になってたHEAVEN’S ROCK 宇都宮でバイトしてたんで、店長に相談して、色んな人に声かけてくれてそれで集まったんです。

――:メンバーの最初の印象ってどういうものでした?

越雲:別に…(笑)。

――:(笑)。

 

越雲:バンド始めてからも淡々としてるし、やっていけるのかなって。今も印象は変わらないですよ。こいつらでいいのかなって(笑)。

――:それが18歳の頃で、活動歴としてはもう4年が経って、この春からは上京もしてもなお、いまだにそういう風に思うんだ。

越雲:思います。何も変わらないですよ(笑)。栃木に住んでる頃から都内のライブも多かったので。上京したけど、それも生活する環境が変わっただけみたいな。あんまりこう…、変化はないのかな…。

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――:pollyの曲は越雲くんが書いてるんですか?

越雲:今までずっと俺が全部作ってます。

――:そのバランスはずっと変わってないんですか?

越雲:変わってないですね。たまにアレンジとか行き詰まった時とかはメンバーに渡したりしますけど。構成は自分で作って弾き語りで持っていっちゃう感じです。最近は打ち込みもしたりで。

――:弾き語りもやったりするんですか?

越雲:地元では結構やってましたね。HEAVEN’S ROCKでもやってました。

――:バンドアンサンブルが細かく練られてるなあという印象なのですが、でも曲の芯がしっかりしてますよね。それこそギター1本の弾き語りでも全然問題なさそうというか。

越雲:それは地元にいた時からよく言われました。正直3ピースでも出来るし、もっと言えばひとりでも出来るし。他のレコード会社の人にも言われたりしたんですよね。「ソロでやらないか」みたいな。言ってることはわからなくないなというか…、大人の事は嫌いですけど(笑)。

――:でもバンドっていうスタイルを選んだわけですよね。

越雲:バンドの方がいいのかなって。ひとりになるならなるでもうちょっと歳取ってからかな。

――:表現欲求みたいなものってそもそもあったんですか?

越雲:ずっとありました。絵も好きだったし。なおかつ小っちゃい頃から嫌なことをノートとかに書いてたんですよね。正直音楽じゃなくてもいいっていうくらい文を書くのがすごい好きだったんです。その延長線上でハマったのが音楽。

――:音楽にのめりこむきっかけって何だったんですか?

越雲:ベタですけど、同時期に活動を始めた他のバンドよりもお客さんが来てくれてたりしたんですよね。自分達で作ったCDもしっかり売れたし。そういう部分かな。

――:「評価をされる」っていうことの実感が自分にとって大きかった。

越雲:そうですね。嬉しかったです。

――:充実感もあったりしました?

越雲:充実はしてないです(笑)。まあ「音楽なのかな」っていう漠然としたものはありました。そんな気がします。

――:手売りから全国流通になって聴く人も増えてくると思うんですが、広がっていくっていう事に対して今どう思ってますか?

越雲:責任感というと大げさですけど、今回は色んな人達が関わってくれてて、そういう身近な人達に対しての責任感が芽生えたというか。でもより孤独になってきた気もしてます。

“color: #008000;”>――:孤独というと?

越雲:やっぱり今まではレコーディングも自分たちのお金でやってきたから、責任が自分達だけにあるわけじゃないですか。変に言い訳を立てられるポジションだったんですよ。でも今それがなくて。だからこそ自分でやらなきゃいけない、自分が作ったものに対して追及していかなきゃいけないっていうのが出てきて…、自問自答みたいな…。そういう気持ちをバンドメンバーに話せる関係でも元々ないので、簡単に言えば話し相手がいないっていうか。まあ相談する気もないんですけど。だからこれからもそういう孤独感みたいなものはついてくるんだと思います。

――:その孤独感っていうものは元々持ってたものなんですか?

越雲:物心ついた頃からありましたね。なんか学校に行ってもこいつにはわからないだろうなって思う事たくさんあったし、家族の中にいてもそういうのあったし、これはもう慣れてるものというか。

――:ひとりでいて生まれる孤独感というよりは、人の中にいて生まれる孤独感なんですね。

越雲:今までも人に寄りかかるようなことってあんまりなかった気がします。まだはっきりとはわからないですけど、人が増えたら増えただけそういう気分になってしまう性格だと思っているので、より孤独になったもん勝ちだなって思います。

――:曲が生まれる瞬間もそういう感覚に根差してるんですか?

越雲:孤独感だったり嫌悪感だったりするかもしれないですね。納得いかない事だったり。もっと言えば死にたいとか、そういう部分でしかまだ自分の考えを書き出すことが出来ないかもしれないです。別にコンセプトを作ったわけじゃないんですけど、一貫して「孤独感」みたいなものはあったので、多分そういう生き方をしてきたんだろうなあっていう風に捉えてます。

――:自分のことを俯瞰して見てる部分もあるんですね。

越雲:わかんないです(笑)。最近諦めてきたかもしれないです(笑)。自分が自分じゃないような感覚がすごいあって。

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――:色んなレコード会社から声がかかっていたって事なんですけど、UKPからリリースすることになった経緯というのは?

越雲:本人を目の前にして言うのもなんなんですけど、担当の軽部さんが自分のフィーリングに合ったというか。胡散臭いは胡散臭いんですけど(笑)。それまでは商売としてっていう見られ方をしててそれが嫌だったんですよね。仕方のないことだってわかってるんですけど。でも唯一お金の話をしなかった人だったし、ああこの人なのかなって。

――:なるほど。

越雲:毎回ライブに来てくれるってわけでもなかったんですけど、それがいい距離感になったというか。これで軽部さんに声掛けられなかったら自主レーベルやろうって考えてました。

――:去年は去年で自主盤(通りに雨は降りしきり。)をリリースして、そのリリースツアーを周ったりと、あくまで自分たちが舵を切る活動の仕方でしたよね。

越雲:手を貸してくれる人の力を頼り過ぎないようにしようっていう期間だったんですよ、去年の一年間って。自分達でどこまでできるのかっていう。

――:理解できることの範囲も広がりますものね。

越雲:そっちの方がお互いにやりやすいと思うんですよ。ツアーの組み方も、レコーディングの流れだったりCD作るのだったり。だから去年一年間は無駄じゃなかったなって思います。

――:順調にバンドとしても、一個人としてもステップアップしている感じが傍から見ても感じます。今回の「青、時々、goodbye」が完成して手応えなどいかがですか?

越雲:手応えあります。めちゃめちゃあります。おれ丁寧に作りたがっちゃうんですけど、良くも悪くも丁寧に作りすぎてない感あっていいなって。この作品がダメだったら世の中の感度が低いっていう風に思ってます(笑)。

――:(笑)。

越雲:自主盤を作った時はそんなこと思わなかったんですけど。

――:そうなんですね。その違いというのは?

越雲:自主盤の時は自分の中だけで満足してたというか。正直あの作品は広がんなくてもいいって思ってたんですよ。

――:でももうすぐ完売ですよね?

越雲:もう在庫終わります。思ったより広がったので良かったんですけど…、よくわかんないですよね(笑)。

――:(笑)。でも今回の新作は手応えもありって感じなんですよね?

越雲:あ、でも半分半分ですよ。疑心暗鬼の部分もあります(笑)。

――:(笑)。それは何に対して?

越雲:いやでも、この今思ってる感覚が本心じゃないのかもしれないし(笑)。

――:(笑)。

越雲:自分に対するものだったりもします。

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――:ツアーも本数多く周ってますね。バンドとしては過去最長ですか?

越雲:期間的には今回の方が長いですけど、自主盤のツアーの時の方が本数は多かったですね。ツアーしんどいですよね…。

――:(笑)。

 

越雲:まずメンバーと一緒に夏を過ごすのがしんどいですよね。

――:(笑)。行程がどうこうというよりはメンバーと過ごす部分に引っかかるんですね。

越雲:そうなんですよね…。あとツアーの良くないところはぶっ続けじゃないですか。なにが良くて良くないか判断できなくなってくるんですよ。うちのバンドって俺が傾いちゃうと、バンドもグラっといっちゃうからそこがめんどくさいんですよ。お前らもっとしっかりしろって思う。だから人間力を高めるためのツアーでもあるんです。それで、ツアーの先も見据えていきたいです。

――:ツアーの事だけにとどまらずって感じですね。

越雲:漠然としてますけど、でもツアーだけを見てしまうと終わった時に自分のアンテナが衰えてしまうような気がして…。それが嫌なのでちょっとだけでも先を見たいなって思いますね。…しんどいですけど。

――:(笑)。

越雲:多分ツアー中に辞めたくなると思うんですよね。だから軽部さんにも相談すると思います。

軽部:俺も辞めるよ。

一同:(笑)。

――:辞めないで下さい。前回のツアーでもそういうことあったんですか?

越雲:俺前回のツアーで初めて失踪したんですよ。

――:えっ?

越雲:人生で初めて人前から走って逃げたんです。

――:ライブ中ってことですか?

越雲:さすがにライブ中じゃないです。ふと、こいつらとはやってけないって思って、財布も携帯も置いて飛び出したら場所どこかがわかんなくなっちゃって…。ツアー良くないですよ…(笑)。まあでもやるって決めたのでどうなることか…。良くなって帰ってくるのか、それともミイラみたいな状態で帰ってくるのか(笑)。どっちかだと思います。

――:今回のツアーで初めて行く場所も含まれてる?

越雲:京都くらいですかね。それ以外は前回のツアーで周ったところを中心にって感じです。

――:前に周ったところにまた行くっていうのは意味大きそうですね。レベルアップした姿見せないといけないって側面もあると思いますし。

越雲:それを出さないと意味ないですよね、一年も経ってるし。ちゃんと取り組みたいと思っています。

――:インタビュー冒頭でも2年のロスがあったなんて話しましたけど、時間との付き合い方にかなり重きを置いてますよね。

越雲:生き急いでる感はあります。正直。何事に対しても。

――:元々そうだったんですか? それともバンド始めてから?

越雲:元々からかもしれないです。別に集合時間とかそういうのはいいんですけど、大きく捉えた時は急いじゃうのかもしれない。同世代とか、周りの同い年のやつらが先に売れてたりするとすごい焦るというか…。ヘルシンキ(Helsinki Lambda Club)とかCettiaがCD出してるのを見て焦ったりもしたので。それは今も変わらないですし。

――:同世代のバンドの動きとか気になるんですね。

越雲:気になるっていうか、耳に入ってくるじゃないですか? そういうのがすごく嫌なんですよ。負けるのが嫌いなので、やっぱり結果を出したいなって。音楽っていうものをやってて、他のミュージシャンのリリースを喜ぶバンドマンってバンドマンじゃないですよ。

――:おおお。でも今度出る作品とてもいい作品だと思うので、胸張っていいと思いますよ。

越雲:いやわかんないですよ。逆で良くないって言われるかもしれないです。これはもう発売しないとわかんない。自分たちのリリースが決まった時でもやっぱり「おめでとう」みたいに言ってくる人もいたんですよね。それはそれで嬉しいんですけど、俺はそういう事絶対言わないんですよ。俺はこれからもそうなりたくないなって思います。その気持ちがなくなったら俺は終わりって思うくらい。

 

 

【商品情報】

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タイトル:「青、時々、goodbye」
バンド名:polly (ポーリー)
発売日:2015年6月3日(水)
品番:UKDZ-0166
値段:1,600円+税
レーベル:DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECT
JAN CODE:4514306012491
仕様:6曲入りCD

収録曲
1.ナイトダイビング
2.アンハッピーエンド
3. Loneliness
4.雨の魔法が解けるまで
5.ボクの為だけのワルツ
6.hello goodbye

 

1st mini album release tour
「hello、時々、goodbye」

6/20(土) HEAVEN’S ROCK宇都宮
6/24(水) 千葉LOOK
6/30(火) 水戸LIGHT HOUSE
7/5(日) 高崎club FLEEZ
7/9(木) 仙台enn 2nd
7/12(日) 秋田LIVESPOT2000
7/13(月) 盛岡club Change Wave
7/15(水) 福島PEAK ACTION
7/17(金) 新潟RIVERST
7/19(日) 広島4.14
7/28(火) 名古屋APOLLO BASE
7/29(水) 大阪2nd LINE
7/30(木) 京都MUSE
8/5(水) 神戸太陽と虎
8/26(水) 静岡UMBER
9/12(土) 下北沢CLUB Que 〈Tour Final!!〉

polly プロフィール
2012年4月、宇都宮でバンド結成。メンバーの平均年齢は20才。
2013年7月、RADIO BERRY(エフエム栃木)主催「ベリコン2013」グランプリ受賞。
2014年7月、UK.PROJECTが主催するオーディションで、ファイナル12組に残る。
2015年4月、メンバー全員上京。
同月、Bandcampにて「Loneliness」の無料配信をスタート。
2015年6月、ファースト・ミニアルバム「青、時々、goodbye」をDAIZAWA RECORDSからリリース。

polly オフィシャルサイト
http://www.polly-jp.net/

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