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【UKP OFFICIAL INTERVIEW】ART-SCHOOL木下理樹 × polly越雲龍馬 対談

Warszawa-Labelを主宰するART-SCHOOLの木下理樹と、代沢レコードに所属するpollyのボーカル越雲龍馬の初めての対談が実現しました。3/19のpollyの東京初ワンマンのこと、5/18発売のART-SCHOOLのフルアルバム『Hello darkness, my dear friend』のこと。さらに、それぞれのバンド観や、プライベートのこぼれ話まで。
惹かれ合う魂が織りなす、フランクで真摯な会話をお楽しみください。

-:よろしくお願いします。まず、お二人が対談するというのは、かなり珍しいと思うんですけど、もともとお二人は仲良いんですか?

木下:僕は仲良いと思ってますけど…。
越雲:仲良くさせてもらってます。

-:初めて会ったのはいつ頃なんですか?

越雲:事務所(UK.PROJECT)のスタッフさんに下北沢でご飯連れて行ってもらったことがあったんですよ。その日ちょうど、夜中にDJイベントがあるとかで理樹さんも下北沢にいたみたいで、来てくれたんですよね。その時が初めてです。

-:初めて会う前から越雲さんはART-SCHOOLのことは知ってました?

越雲:もちろん知ってました!地元の栃木でCD買って聴いてました。ライブも行きました。初めて観たのは「YOU」のツアー(「ART-SCHOOL NEW ALBUM『YOU』Release tour 2014」)で、the band apartとのツーマンの時でした。HEAVEN’S ROCK 宇都宮で。
木下:うれしいですね。

-:その時の木下さんの印象はどんな感じでした?

越雲:うーん…「怖い人だなあ」って思いましたね。理樹さん、ライブの最初からサングラスかけてて…いままで見たことのないボーカルだなって。なんかどんよりしてる感じで…。
木下:どんより。笑
越雲:どんよりというか、暗いものを感じたんですよ。他のバンドにはない感じで。

-:下北沢で初めて会ったときの印象はまた違ったものでしたか?

越雲:あー…その時、理樹さん既にけっこう酔ってたかも…。笑 でも、宇都宮のライブで観た時とそんなに印象は違わなかったですね。
木下:どんより?笑
越雲:僕、悪い意味でどんよりって言ったわけじゃないですよ。 なんていうか、影とか、闇を纏っているというか…。
木下:その初めて飲んだ時ってUKFC(UKFC on the Road 2015)より前だから、1年くらい前だったよね。

-:木下さんがpolly…というか越雲さんを初めて認識したのはいつですか?

木下:さっき話にあがった下北沢で飲みに行った時が最初ですね。その時にpollyの音源も貰って。

-:会ったのが先で音源を聴いたのは後だったんですね。

木下:聴いて「いいな~」とは思ってたんですけど、ライブ観てみないとわからないなとも思って。その後UKFCでpollyのライブを初めて観たら、ライブもすごい良かったです。音源よりライブの方が良いバンドだなっていう印象でしたね。曲も良くて、かつ歌詞も耳に残るバンドってそんなにいないじゃないですか。その点pollyはすごいなと思った。あと、ライブ中全然ファンのことを見ないんだよね。完全に自分たちの世界で演奏してるっていうか…そこが珍しいなとも思ったかな。ライブ中の越雲くんは本当に誰のことも見てないって感じで、俺にとってはそれが逆に好印象だったんですよ。今のバンドって、最初からお客さんとのコミュニケーションを求めていくバンドが多いから、pollyに関しては「あ、このバンドはそうじゃないんだ」って感じで新鮮でしたね。

-:なるほど。

木下:越雲くんは、仲良くなってからも最初にライブで観たときの印象は変わらないですね。良い意味で特殊な才能を持ってると思う。

-:自分と重なる部分があると思います?それとも全く違うと思います?

木下:重なる部分はあると思いますよ。やっぱり相手に対してどこか似た部分がないと惹かれないと思うし。…単純に言うと純粋な部分とか…「アーティストである」ってところは重なる部分ですね。ただ単純に「バンドマン」なんじゃなくて「アーティスト」っていう感じ。あと越雲くんは、心の中に何か棲んでいそうで…でもどこか透明でピュアな部分もあって…っていうところが、俺が越雲くんの一番好きなところかなと思います。

 

 

-:越雲さんは先日の新木場コースト(ART-SCHOOL復活ライブ「ART-SCHOOL LIVE 2016 Easter」)も観に行かれたんですよね?

越雲:すごくよかったですね。さっきも話しましたけど理樹さんと知り合う前からART-SCHOOLの曲は聴いていたので、ほんと久々に聴けた曲がたくさんあって、いちリスナーとして楽しめた感じでしたね。好きな曲をライブで聴けた時の高揚感というか、久々に感じられてすごく嬉しかったです。なんか、自分がバンドをやり始めてから音楽を純粋に聴いて楽しむってことがしづらくなってて…ライブを観るのもだんだん好きじゃなくなっちゃってたんですよね。

木下:そうなんだ。それはなんでなの?

越雲:うーん…なんでだろう…まず人ごみが嫌いなんですね。ライブハウスの雰囲気も好きじゃないんですよね。なんかもわ~っとしてて…負のエネルギーを感じて…。でも、こないだのART-SCHOOLのコーストの時は、その負のオーラが会場に満ち満ちてるというか充満しまくってる感じがして…
木下:負なの。俺こんなにpollyのこと褒めてるのに返ってくる言葉はえげつないなあ…。笑
越雲:違うんですよ!貶してるんじゃなくて、あの時は負のオーラが出まくった感じが逆に気持ちよかったんです!なんかあの時はライブハウスにいる感じじゃなかったです。…まるで底なし沼にいるような…。

一同:爆笑

越雲:わかります!?そんな感覚ってなかなかないじゃないですか!
木下:底なし沼か~そんなつもりはないんだけどなあ…。笑 でも、良い意味で言ってくれてるっていうのはわかるからありがたいね。
越雲:明らかに異空間でした。あと、すごく印象的だったのがライブ中に女の人の声が飛ばないんですよね。男の人の声しか聞こえてこない。それってすごいことだなって。pollyのお客さんにも感じることなんですけど、アダムスファミリーに出てくるウェンズデー・アダムスみたいな子が多くて…「ART-SCHOOLのファンの人ってやっぱりなんかヤバいな…」って…。
木下:笑 でも綺麗な人多いでしょ?
越雲:そうですね!なんか色白…蒼白い人が多いです。
木下:蒼白い人ね…。笑
越雲:でも僕らの場合もそうですけど、そういうお客さんの方が長く見続けてくれてる感じがします。
木下:そうかもね。なんていうか…精神的なオアシスになれてるのかな、俺らの存在が。

 

 

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-:ART-SCHOOLはニューアルバム(8th Full Album 「Hello darkness, my dear friend」[2016年5月18日(水)発売])のリリースが発表されてレコーディングの真っ最中とのことですが、今はどこまで進んでるんですか?

木下:ラフミックスがちょうど終わった段階ですね。

-:2月のコーストで演奏した新曲2曲は収録される予定なんですか?

木下:もちろんです。

-:コーストのライブを中継してたニコ生上では「あれは新曲じゃない」って言う声も聞かれましたが…。

木下:NORTH MARINE DRIVE(TEENAGE LAST [1999年10月21日発売のソロアルバム]収録)をリメイクした曲なんですよね。木下理樹名義で出してる曲だし、新曲って言っていいかなと。19曲くらい新曲があって、その中から選んだんだけど、このタイミングでリメイク曲をあえて選んだってことは自分の中で何か一つ過去を消化できたのかなと思ってますね。

-:今回のアルバムはどんなアルバムになりそうですか?

木下:そうですね…今回の作品はART-SCHOOLを、リスナーにとっての「秘密の隠れ家」みたいな存在にできたらなって思って作ってるんです。誰かにとっての「シェルター」「避難場所」、あと人を包み込む繭って意味で「コクーン」とかっていう感じで。日常生活の中で辛いことがあっても、ART-SCHOOLという隠れ家みたいな帰る場所があるからやっていけるっていう…初心に帰るつもりでそういう繊細な作品をもう一度作ろうって考えてて。僕が「Warszawa-Label」っていうものを始めてから第一弾の作品っていうのもあるから、「デビューアルバムをもう一度作ろう」っていう気持ちで作ってますね。
今回のアルバムは特に、初期のART-SCHOOLが好きな人に聴いて欲しいです。一周して今回のアルバムは初期のART-SCHOOLに戻ったような気がする。人間的にとか、音とか。

 

 

-:越雲さんは、今日ART-SCHOOLのニューアルバムのラフミックス聴きながらこの対談に向かったと聞きました。どんな印象でした?

越雲:僕は「YOU」のイメージが強かったかな…透明感があって。
木下:あ~確かに。さっきの話と違って聞こえちゃうんだけど、今回のアルバムは「YOU」の延長線上でもあるかもしれない…。あのアルバムの中にはラウドな曲も入れてたけど、それだけじゃなくて初期の頃の気持ちというか、RADIOHEADでいう「Pablo Honey」みたいな、そういう気持ちも盛り込んでいて。「Pablo Honey」をもう一回作ったみたいな、そういう気持ちはすごく強いですね。
越雲:耽美なイメージが強かったです。ストリングスも入ってていい感じでしたし…。理樹さんって、言葉の選び方が小説的だなって思うんですよね。文学的というか…聴いてると「それは俺には使えないなあ」っていうワードがよく出てきますね。文学的っていえば、理樹さん昔、小説書いてましたよね?
木下:「左ききのキキ」だ。
越雲:そうですそうです。僕、高校生のころ読んでましたよ。
木下:あれは、大変だった。でも本読むのは好きだし、小説家の知り合いとかも多いですね。
pollyの歌詞も俺、好きですよ。pollyってメロディは明るいけど、歌詞は鋭かったり暗かったりして、ちょっと「死」を連想させるような感じじゃないですか。そこは俺と共通するところだなって思ってて。俺も歌詞は暗いけど、曲は明るく作ってるつもりだから。そういう意味ではpollyにも俗に鬱ロックって言われる素養はあるのかもしれないけど、でもあくまでもpollyはpollyで、そのままで行くのが良いんじゃないかなって思いますね。

 

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-:ART-SCHOOLはニューアルバムを出したらツアーするんですよね?

木下:はい!キャリア最大級のツアーになります。たくさんの人にCDを聴いてもらって、ライブも観に来て欲しい。どこかでpollyとも一緒にやれたらいいね。
越雲:是非!
木下:越雲くんは人嫌いと聞いたので楽屋の方は、一人用の「越雲部屋」を作るんで…!笑
越雲:…いや勘弁してください…。

-:ほんとはどうなんですか。

越雲:…まあ…本心で言ってしまうと、一緒の楽屋に居ると心が苦しくなるというか…。
木下:嫌なんだ!笑
越雲:理樹さんは何回も会ってるから大丈夫として…!!
木下:他のメンバーも皆良い人だよ~?笑 まあでも、逆に気を使っちゃう自分がいるってことだよね?
越雲:うーん…なんだろうなあ…あと僕、タバコとコーヒーが苦手なんですよね…。職員室にいる学校の先生みたいじゃないですか?昔先生にいじめられてたから…。
木下:トラウマが蘇るってこと?やっぱり越雲部屋作るから!

-:そうまでして木下さんはpollyを呼びたいんですか?笑

木下:呼びたいですよ!pollyが好きだから!
越雲:ありがとうございます…!
木下:それ以外理由ないでしょ!

 

 

木下:越雲くんのことで印象的だったのが、俺が詩が書けなくて悩んでた時にちょっと相談してたら…

-:えっ木下さんが越雲さんに相談したんですね!?笑

木下:そうそう。で、相談したら「理樹さん、川に入るんですよ!!すげえ書けますよ!!」って言われたんですよ。笑「どういうこと!?」ってなって、俺ほんと自殺しか思い浮かばなくて!
越雲:いやほんとすごいんですよ!川に入るとまず毛穴が引き締まるんです!
木下:知らんがな!!それで何がどう思い浮かぶんだ??って思って「こいつすごいな…」って。笑それから、バイトが続かないって話も面白かった、「俺と一緒じゃん…。」て思って。東京きてから一番長くてどれくらい続いた?
越雲:…東京きてからの2ヶ月くらいですかね…。
木下:それ、一緒だな…。

 

 

-:ところで、pollyが3月19日(土)に東京初のワンマンをやるんですよね。

木下:いいじゃないですか~!
越雲:でもその日、理樹さんライブなんですよね…名古屋で…。笑
木下:先に決まっちゃってたんだよね…観たかったなあ。

-:初めて東京でワンマンやるpollyに、木下さん、先輩として何かアドバイスすることってありますか?

木下:越雲くんは彼の世界の中で生きてるから、そのままでどこまで行けるかっていうのを一度チャレンジしてほしいですね。もちろん壁にぶち当たることもあると思う。「あ、このままじゃダメだ」ってなることもあると思うけど、そういう試練を是非乗り越えて大きくなっていくのを期待してます。
3月19日、俺は観に行けないけど、期待しかないね。pollyはほんとに良いバンドだし、これからもっともっと伸びていくだろうし…もちろん今もそうだと思うけど、もっと自分の才能を信じて、もっと高い所、広い景色を目指していって欲しい。で、それくらいになると「お客さんも自分達と一緒に連れて行ってやろう」って気持ちになっていくと思う。「武道館まで連れて行くぜ!」くらいの気持ちになってくれたら嬉しいね。
越雲:ありがとうございます。
木下:俺が聴かせてもらったのはミニアルバムだけだけど、ワンマンできるくらいの曲数があるってことだよね?
越雲:そうですね。地元でワンマンを3回やっていますし。
木下:アルバム作っちゃえばいいのに!俺は聴きたいよ?
越雲:アルバム作りたいですね~。曲は出来てきてるし、昔の曲もあるので。
木下:なんか、pollyって普遍的な部分がずっと残ってるバンドな気がするんだよね。
多くの人が大人になっていくにつれて忘れてしまう純粋さとか、何かを見て「綺麗だな」って思う心みたいなものかな…。そういうのをpollyはちゃんと失くさずに持ってる気がしてて…そんなpollyが作るフルアルバムはほんとに聴いてみたいって思う。
越雲:そうですね…。前回のリリースが6月なので、そろそろまた出したいって思ってます。

 

 

-:越雲さん、最後に3月19日のワンマンの意気込みをお願いします!

越雲:この記事って、ART-SCHOOLのファンの方も読んでると思うんですけど……pollyはART-SCHOOLと共通する部分もあると僕は勝手に思っているんですが、ART-SCHOOLと共通しない部分として、僕らは活休はしないので!そこに関しては信頼していいバンドだと思うんですよね!理樹さんのような、嘘をつかないので!
木下:そりゃないだろ!俺は何しにきたんだ。爆笑
越雲:ART-SCHOOLのファンの人で、「これからちょっとどうしよう…。」って思ってる人はpollyに乗り換えるチャンスなので、このタイミングで乗り換えてもらって!
木下ほんとかよ!
越雲:はい!…ということで、何かにフラストレーションを感じている人は、是非このワンマンを観に来てください!理樹さんは来ませんが、やります!
木下:だから俺、何しに来たんだよ!!
越雲:今日は大好きな理樹さんと話せて、ほんとによかったです。ありがとうございました!

 

聞き手 UK.PROJECT 遠藤幸一

 

 

【ART-SCHOOL商品・公演詳細】
ART-SCHOOL 8th Full Album 『Hello darkness, my dear friend』

2016年5月18日(水)発売
品番:WARS-002
価格:¥2,400(税別価格)
レーベル:Warszawa-Label

 

「ART-SCHOOL TOUR 2016/Hello darkness, my dear friend」

6⽉11⽇(⼟)千葉LOOK
6⽉14⽇(⽕)京都MOJO
6⽉16⽇(⽊)岡⼭IMAGE
6⽉17⽇(⾦)福岡the voodoo lounge
6⽉21⽇(⽕)さいたまHEAVEN’S ROCK
6⽉23⽇(⽊)新潟CLUB RIVERST
6⽉24⽇(⾦)仙台LIVE HOUSE ann 2nd
6⽉26⽇(⽇)札幌COLONY
7⽉01⽇(⾦)梅⽥Shangri-La
7⽉03⽇(⽇)名古屋ell.FITS ALL
7⽉09⽇(⼟)恵⽐寿LIQUIDROOM

チケット発売日:4月24日(日)
イープラス/ローソンチケット/チケットぴあ
adv \3500(税込)/day \4000(税込) ※ドリンク代別途必要

 

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【polly公演詳細】
polly 都内初ワンマンライブ「ああ、それは、ひとのよう」

2016年3月19日(土) 下北沢CLUB Que
open/start 18:00/18:30
ticket:¥2,000

【チケット】
イープラス
ローチケ(Lコード:70484)
ライブ会場、店頭でも販売中

 

■polly official HP
http://www.polly-jp.net

■polly Twitter
https://twitter.com/polly__jp

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