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Live Report ライブレポート 2008

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2008.5.20
"初夏の薫り"
advantage Lucy/FREENOTE


advantage Lucy

FREENOTE
台風が過ぎ去った後は決まって静かで風もなくて、それでいて少し蒸し暑くて、こんな日は夏の訪れを予期させる。そんな日に相応しい"初夏の薫り"と名づけられたこのイベント。湿気を含んだ空気にゆるやかな風を起こすようにFREENOTEのライブが始まる。「この曲をやらずに春が過ぎ去ってしまったので今日は意地でもこの曲をやります。」と意気込みを見せた後で歌った『サクラノート』。Vo.秦の澄んだ芯のある声と柔らかいPOPなメロディーが会場全体に拡散して、影に沈むように消えていった。そして一人、二人と次々と音に体を委ねゆらりゆらりと揺れていく。締めくくりは和やかな空気に十分に無垢な音を含ませ奏でたadvantage Lucy。メンバー同士が演奏中に目を合わせて笑顔を浮かべ鳴らす音は、壁が丸みを帯び、壁を支える鉄さえも弾力を持つようである。きらびやかでスーと伸びる残響に思わず表情が緩んでしまう。いつしか時間の経過も忘れ、観客もステージに夢中になっていた。開演終了後に外へ出ると空には雲一つなく深い群青色で、暑くもなく寒くも無く、これから飲むビールと少し遅い夕食とかそういう日常のことが嬉しく思えるような生気の満ちた一日だった。[文/石田大輔、撮影/中村美鶴]
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