SHIRO(Vo.Gu)のバースデー企画は、ザ・ステファニーズ結成以来「いつか共演したい!」と夢見てきたザ50回転ズとの悲願のツーマンだ。O.A.には、ザ・ステファニーズのメンバーが扮するザ50回転ズのコピーバンド「ディスティニー」が登場。「初ステージだから、怒られるつもりでやりますから~!」と、衣装から本家を完コピして「ハワイはいいわ」など計4曲を演奏した。
「久しぶり~! CLUB Que~! 帰ってきました!」とダニー(Vo.Gu)と超ハイテンション投げかけ「ロックンロールマジック」からザ50回転ズのステージが幕を開ける。強烈なサウンドと豪快なステージングで圧倒すると「本家の恐ろしさ、見せてやろうかな〜!」と、さっきコピーされたばかりの「レッツゴー三匹!!」へ。豪速球を投げ込んでいくようなアグレッシヴなナンバーをキメれば、観客も自ずと拳を振り上げて応える。MCではダニーが初共演のザ・ステファニーズへ「愛あるコピーバンドをありがとう!」と伝えると「でも、あのクオリティの低さ、練習不足!」とディスティニーをいじって笑いを誘いつつ「彼女たちのピュアなロックンロール! 初めて会いましたが、彼女たちの本当に真面目な姿勢におじさんはメロメロです」と3人を絶賛。中盤には「新世界ブルース」と歌謡チックな雰囲気のあるナンバーや軽やかなビートと鮮やかな照明がシンクロする「Trip! Trip!」、ノスタルジーな「涙のスターダストトレイン」と多彩な楽曲を盛り込みながら、ラストに向けて再び加速を始め「50回転ズのテーマ」、「おさらばブギウギ」と痛快なロックンロールをかき鳴らして締めくくった。
そしてザ・ステファニーズのステージへ。本日の主役、SHIRO(Vo.Gu)の伸びやかな歌声にMANAMI(Ba)とMITCHY(Dr)がコーラスで彩るアカペラ・ナンバー「BIRTH DAY」を丁寧に歌い上げると「ステファニーズのテーマⅡ」へと華麗に口火を切る。ザ50回転ズとの共演が実現した喜びを話す3人はその想いをグルーヴに乗せ、「From the Sky」、「A feeling to you」と気持ちよく鳴らしていく。 「今年いちばんのベストアクトだと思います」と2019年の初月にして感無量の面持ちで言い切るSHIRO。数年前にどうしても共演がしたい! と彼らの対バンオーディションへ応募し、音源と資料を目一杯詰め込んで送ったというエピソードを語ったり「いつもいつも背中を追いかけているザ50回転ズさんへ」と「Teenage Crunch」を披露。MITCHYがリードしてオーディエンスと一緒にコーラスワークを楽しむ「Alright Only Tonight」、SHIROのパワフルな歌声とロック・サウンドの「HACONIA」とハートウォーミングな演奏で惹きつけ「Baby, I love you」から一気にラストスパート! 「私の夢をかなえてくれてありがとうございます。この夜に最大級の愛を込めて最後にラブソングを」とSHIROが語りかけ「テディ」で本編を終えると、音源と一緒に事務所に送ったと言うザ50回転ズをカバーしたMVの再録バージョンをO.A。当時その望みは実現しなかったが、何年越しにその夢を叶えた彼女たちの晴れやかな笑顔ったら! 多幸感溢れるの空間のなかアンコールには「666」を演奏して〆。これからも夢の実現をしながらメキメキとすてきなロックンロールを奏でてほしい。
[文:大島あゆみ/撮影:山中善正]