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Live Report ライブレポート 2019



9/29 "LOST IN TIME Presents SPECIAL 2MAN SHOW!!!「クリーニング屋の招き猫」"
LOST IN TIME/the shes gone
LOST IN TIME
LOST IN TIME
the shes gone
the shes gone
セッション
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 公演に先立ち、対談インタビューやリハーサル時の動画をYouTubeに公開していた注目のツーマン。この日を迎えるまで、仲を深めるようにじっくりと温めてきた2組のステージは、the shes goneから幕を開ける。
 軽やかなビートが鳴り「ラブストーリー」のイントロが鳴るとDaishi(Ba)は、クラップを誘いながらグッとオーディエンスと距離を縮める。メンバーは息を合わせるように向き合い「サプライズ」へと続け、”ここ下北から化けていきましょうか”と兼丸(Vo.Gu)が投げかけ「化物」へ。順調に滑り出したと思いきや、”こ、これは緊張しているゾ!いつもとはちがう緊張!”と、MCでは終始カミカミなトークで大先輩との共演に緊張を隠しきれない兼丸。”精一杯歌いますので”とまっすぐと思いの丈を語った。続いて「最低だなんて」と再び揺れ動く想いを丁寧に歌い上げると、ミニ・アルバムより新曲「シーズンワン」を演奏した。兼丸は、海北との対談インタビューや“上部だけでない血の通った音楽”とLOST IN TIMEのライヴを観て感じたことを語ると”海北さんの、何だろう、あったかい塊みたいな。声もだけど…”と表現すると観客から思いがけないパワーワードに笑い声がこぼれる。その上で”今日、この曲を出さなきゃいけない”と思ったという、セミ・バラード「ふたりのうた」を披露。胸の片隅にある淡い恋心をくすぐるようなやさしいメロディを会場一杯に響かせる。終盤は”僕らのなかで一番明るい曲を!”とマサキ(Gu)鮮やかなギターの音色が鳴り「緑とレンガ」、そしてラストは想いを噛み締めるように「甘い記憶」を歌い締めくくった。
 持ち曲をほぼすべて演奏し尽くしたthe shes goneの清々しい余韻が残るなか、LOST IN TIMEのステージは「30」からスタート。歩み続けながら大切に紡いできたメロディ、言葉、包容力のある温かな音が広がる。海北大輔(Vo.Ba.Key)の鍵盤が鳴り「366」へと続くと観客は手拍子をして応え、大岡源一郎(Dr)のドラムが繋く「歩く速度とその矛盾」と高揚感は増すいっぽうだ。一転して、三井律郎(Gu)の切なく可憐なギターの音色が「ニジノシズク」としっとりとミディアム・ナンバーを聞かせると“(the shes goneと同じ歳の頃)僕らは、彼らのようにまっすぐいられただろうか”と振り返りながら、自身も先輩たちにたくさんのことを教わって歌いつないできた語りかけ、スピッツのカバー「田舎の生活」を披露。“the shes goneの楽曲を聴くと、上京したての頃のことを思い出す”と海北は語りかけると“何曲か恋の歌”をと「トーチシンガー」へ。スロウ・テンポのしなやかな音色に、観客は想い想いに耳を傾ける。続く「教会通り」は、事前に兼丸と海北の対談インタビューを読んだ方ならばピンと来ただろう(気になる方はインタビュー記事をご覧ください)。センチメントな空気をそのままに「列車」、恋やときめきと同じく大切な友達の存在を歌に込めた「手紙」を熱量たっぷりに届ける。そして、三井の歯切れ良いギターリフから「希望」を爽快に演奏しきると観客から歓声と拍手が沸き起こった。海北は“the shes gone、彼らの歌は10年20年経っても心に残っていく歌だと感じてます。そして今日がLOST IN TIMEとの出会いだった人はまたどこかで”と告げ「ひとりごと」でライヴを終えた。
 アンコールでは、海北と兼丸が弾き語りで「甘い記憶」(the shes gone)をセッション。2人の歌声が重なると、じみじみと聴き入ってしまう。そして全員をステージに呼び込み「グレープフルーツ」(LOST IN TIME)を演奏した。海北は3人では再現できないアンサンブルを喜びつつ“この曲は、兼丸くんの歌声にぴったりだと思うんだ。機会があったらthe shes goneの曲としても歌ってよ”とさらりと振ると、“えっ! いいんですか!”と兼丸。いざ演奏されると、納得の素晴らしいコラボレーションで終演を迎えた。再びの共演が見れたら素敵だなと思う、有意義な一夜となった。YouTubeにセッションの様子がアップされているので、気になる方はそちらをチェックしてみてほしい。

[文:大島あゆみ/撮影:山中善正、chizuwa rina]

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