05「ギブ・ミー・チョコレート」

宍戸 : タイトルなんですけど、全曲そうなんですけれど凄く考えたんですよ。例えば

   “butterfly (in my stomach)”なんかはドキドキする気持ちとか浮気な感じ、尻軽女といった感

   じの意味があったりするんですが、“ギブ・ミー・チョコレート”はご褒美頂戴とか、こういう

   俺の事褒めてくれよみたいな意味でのタイトルでして。この曲名元々は“シャララ(仮)”だっ

   たんですよ笑。それぐらいこの曲のシャララ♪っていうフレーズが印象的だったんですよ。そ

   う、俺いつもそういう癖があるんですけれど、タイトルにあまり重きをおいていない部分が

   あって。なので今回のアルバムにはちゃんと名付けてあげようと思って。

なんだろう、曲を聴く前だと、タイトル的にさ、甘い恋愛の歌なんだと思うんだけど。というか以前から曲のタイトルは面白いなとは思っていたけれど。今回のアルバムは特にタイトルがより凝っているなと。そして期待を裏切らせるという。

宍戸 : これチョコレートってその、薬物の隠語だったりす

   るじゃないですか。だからその、ラリッてる感じ、

   曲のサイケロックみたいなのがもともとアレンジの

   イメージにあって。そっから持ってきているイメー

   ジでもあります。都会で狂いそうになるとういか。

 

06「seen」

宍戸 : この曲は前からありました。これも昼行灯の頃からですね。俺は凄く好きな曲です。前だった

   ら入れられなかったです。ポップさというか、そういう曲ではないので。テンションでいう

   と、凄く落ち着いたもので。ちょっと大人っぽい所も見せたかったので、今回良いのではと思

   いました。この曲の頃は一番深く傷ついた時期の曲なんです。

他の曲とこの曲は作りが違うなと感じました。

宍戸 : この曲は(作っていったのが)歌詞と一緒でしたね。基本的にもう、(構成は)作った時のま

   まですね。ちょっとだけ変えましたが。軸がそこにあるので、違うのかも知れないですね。こ

   の曲は俺のエゴな部分の詰まった一曲です。

宍戸君の今とまた違ったどうしようもない頃の気持ちの時に出来た1曲だね笑。

宍戸 : 笑。そうですね。どうしようもなかった時に一番、なだけあって。このアルバムに収録するに

   あたってちょっとだけ調整はしました。

 

07「ラストワルツ」

宍戸 : これもまた美代君が歌詞を書きました。この曲はネタだけは少し前からありまして。まぁ別れ

   の歌です。バラードといっても過言ではないです。歌い上げられると僕はやってて楽しいです。

さきほどから曲の説明をしてもらっているけれど、“ファンファーレ”や“Day after tomorrow”は凄く普遍的に突き抜けていて明るいんだけれど、それ以外の曲ってここまで聴いていると割とこう、、、暗かったり、暗いのをメロディでポップスに変えてたり、そんな印象を凄く受けます。

宍戸 : ほんと、前のアルバムで色々溜まっていたドロドロ、泥みたいなのを整理して綺麗に出来たと

   思うんですよ。肯定した、と表現していますけど、精算出来たと考えていまして。このアルバ

   ムはそこから全然時間経ってない中作ったっていうのもあって、その、ヘイトっていうのが溜

   まっていない中で作られてるんですよ。だから凄く純粋だし凄くカラッとしている部分があっ

   て、ならこういう暗めなバラードもポップに聴こえるという部分があるとは思います。

今までに比べて凄くアウトプットが変わったなと思いました。それはバンドの成長としても感じるし。

 

08「Lullaby」

宍戸 : (作り始めに関して)この曲はサビかな。サビの歌詞が決まって勿論曲全体としてもあったの

   かな。あったけどこんなような事を書きたいとずっと思っていて。疾走感ある曲。僕達が今ま

   でやってきたような割と早い8ビートみたいなのは得意というか、それをこのアルバムでも見せ

   ておきたいなという事で収録曲になりました。

この曲は僕が一番好きな曲です。

宍戸 : あ、嬉しいですね。

これは凄い良いよね。うん、、、滅茶苦茶良いよね笑。

宍戸 : 笑。

これはいちファンとしての発言になってしまうんだけど、例えば俺が友達といて、テーブルの上にケセラの全アルバム乗せて、『このアルバムだったらどれが好き?』みたいな会話したとしてね、今回のアルバムだったら『Lullabyだよね』って俺言うと思う。その時に俺が絶賛失恋中だとかそういう一時期的な事では無くて、なんだろう、凄く言いたい事というか、そういうのをつまんで言ってくれている曲だと思う。

宍戸 : 嬉しいです。例えば、これを恋と呼んでいいのか・誰に話していいのか解らない事って、ある

   と思うんですけど。そういった難しい関係がテーマだったりします。あと僕は、ファンと僕達

   の関係というか。毎回ライブに来て、だけど言いたい事色々あるけど言えずに終わる感じと

   か、っていう意味でもファンの心に寄り添えるというか。自分にとっての事でもある曲ではあ

   りますが、ファン含め聴き手にとっての状況とか環境によって見えるシーンは違ってきます

   が、それでも多くの共感を呼ぶのじゃないかと思います。

この曲の2サビだけで全て、な気がするね。これは恋だけではなく、人と接する上で割とそういう所多いなと思います。

宍戸 : これはもう、切ないですよね。多分ケセラ流でやるならばこういう事なんだと思います。なん

   だろう、J-POPのポッと出のシンガーが歌うとバラードでやると思うんですけど、ここはもう

   ガチャーんと。もっと皮肉る感じで打つならしちゃったくらいが俺は性に合ってるから。

ケセラ流の中にというか、3人の中に潜むパンクスを感じる。

宍戸 : そうですね笑。僕達っぽいですね。

 

09「スタンドアローン」

宍戸 : この曲はもう僕、、、。この曲自体があって、もともと。で、サビの歌詞があって。凄く好き

   だったんですよ、ずっと。イントロのあの長ったらしいベースも、というかほとんどこの曲の

   ベースは俺が考えたんですけど。ドラムもギターもほとんど作り込んだ状態で俺の中にはあっ

   て。『最後アルバムに何曲か入れれるけど何入れる?』ってなった時に『この曲入れたいっ

   す』ってなったのがこの曲で。でもこの曲かなりひずんだギターで、打ち鳴らす感じで、歌い

   散らす感じでやる曲を作っておきたくて。結構皮肉を言う、、、大分丸くはなったっすけど

   ね、そういうスタンスで歌詞を書いていったんですけど。これは前ピラモールっていうバンド

   が解散して、俺あのボーカルにも凄く重なるなと思っていて。バンドマンとかなんか馬鹿げて

   たい人はちょっと避けられない曲なんじゃないかとっていうのは思っていますね。

 

・肯定した:セカンドミニアルバム「YES」のコンセプト・テーマ。度重なるツアーでの体調不良や

      出演キャンセルにも前を向き、すべてに対してポジティブに向き合う姿勢から本人たち

      にして『肯定する』と掲げたものである。

・ピラモール:宍戸氏個人としてもバンドとしても縁の深いバンドであり、学生の頃からの人生とし

       ての戦友。先月の3月をもって残念ながら解散した。

 

 

Copyright © Zher the ZOO YOYOGI rights reserved