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livereport

【UKP OFFICIAL LIVE REPORT:BIGMAMA】Roclassick Tour 2014

BIGMAMA、今年の母の日は、ニュー・アルバム『Rocklassick 2』のリリース・ツアーの初日、Zepp Tokyoワンマン。開演前の影アナの「瞬殺ソールドアウト」という言葉通りの超満員。

何か、改めて、すごいお客さんだなあ、ってことはやっぱりすごいバンドなんだなあ、と、つくづく思わされるライヴだった。初日なので曲名・曲順を書くのはやめておくが、『Rocklassick 2』収録の7曲は全部やって、プラス、『Rocklassick 1』の曲や、これまでの代表曲や、人気曲などで構成されたセットリスト。まあ、そうなるのは当然というか普通だが、普通じゃないのが、その曲たちに対するオーディエンスのリアクション。イントロが始まって次の曲が何なのかわかる、その瞬間に「おおーっ!」「キャーッ!」ってフロアが湧く。その湧き方において、『Rocklassick 2』の曲たちとそれ以外の曲で、温度差が全然ないのです。アンコール合わせて20数曲、すべての曲がいちいち、始まるたびに「おおーっ!」「キャーッ!」なのです。

『Rocklassick 2』がリリースされたのは4月16日、つまりまだ1ヵ月経っていないわけで、それ以外の、過去のBIGMAMAの曲たちとは、ファンの耳に馴染んでいる度合いも、愛着の度合いも、違うはずなのです。なのに『Rocklassick 2』のどの曲が始まっても、同じように「おおーっ!」「キャーッ!」。とりあえずツアー初日だってことではしゃいでて、曲よくわかんないけどそういうリアクションになっている、のではないことは、全曲みんなガンガン歌っていることから明らかだ。どんだけ『Rocklassick 2』聴きこんできたんだ、きみたち。そうフロアに言いたくなる。

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初日とは思えないほど「仕上がった」演奏そのもの、ライヴ・パフォーマンスそのものがよかったせいだ、というのもあるだろう。アンコールまでは金井がほとんどMCをせず、怒濤のように曲を連発していくという構成もよかったのかもしれない。「やりすぎない」「でも実は手がこんでいる」感じの、ライティング等の演出が優れていたおかげもあると思う。思うがしかし、何よりも、BIGMAMAが好きとか金井が好きとかいう以上に、とにかくもう曲そのものが好きで好きでたまらない人が3000人弱集まっている、だからこういうライヴになるんだろうなあ、ということが、ほんとによくわかった。で、それ、別に今始まったことじゃなくて、前からBIGMAMAのライヴってそういうものだけど、今回それが『Rocklassick 2』で、また強まった感じが、とてもしたのでした。

「曲が好き」って、ファンならあたりまえじゃん。と言われそうだが、なんというか、「バンドが好き」「この人が好き」と「曲が好き」というの、微妙に違う気がするのです。何をどのように好きになるのかなんて自由だから、「バンドが好き」「この人が好き」だって全然いい。そういうのも含めてロックだし、音楽だし。ただ、BIGMAMAのファンの場合、「とにかくもう曲が好き」度合いが、とてもとても強い気がするのだ。いや、ファンは金井に興味がないとか、そういう話ではありません。というか、当の金井自身も、自分よりも曲のほうを優先しているというか、大事にしているというか、上に置いている気がする。

というのとつながる話かどうかわからないが、BIGMAMAって今の日本のロック・シーンにおいて「『♪おおおおお~』って歌う箇所のある曲の多さ」チャート1位、なんじゃないかと僕は思っている。なんだそれ。いや、その曲の中でもっとも重要な歌メロに詞がついていなくて、だからライヴになるとフロアみんなで「♪おおおおお~」ってシンガロングになる曲の数が多い、ということです。金井本人にきいたわけじゃないが、あれ、たぶん曲を書いている時に、「あ、ここ歌詞いらないや。歌詞がなくても伝わるわ。というかない方がより届くわ」と判断して、そうしているんじゃないかと思う。

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本編とアンコールの間、フロアがみんな“until the blouse is buttoned up”の「♪お~おおお~おおお~おおおおっおっおっお~」と歌いながら待っているおなじみのあの状態、僕はとても好きです。今日も、とてもよかったです。

[文:兵庫慎司 / 撮影:AZUSA TAKADA]

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