asobius_201304

interview

【UKP OFFICIAL INTERVIEW:asobius】 「宇宙で僕は鮮やかな波を自由自在に乗りこなす」「universurf」リリースインタビュー

1st AL「pray&grow」発表から約半年が経過し、9/20にニューシングル「universurf」をリリースするasobius。アルバム発表後、数々のイベント出演、対バン経験といった怒涛のライブ活動を経て、彼らが導き出した答えとは。今回はバンドのフロントマン甲斐一斗にいかにして「universurf」が生まれたのか、自身のバックボーンも含め、その誕生の背景を訊いた。[取材・文:濱田和人(UKP)]


–:今日は新曲について色々聞いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

甲斐一斗:よろしくお願いします。

–:新曲聞かせてもらったんですけど、まず思ったのがasobiusっていうバンドの視界がどんどん広がってきてるなあと感じました。制作の時ってどんな感じだったんですか? 曲の成り立ちというか。

甲斐:去年1年活動してきて、ライブってものに最近着眼し始めてきたんですよ。うちの曲ってどっちかっていうと結構コンサート色が強い印象があるんですけど。今ライブを実際やってる場所ってホールっていうよりも、もっとお客さんと一体となって体験するような場所でやっているんですよ。そういう場所に沿うような音楽をもっとやりたいなって思って。でも自分たちらしさも失わず、かつ新しい自分たちらしさをみせられるような曲を作りたいと思いましたね。

–:クラップが入ってる箇所もありますよね。あそこもライブを意識してのこと?

甲斐:あそこら辺はどちらかというとオーガニック的な部分というか、自分が好きな要素を入れたっていうか。基本的には曲調だったりBPMだったりってところに主題をおいて、難しくなくて、理解しやすくて、それでいて新しいというか。そういうものをねじ込みたかったんですよね。

–:新しいことしたいっていうのはテーマとしてあったんですか?

甲斐:他のバンドと同じ事やっても…、僕からすると同じ事やっても、もうやってるバンドはいるってことだからいいじゃん?ってことだから。単純に新しいことやりたいなとは思いつつ、やったら自然と新しいことになっちゃうっていう部分もあるので。

–:曲の尺も3分台、これまでの曲に比べるとBPMも早くなって、これまでの楽曲とは明らかに違った表情になってるんですが。

甲斐:その動機もすごく簡単で、ライブで盛り上がりたいって思ったんですよね。みんなで盛り上がるってこととか、常調にならずに怒涛のように畳みかけつつ、無理がない構成を目指してはいきましたね。

–:さっき周りのバンドのどう見てるかって話ありましたけど、そういうのって結構意識してるんですか?

甲斐:周りのバンドの音楽ってそのものというよりかは、僕らは今どういう所にいるんだろうって事を考えた時に他のバンドが目に映るというか。他のバンドって体験型というか、ただ音楽を聞かせるだけじゃなくて、ちゃんとエンターテインメント、その場所をちゃんと楽しんでる印象がすごくあって、自分もこれをやれるはずだなあ、ウチでも出来るはずだって。

–:そういった部分を新曲に反映させて、いざデモをバンドに持ち込んだ時の反応ってどうでした?

甲斐:この曲どうだったっけなあ…。そんな悪くなかったはず!(笑)。この曲デモの状態の時はちょっとマニアックだったんですよ。レコーディングして仕上がった音源はもっとストレートになったなあって感があって。

–:デモのマニアックな部分って甲斐くんの嗜好が色濃い感じだったの?

甲斐:そうですね、僕の趣味全開ですね(笑)。ともすればバンド音楽から離れるギリギリのラインとか、結構タムとかドンドコいってるのが好きだったりするので。ドラムと言えばハイハット、スネア、キックっていうよりは、基本ドンドコドンドコ(笑)。

–:バンドメンバー各々の整理とか、変換作業に対してはどんな感じで受け止めてるの?

甲斐:イヤな所はイヤって言います(笑)。納得のいく部分というか、バンド音楽っていうものを考えたら、「じゃあそうしよう。」ってなることもあるんですけど。行き過ぎちゃったりした時に、「そこまでやるとやだなあ。」って言えるようにはなってきました。

–:今回のシングルが通販とライブ会場限定ということなんだけど、このアイディアはどこから?

甲斐:今年はライブっていうものを考えて曲を作ってて、「これどうですか!」っていう曲ではあるので。それがライブ会場でどう評価されるかってことにすごく興味があって、ライブ会場限定っていいなあって思いましたね。

–:カップリングに「rise」のリミックスも収録されてますけど、これはどういった意図が?

甲斐:自分のスキルを上げていきたいなってところもありつつ、なんかバンド音楽以外のところも出来たら、バンドにもフィードバックして、新曲の同期とかをもっとおもしろく出来たりとかって思って。クラブミュージック聴いたりして勉強したというか。

–:原曲とのギャップ凄いよね(笑)。

甲斐:そうですよね(笑)。今回は割とあっさり目に作ってみましたね。基本的にasobiusは音重ねていっちゃうんで。とはいいつつこのリミックスも細々してるんですけど。

–:音が凄い整理されていて、洗練された印象でした。ライブでの披露も考えてたりするの?

甲斐:いやいやいやいや(笑)。

–:試みとしてとても面白いなあって思ったので聞いてみました(笑)。このリミックスに「rise」を選んだのはなぜ?

甲斐:持ち曲の中では「rise」が面白くリミックス出来そうだと思ったんですよね。「starlight」とかは割と最近のEDMとかにしやすいんですよ。テンポ感が似てるので。でもそれだと勉強にならない気がしたので、ここは折角だから「rise」でやってみようかなあって思ったんですよね。

–:なるほど。甲斐くんは曲作るの早い人なの?

甲斐:その時の調子によりますね…。アレンジに凄く時間かけちゃうんですよね。原曲を作るのは結構早いんですけど。

–:今回の「universurf」ってかなり洗練されたサウンドに仕上がった印象を受けるんだけど、メンバーとのディスカッションってどんな感じだったの?

甲斐:個々の技術だったり、センスとかが上がってきたと思うんですよ。逆に「universurf」の雰囲気が自分の畑にないなあって感じてて、どっちかっていうと他のメンバーの方がこの畑に関して体の中にあるっていうか。杉くん(杉本広太)のギターサウンドなんかは「曲ぶち壊すかもしれないですけどやってみていいですか?」って言われて、僕も「やってみてやってみて」って感じで進めて「良いじゃん良いじゃん」ってなりました(笑)。

–:軽いねー(笑)。でも結構懐深い感じで?

甲斐:いやー、そんなことないです! みんなこだわり部分はそれぞれにあるので。結構わがままですよ(笑)。

–:そうなんすねえ。曲作り始めたきっかけって何だったんですか? 甲斐くんのルーツというか。

甲斐:僕そもそもミュージシャン目指したきっかけがめちゃめちゃ不純な理由なんですよ。まあフラフラしてた時期があったんですけど、ギターもろくに弾けなかったんですけどミュージシャン目指すみたいなことを言い始めまして。歌メロを作るのが得意だったんですよ、何故か(笑)。歌メロを元にドラム、ベース打ち込んで重ねていくことをやり始めたのが曲作りのきっかけでしたね。でもやったらやったでさみしくなっちゃって。頭ではこういう音鳴ってるのになー。足りない!みたいな。

–:メンバーってどういう風に出会ったの?

甲斐:真くん(海北真)が一番長いです。バンドができる3、4年前からもう知り合ってましたね。その時はめちゃくちゃ話してたってわけじゃなかったんですけど。その次にまず髙橋くんがメンバー募集で来てもらって。

–:メンバー募集だったんだ。

甲斐:はい。あとは芋づる式に「君の友達を紹介してくれ」みたいな感じで杉くん、孝太くん(宮下孝太)に参加してもらったという感じで。

–:asobiusって結成してまだそんなに経ってなかったよね?

甲斐:…そんなに長くないと思いますね。いつだっけな…(笑)。時間の感覚がないというか、気にしなさ過ぎて(笑)。

–:(笑)。

甲斐:今のメンバーになったのが2012年の5月とか6月だった気がするんですけど…。初ライブのちょっと前に揃ったみたいな。今やっと3年目とかなのかな。

–:結構濃ゆい時間の過ごし方してるよね?

甲斐:自分ではよくわからないんですよね…。今自分たちが結成して間もないから固めちゃう考え方はしたくなくて。

–:そういう環境の中でミュージシャンシップってどう育てていったんですか?

甲斐:コンサート思考っていうよりはライブって考え方にシフトしたのが結構大きいかなと思います。

–:今日一貫してそのこと言っていますよね。ライブってものに意識が集中し始めたことって自分の中では大きいことだった?

甲斐:そうですね、音楽とエンターテインメントっていうか…。どういう気持ちでとか、どういうフィーリングで音楽を聴いてもらうのか、同じ曲を低いテンションだったり、つまらない精神状態で聴かせるのか、つまらないって感じさせない状態で聴いてもらうのか、曲の魅力を最大限伝えるためにどうするのかって部分だと思うんですけど、心も体も開かせるように、そういう風にしたいなあって思いますね。本当に。そこが以前とは明らかに違う部分だと思います。前までは曲が良ければ何とかなるだろみたいな部分はすごくあったので…。でも、曲がいいのは当たり前で、それをどう楽しく聴いてもらうっていうのが凄く気にしますね。

–:数々のライブをこなしてきたっていうのはデカかったんだね。

甲斐:デカかったすね。本当に今年の春先くらいからその去年はわかってなかった上の人たちとどの位差があるのかっていう。ライブっていうものはお客さんを楽しませる、惹きつけるフロントマンの魅力だったりっていうのが、差としてよくわかるようになったっていうか。前はうーんって感じだったんですけど。今は自分が日々一つ一つ改善していってるものだったりを見つめた時に、改めて先輩のバンドを観ると、「はわーっ!」「すごいな!」みたいな(笑)。

–:甲斐くんの感受性みたいなものがどんどん豊かになってきてるのかな? 前は「うーん」みたいな感じだったんでしょ?

甲斐:今は本当に自分の可能性を拡げていきたいなあって思ってて。曲とかも毎日作り続けてると、どんどん良くなってくるのを感じるんですよ。自分の中のセンスとか。今のところは自分の中のアウトプットが尽きてないので、日々やっていったらいいもの出来る!みたいな(笑)。

–:いいムードなんすね。

甲斐:自分の心持としては音楽をやってる間はとても幸せですね。曲を作ったり、ライブをやってる間は凄く幸せを感じていますね。だからこそライブでエンターテインメントというか、お客さんと響き合えた瞬間とか、そういうものに大きな喜びを感じますね。

–:そういうことを考え始めた、きっかけのライブとかってあったの?

甲斐:この時のあのライブってことが言えないんですけど、レーベルの社長に「お前のライブはアレだな」って言われたことがあって(笑)。それがグサッときて。なんか「そうかも…」って思ったんですよね。そこからすごく自分に足りてないものについて考えるようになっていきましたね。自分がこうしたいって部分を考えた時に足りない部分が明確になったというか。それが夏くらいに顕著になりましたね。それから夏に一つ自分たちのライブの流れを作りたいなあと思って。夏から年末にかけての勢いを作るためにライブに励んでいて、その中で「universurf」をお披露目して。ライブとしての勢いもそうだし、音源としての勢いも表現したかったんです。

–:「universurf」を初披露した時の感触ってどうでした?

甲斐:大丈夫なんだ!って思いましたね。ともすれば今までからしたら結構びっくりされるくらいBPM早かったし、自分では外れてないって思っていたんですけど、リスナーの人たちからしたら外れちゃってるって思われたらどうしようとか思ったりしてたんですけど、全然そんなことなくて、今までの自分たちのレールから外れずに表現できたし、楽しく受け入れてもらえたので、それはすごく嬉しかったですね。

–:今作ってる曲もそのムードを引き継ぎつつ?

甲斐:そうですね…、なんかここまでやったら魂売ったなって部分が自分の中にはあるんですよ(笑)。

–:ラインがね(笑)。

甲斐:それもう自分じゃなくていいじゃん!みたいな。単純に僕がやりたいことの一つの部分を守りながら、今ライブって場所でやっていてみんなにこうなって欲しい、ああなって欲しいってなった時に自分がやりたい音楽の一つにこういうものもあるんですよって持っていく。じゃあ今度はこういう楽しみ方しましょうよみたいな。

–:自信がないとできないことだよね。

甲斐:自分大好き人間、自分の曲大好き人間なので(笑)。

–:(笑)。

甲斐:目に見えて反応がいい時ってすごく嬉しいです。

–:ライブで演奏済みってことは待ってるお客さんもいるってことだもんねえ。

甲斐:アルバム(1st AL「pray&grow」)出したのが3月だったので、もう9月になっちゃったかって感じですね…。もっと早く届けることも出来たのかもしれないんですけど、なんだかんだで「universurf」を作るのに時間かけたとこもあったし、ライブってものに対し音源としてひとつ答えを明示できたかなって思えるところまで作れたし、アーティストとして作品を世に送り出せるってことがすごく嬉しく思います。


asobius

9/20リリース【ライブ会場&通販限定シングル】universurf

RX-094_M

英語詞版と日本語詞版を同時発表という1st Album「pray&grow」で各地を揺るがせたasobiusが会場・通販限定シングルをリリース。
「宇宙で僕は鮮やかな波を自由自在に乗りこなす」
universe+surf=universurfは新時代の波を共鳴させるスピード感溢れる楽曲。
また、カップリングには「rise」のリミックス版を収録。

RX-094 / ¥600(税込)
RX-RECORDS UK. PROJECT

http://ukproject.com/item/6422/

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