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【UKP OFFICIAL LIVEREPORT:ウソツキ】「劇場版 USOTSUKA NIGHT」2016.04.01(Fri.)@Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE

2016年4月1日、東京・渋谷のMt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて開催された、ウソツキ初のホールワンマンライブ「劇場版USOTSUKA NIGHT」。
昨年ウソツキがリリースした1stフルアルバム『スーパーリアリズム』のオフィシャルライナーノーツも執筆された、音楽ライター内本順一氏によるロングライブレポートです。当日行った方も行けなかった方も、じっくりお楽しみください。

取材・文:内本順一
写真:山野浩司

会場となったMt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREは元映画館。座り心地のいい椅子。天井からはシャンデリア。昨年12月のワンマン公演場所だった渋谷クラブクアトロとは、ずいぶんと雰囲気が異なる。80年代の洋楽ロック~ポップ曲(いずれもよく知られた名作映画のテーマ曲ばかりだ!)がかかる中、集まった観客たちが席に着くと、「本日は上映後に舞台挨拶があります。そのまま席をお立ちにならないでください」という場内アナウンスが流れ、続いて上映開始(ライブ開始)を知らせるブザーが鳴った。映画というより、まるで芝居が始まるよう。

 

『劇場版 USOTSUKA NIGHT』。今回のウソツキのワンマン・ライブはそのように題され、ライブ本編を映画の完成披露試写会、アンコールを舞台挨拶に見立てて行なわれた。4月1日、つまりエイプリルフールならではの気の利いたウソとも言えるが、観客はそのウソ……というか洒落に、楽しんでのっかる形だ。

 

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ブザーが鳴ったあと、汽笛が聞こえて4人がステージへ。まずは林山拓斗のパワフルなドラム・ソロ。いい音だ。そのドラムの音だけで会場の音響のよさがわかる。ステージ向かって左端に立つベースの藤井浩太と右端に立つギターの吉田健二が前に出て、そのふたりより少し下がった位置にヴォーカル&ギターの竹田昌和は立っている。つまり弧を描いた状態。オープナーは「一日だけヒーロー」。竹田は笑顔で観客に向かいながら人差し指で上を指す。「立っていいんだよ」という合図だ。その曲の間に前のほうの観客が立ち、それにつられてほかの観客も立ち……そうして1曲目の時点で既に総立ちになった(因みに座り心地のいい椅子ゆえ、観客がずっと座ったままだったらどうしようかとメンバーたちは不安だったそうで、立ってくれてホッとした、とのこと。よかったよかった)。続けて「ミライドライバー」。音がダイナミックで、改めてこのバンドの演奏力に唸らされる。「みなさん、“劇場版 USOTSUKA NIGHT”へようこそ。決してウソはつかないバンド、ウソツキです。今日は銀河鉄道に乗ってやってきました」と竹田がいつもの挨拶をし、曲は「金星人に恋をした」。彼のファルセットの伸びがいい。そして「京葉線SOLDOUT」。ガタンゴトンガタンゴトンというコーラスが観客たちの気持ちを躍らせる。

 

5曲目はメロディの切なさがジワっと沁み入るミディアムテンポの名曲「春風と風鈴」。ちょうど桜が咲き始めた頃合いにこの曲はピッタリはまっていた(但し、曲の主人公は結局「君」と桜を見ることは叶わなかったわけだが……)。そのあと、「みなさん、まだちょっとカラダがかたくないですか? ここはホールですけど、今日はライブハウスなんですよ。ライブハウスは好きにやっていいんですよ。みなさん、恋はしてますか?」と竹田が言い、早くも疾走感のあるキラーチューン「水の中からソラ見てる」を投下。これが凄かった。まずこの曲の途中に、なんと藤井のベース・ソロがあった。前に出てアピールするように弾く藤井。あとで自ら明かしていたが、それは藤井にとって人生初のベース・ソロだったそうだ。続けて吉田のギター・ソロもあった。途中ヘビメタチックなフレーズも挿み、攻めのギターでポーズまでキメる吉田。このように曲の中にそれぞれの見せ場を作ったりするあたり、彼らがエンターテインメント性のあるライブを志向していることがよくわかる。

 

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「今日は4月1日ですよ。みなさんがウソツキになれる日なんですよ。何が言いたいかっていうと、今日はひとつになろうぜってことなんですよ」と話す竹田。この言い回しは実に彼らしい。竹田は「今日はひとつになろうぜ!」と叫んだりはしない。というか、できない。そういうマッチョな性格じゃない。だが、ストレートにそう叫べる人以上に彼は心の中でそう叫び、そう願っている。「踊れー!」とは歌えないから、「シャルウィーダンスっていう話です」と「旗揚げ運動」で歌う。合言葉みたいに簡単に「ひとつになろうぜ」なんて言えないけど、でも今日くらいは、今日こそは、ひとつになりたい。今日くらいは、今日こそは、踊ってほしい。彼のストレートじゃない照れ交じりの言い回しから、むしろその思いが強く伝わってくる。そんなMCからの「旗揚げ運動」は、吉田が一歩前に出て手の挙げ下げと肩の動かし方を観客にレクチャー。曲が始まり、「右手を挙げて」と歌われると一斉に右手を挙げる観客たちに、竹田は「おー、すごいな」と思わずつぶやいた。1階席のみならず2階席で観ていた人たちも曲に合わせてみな一斉に同じ動きをするのだから、確かにステージから見たらさぞかし壮観だったことだろう。曲が終わると「カラダを動かしたあとは声を出す番だと思うんですよ」と竹田が言い、コール&レスポンスを行なってからそのまま「ネガチブ」へ。そのようにいろんな形で観客を楽しませ、そしてまたひとつになろうと試みる。一方通行のライブにはしたくない。そういう彼らの思いが、この日のワンマンにはいつにも増して濃く表れていた。

 

ここで一旦観客を座らせて一息入れ、続いては「転校生はエイリアン」を。竹田は「僕の実体験の歌です」と言ってこの曲を始めたのだが、それを実体験であると明かすことに僕はひとり胸の奥のほうがクッと締まる感覚を持った。それがなぜかは『スーパーリアリズム』が出たときに書いた文を読んでいただきたいところだ(まあ簡単に言うなら、それは僕にとっての実体験とも重っていたということだが)。そこからノスタルジックな感覚を抱かせる「綿飴とりんご飴」、後半の♪ラララララ~ララを観客たちも一緒に歌った「きっと友達」、竹田が「友達のあなたに、僕の歌う意味みたいなことを歌ってもいいですか?」と言って歌い始めた「Roll Roll Roll」と続き、物語だけでなく自身の正直な気持ち(あなたの日々に僕を居させて)も彼は歌で伝えたのだった。
次に、「新曲です!」と竹田。観客が少しどよめく。まず「ボーイミーツガール」。もちろん僕も初めて聴いたが、サビがキャッチーで、「きみが好きだよ」という直截な言葉も挿まれる。ド直球のラブソングじゃないか! そして竹田は改めて観客に感謝の意を述べ、「だから……。一緒に行こうぜって話なんですけど。これも新曲です」と言って「ハッピーエンドは来なくていい」。この曲はかなりグっときたし、ジワっと沁みた。早くスタジオ録音ブツを聴きたいものだ。

 

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2曲の新曲を初披露し終えたあとは、「これからもみんなといたいです」と竹田が言い、スケール感のあるバラード「ピースする」。いつもの通り、曲の最後に観客たちがピースサインを突き上げるのだが、劇場だけにこれまた壮観。しかもメンバー4人と観客ひとりひとりの思いのこもった、まるで約束のピースサインであるように僕には見えた。続く「過去から届いた光の手紙」は、前半部分で抽象的な吉田のギターが鳴り、竹田の歌が一層際立つようなアレンジに。そして始まりと同じ汽笛の音が吉田のギターで再現され、「汽笛の音が聴こえてきてしまったので、僕らは帰らなくてはならないようです。ありがとうございました、ウソツキでした」の挨拶に続いて本編の締め曲「新木場発、銀河鉄道」へ。ギターを弾きながら竹田が前に出る。吉田と藤井も前に出る。自由に動きながらも一か所に集まって弾く3人。後ろではパワフルな林山のドラム。その思いと思いの、音と音との重なり合い。燃焼するのだというその気持ち。その熱量。この場面がなんといっても最高にかっこよかった。熱くなった。演奏が終わると前に並んだ3人は同じタイミングで誇らしげにギターまたはベースを高く挙げたのだった。

 

そしてアンコール……ではあるが、ただのアンコールにあらず、劇場版ゆえの舞台挨拶。4人はスーツに着替えて再登場した。本編でひとまず燃焼したので、ここではスーツでキメながらもリラックスした感じの4人。因みに竹田、藤井、林山が黒を基調に正装しているのに対し、吉田ひとりだけ紺のジャケットと白のパンツ。「今日、黒って言ったじゃないですか!」とつっこむ林山と開き直る吉田のやりとりが笑いを誘う。ステージ両端にはポスターの台が置かれていて、それは何かといえば、新作の告知ポスターだった(これまた映画風にしっかり撮影されたもの)。と、そのような流れから、7月13日に新しいミニアルバム『一生分のラブレター』をリリースすることを発表。「一生分のラブソングを書いたので、次に書くとしたら来世になってしまうんですけど」と竹田が言っていたが、確かに本編で披露された「ボーイミーツガール」「ハッピーエンドは来なくていい」、そしてこのあと演奏された「一生分のラブレター」はどれもラブソングで、ウソツキがこれからより広い層に向けて自分たちの音楽を伝えていこうとする、その意志のようなものもそこから伝わった。いわば新章開幕。スタジオ録音ブツで聴く前に、この日ナマで逸早くそれを感じることができたのだから、(僕を含め)集まった観客たちはみんなとてもラッキーだったと思う。そして最後の最後は「ダル・セニョールの憂鬱」。楽しく終わりたいという彼らの気持ちがラストのその選曲にも表れていた。

 

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ウソツキはワンマンでこそ世界観をより濃く伝えられるバンドだ。というのは、昨年12月3日の渋谷クラブクアトロ公演でも実感したことだが、今回、初のホール(劇場)公演を観て、それは確信になった。また、ウソツキというバンド名をつけながら『スーパーリアリズム』というタイトルのアルバムを出すような、シニカルで、厄介で、ねじれた見せ方を得意としているようでありながらも、ライブの向き合い方は誠心誠意という言葉が相応しく、心の底からみんなと繋がろう、ひとつになろうと願って、それゆえ楽しい仕掛けをたくさん用意する、そういうバンドだということも。そして、そのことに関して、今回は揺らぎが少しもなかった。12月のクアトロ公演では、前半、竹田はいろんな思いが溢れだし、しばらく平常心になれずにいたように見えたが、それに対して今回はもっと冷静に感情と進行のさせ方をコントロールしているように見えたのだ。彼だけじゃなく、4人ともクアトロのときより堂々として見えた。終演後にそのことをメンバーに伝えると、「いやいやいやいや」と、初めはホールゆえの勝手の違いに戸惑っていたことを明かされたが、しかし見せ場の多いこのショーを彼らはとても楽しんで進めているように僕の目には映ったし、バンドアンサンブルの面でも格段の進化が見て取れた。さて、7月発売のラブソング集はどれだけ多くの人の心に刺さるか。そして2017年の4月1日には、どんな場所でどんなライブを見せてくれるのか。いくらなんでも気が早いけど、いまからもうそれが楽しみになっている。

 

【『劇場版 USOTSUKA NIGHT』PHOTO GALLERY】

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【LIVE SCHEDULE】

▼ウソツカナイトツアー~禁断の三角関係~
◆5/15(日)名古屋CLUB UPSET(w:GOING UNDER GROUND/ココロオークション)
OPEN 17:30/START 18:00 問い合わせ:サンデーフォーク http://www.sundayfolk.com 052-320-9100

◆5/26(木)福岡DRUM SON(w:GOING UNDER GROUND/ココロオークション)
OPEN 18:00/START 18:30 問い合わせ:キョードー西日本 http://www.kyodo-west.co.jp/ 092-714-0159

◆5/27(金)岡山Crazymama 2nd room(w:GOING UNDER GROUND/ircle)
OPEN 18:00/START 18:30 問い合わせ:夢番地 https://www.yumebanchi.jp/ 086-231-3531

◆5/28(土)心斎橋Pangea(w:GOING UNDER GROUND/Halo at 四畳半)
OPEN 17:30/START 18:00 問い合わせ:清水音泉 http://www.shimizuonsen.com 06-6357-3666

◆6/17(金)仙台enn 2nd(w:LOST IN TIME/ココロオークション)
OPEN 18:00/START 18:30 問い合わせ:キョードー東北 http://www.kyodo-tohoku.com 022-217-7788

◆6/19(日)代官山UNIT(w:GOING UNDER GROUND/ココロオークション)
OPEN 17:30/START 18:00 問い合わせ:代官山UNIT http://www.unit-tokyo.com 03-5459-8630

<チケット>
全公演 前売:¥3,000/当日:¥3,500(1ドリンク別)
各プレイガイドにて一般発売中!

 

▼その他ライブ、イベント

・04/16(土)金沢「百万石見放題~1,000,000ROCK LIVE CIRCUIT~」

・05/04(水)新潟「NIGATA RAINBOW ROCK 2016」

・05/05(木祝)松本ALECX「OTODAYORI presented by OTOSATA」

・05/14(土)下北沢GARDEN「7!!のうぷぷな日2016~どぅしぐゎーと対バンだってばよー!!~」

・05/21(土)新木場若洲公園「TOKYO METROPORITAN ROCK FESTIVAL 2016 supported by Abema TV」

・06/04(土)金沢「百万石音楽祭2016〜ミリオンロックフェスティバル〜」

・06/25(土) or 06/26(日)長野「OTOSATA ROCK FESTIVAL 2016」

 

 

<ウソツキ・プロフィール>
決して嘘はつかないバンド、ウソツキ。
2013年夏に現在の4人編成となり、東京を中心に活動している“王道うたものバンド”。
2014年6月、ミニアルバム「金星人に恋をした。」にてUK.PROJECTからデビュー。2015年1月、2ndミニアルバム「新木場発、銀河鉄道は行く。」、10月には1stフルアルバム「スーパーリアリズム」をリリース。11月より初の全国ツアーを開催、ツアーファイナルの東京・渋谷 CLUB QUATTRO公演を大盛況に終える。
2016年も大型フェスや全国のサーキットイベント出演等、精力的にライブ活動を行っている。
2016年7月13日に新作『一生分のラブレター』発売決定!

<レギュラーラジオ>
bayfmにて4月3日スタート!
毎週日曜26:35~『今夜もダル・セーニョ』
http://www.bayfm.co.jp

<ウソツキHP>
http://usotsukida.com

<ウソツキTwitter>
@usotsukida

 

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