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【UKP OFFICIAL LIVE REPORT】2018.8.5(sun.) UKFC on the Road 2018@下北沢CLUB Que
下北沢の老舗レーベル/プロダクション・UK.PROJECT(以下、UKP)が主催する夏の恒例イベント『UKFC on the Road』。所属バンドをはじめとした複数のアーティストが毎回熱いライブを繰り広げる同イベントは、今年、名古屋・大阪・下北沢・新木場をまわるツアー形式で開催中である。8月5日に開催された下北沢CLUB Que公演には、UKPの次世代を牽引するバンドにあたるHelsinki Lambda Club、SPiCYSOL、そしてSCOOBIE DO、トリプルファイヤーといった個性豊かなゲスト陣が出演した。
[text 蜂須賀ちなみ・photo 前田美里]
UKFCおなじみの石毛輝(the telephones / lovefilm / Yap!!!)によるジングルを経て、最初にステージに立ったのはSPiCYSOLだ。PETE(Trumpet/Cho/Key)、KAZUMA(Dr)、AKUN(Gt/Cho)、サポートベーシストがセッションするなか、KENNY(Vo/Gt)が登場。「Are you ready UKFC!?」「ひとつになろう、下北沢!」と呼びかけコール&レスポンスをしたあと、「Cyanotype」をスタートさせた。サウンドが会場内に浸透するまでにそう時間はかからず、オーディエンスも身体をゆるやかに揺らして楽しんでいる様子。「Sex On Fire」〜「Mellow Yellow」の流れではPCトラブルの影響でKAZUMAが上手く入れずにいたものの、そのハプニングを軽やかに乗り越えるメンバーの姿からは、バンドの前向きな空気感が伝わってきた。この日は7曲中4曲が7月にリリースしたアルバム 『Mellow Yellow』からの選曲だったSPiCYSOL。彼らの十八番であるサーフミュージックに80年代風シンセを重ねた表題曲「Mellow Yellow」など、バンドの新たな表情を引き出す新曲群の存在が興味深かった。
「UKFC、ファンクラブ……あ、違うか。……ありがとうございます! トリプルファイヤーです、よろしくお願いします!」と吉田靖直(Vo)が初めに挨拶。それぞれが楽器を鳴らし始め、それがいつの間にか曲になっている、といった具合でライブをスタートさせたトリプルファイヤー。擬音で表すと「ベコベコ」みたいな面白い弾み方をする鳥居真道(Gt)、 山本慶幸(Ba)、 大垣翔(Dr)によるグルーヴは、ピースが欠けているようでいて、しかしこれ以外に最適解はないと思わせられる絶妙なバランス。時には不協和音じみた響きのするリフはどこかキャッチーで、それに乗っかる吉田のヴォーカルは、ラップと喋りの中間みたいな感じだ。彼らはUKPの所属ではないが、ジャンル分けが困難な彼らのサウンドは、UKPが掲げてきた「知られざるもの(Unknown)を見つける」というテーマにぴったりと当てはまる。『UKFC on the Road』のバックドロップを見て「『オン・ザ・ロード』っていう有名な小説がありますけど、僕は読んだことないけど友達がそれを読んでて」と唐突に語り出す吉田の不思議なMCも初見のオーディエンスの興味関心の種となり、フロアは終始和やかな空気だった。
続いては、SCOOBIE DOの登場。現在は外部の事務所に所属せず、自ら立ち上げたレーベル「CHAMP RECORDS」からリリースを行っているバンドだが、UKPとは現メンバーに固まる以前からの長い付き合いである。1曲目「アウェイ」には〈この場所がホームに変わるまで〉とフレーズがあるが、いや、もはや独擅場じゃないか。コヤマシュウ(Vo)の歌声は気持ちよく伸びているし、オカモト “MOBY” タクヤ(Dr)のビートは聴き手の身体を軽くさせてしまうほどにリズミカル。ナガイケジョー(Ba)、マツキタイジロウ(Gt)によるソロ回しもバシッとキマッた。そして「アウェイ」からコール&レスポンスを経て「真夜中のダンスホール」、「アフィルグ」のあと間髪入れずに「勝手にしやがれ」、というふうにそのグルーヴは途切れることなく続くものだからオーディエンスはもう踊らざるをえない。メンバーそれぞれのファインプレー、さらに言葉を変えながらも「自由でいいのだ」という一点を繰り返し伝えるコヤマの声に後押しされ、フロアの熱量は急上昇していった。「最後に一番新しい俺たちの大ヒットナンバーを!」(コヤマ)と「Cold Dancer」で終了。
トリはHelsinki Lambda Club。「おかげさまで今夜もう100%になっちゃったので、120%にしていきたいと思います!」と橋本薫 (Vo/Gt)が対バン相手へのリスペクト&自らの気合いを言葉にし、「King Of The White Chip」で演奏スタートだ。ドラムのビートに始まり、郷愁的な響きがどんどんサイケデリックになっていき、再びドラムのビートに収束していく――と起承転結の美しい同曲を終えたあと、「せーの!」と声を合わせ「ユアンと踊れ」へ。UKFCに初出演した2014年当時にも演奏していた楽曲の登場に、オーディエンスは歓声で応えていた。橋本が途中で「ヘッドライナーということでUKFCに対するあれやこれやと語らなきゃいけないと思うんですけど、自分らのライブをしっかりやりたいので割愛させていただきます」と話していた通り、演奏にすべてを託すようなステージ。「PIZZASHAKE」ではこの日出演していたSPiCYSOLでトランペットを担当しているPETEをゲストに招き、メンバー自身が誰よりも楽しんでいる感じが伝わってきた。ライブ後半では、リリース間際の配信限定セカンドシングル曲(8/8リリース)「Jokebox」で会場を沸かせ、最後に自身の代表曲「Skin」を演奏して本編を終えた。
アンコールで「もう自律神経がおかしくなりそうなメンツでしたね(笑)。でもUK.PROJECTにしかできないイベントだったと思います」とこの日を振り返った橋本の言葉に頷くようなリアクションをしていたオーディエンスも少なくなかった。Helsinki Lambda Clubは来る新木場公演にてFUTURE STAGEのトリ、しかも[ALEXANDROS]とthe telephonesに挟まれたなかなか壮絶なポジションを任されているが、この日もきっと、自分たちの色を大切にした楽しいライブをやってみせることだろう。原点回帰のメンバーが揃うという点も新木場公演における見どころのひとつではあるが、「これから」を担う新鋭たちの個性も、ぜひ見逃さないでほしいと思う。
<SETLIST>
<SPiCYSOL>
1.Cyanotype
2.Sex On Fire
3.Mellow Yellow
4.#goodday
5.Monsoon
6.Honey Flavor
7.Coral
<トリプルファイヤー>
1.変なおっさん
2.サクセス
3.恵方巻
4.スピリチュアルボーイ
5.中一からやり直したい
6.野球選手になるために
7.1990
<SCOOBIE DO>
1.アウェイ
2.真夜中のダンスホール
3.アフィルグ
4.勝手にしやがれ
5.Back On
6.Cold Dancer
<Helsinki Lambda Club>
1.King Of The White Chip
2.ユアンと踊れ
3.PIZZASHAKE
4.Time,Time,Time
5.メサイアのビーチ
6.目と目
7.Jokebox
8.Skin
EN.マニーハニー
UKFC on the Road 2018
○7/8(日)愛知・池下CLUB UPSET ※公演終了
出演:ウソツキ、KFK、odol
ゲストバンド:LILI LIMIT
O.A.:postman
○7/29(日)大阪・心斎橋CONPASS ※公演終了
出演:teto、polly、Yap!!!
ゲストバンド:LOSTAGE
O.A.:aint
○8/5(日)東京・下北沢CLUB Que ※公演終了
出演:Helsinki Lambda Club、SPiCYSOL
ゲストバンド:SCOOBIE DO、トリプルファイヤー
○8/22(水)新木場STUDIO COAST
出演:the telephones、aint、[ALEXANDROS]、BIGMAMA、Helsinki Lambda Club、THE NOVEMBERS、odol、polly、POLYSICS、postman、teto、TOTALFAT、ウソツキ
時間:開場 12:00 / 開演 13:00
料金:前売り 4,800円 / 当日 5,300円(1ドリンク代別途必要)
<チケットSOLD OUT! THANK YOU! >
【キャッシュバック詳細】
・キャッシュバック券は、7/8(日)名古屋CLUB UPSET公演・7/29(日)大阪CONPASS公演・8/5(日)下北沢CLUB Que公演の入場時受付にて、1名様につき1枚、お渡しいたします。
・キャッシュバック券は、名古屋・大阪・下北沢公演時に受け取ったご本人様のみ有効、8/22(水)新木場STUDIO COAST公演のみでご利用いただけます。
・キャッシュバック券を何枚お持ちになられても、1名様につき500円のキャッシュバックとなりますのでご了承ください。
・キャッシュバック券の譲渡・転売・複製は固く禁止させていただきます。発見した場合は、キャッシュバック致しかねます。
・8/22(水)新木場STUDIO COAST公演のキャッシュバック受付窓口は、会場入り口付近を予定しております。お持ちいただいたキャッシュバック券は回収いたします。
・キャッシュバック券を紛失/盗難/破損された場合、再発行は一切致しませんのでご注意ください。
UKFC on the Road 2018 オフィシャルHP
http://ukfc2018.ukproject.com/