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【odol】
odol、ニューアルバム『slow blink』の世界観を体現したワンマンライブのオフィシャルレポート到着。11月には約3年ぶりとなるCOTTON CLUBでのワンマンライブ開催も決定。
<ライブレポート>
odolがニューアルバム『slow blink』を携えたワンマンライブ「odol ONE-MAN LIVE 2026 “slow blink”」を、WWW Xにて2days開催した。ここでは、2026年5月24日(日)に行われた2日目公演のオフィシャルライブレポートをお届けする。
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前作『DISTANCES』から約2年5ヶ月ぶりとなるニューアルバム『slow blink』に初めて触れた際、胸に温かな光が充満したのを鮮明に覚えている。バンドアンサンブルの風通しの良さ、アディショナルミュージシャンにトランペットを迎えたこと、ミゾベリョウ(Vo/Gt)の想いそのままが自然に発露した歌詞など、分析すればいくらでもその要因は見つかるが、最初に感じた温かな光は今のodolの軽やかさそのものではないか。本作を携えたWWW Xワンマン2days公演。ワンマンライブそのものも2024年10月に恵比寿リキッドルームで開催した結成10周年以来となり、集まったオーディエンスは新曲と今のodolのライブを受け止めるという大きな期待感を携えながら静かに開演を待っている。それでもどこか少しカジュアルな雰囲気もありながら。
揺蕩うようなアンビエントが流れる中、淡いグリーンのスポットがフロアを横断する。心地よい異空間への導入だ。そこに今やサポートを超えた存在の西田修大(Gt)と大井一彌(Dr)に加え、アルバムにも参加しているトランペットの真砂陽地を含む6人がステージに現れる。オープナーはアルバム同様「ときどき」だ。意外だったのが一音目に緊張感で張り詰めることなくスッと音が溢れ出したこと。開放的なアンサンブルが真砂のトランペットでさらに開かれていく。転がるようなミゾベの歌、音源よりフュージョン的なアンサンブルがライブ感を際立たせ2026年のodolを実感していると、ライブでの披露が珍しい初期曲「17」が今のサウンドかつポストロックのニュアンスも纏って展開する。西田のフィードバックノイズから、スッと穏やかな日常に景色を変えるような「三月」で、一旦、真砂がステージをはけ、アルバムの中でも近年のodolが構築してきた少ない音数を効果的に配置する流れを汲んだ「電話」が披露されたのだが、大井の生音ブレイクビーツの精緻さはライブアレンジならではの胸のすくダイナミズム。音のアートを体感する楽しみがodolのライブでの大きな魅力であることにフロアも存分に浸っている。
想像以上に開放的なムードを冒頭4曲で体感したフロアに、ミゾベが最新アルバムを軸に過去のアルバムからもたっぷり披露することを伝える様子は久しぶりのライブへのピュアな渇望が伺える。生ドラムが入ることや音源より生身なピアノが、”好きなことをやればいい”というメッセージとして聴こえた「休日」。その流れで聴く「大人になって」は若さゆえの拘泥を超えた軽やかな意思表示に感じられ、さらに軽快なテクノポップ、もっと言えば森山のYMOイズム最新版を感じる「伝えて!」では素直に乗れるビートがフロアを躍動させ、サビ前にはミゾベが「自由に!」と声をかけたことでハンズアップする人、体をさらに揺らす人も現れる。過去の自分も全て今の歌になっているーー時間や距離を表現してきたodolと彼らの音楽を愛してきたリスナーが、明るい表情で再会した美しい瞬間だった。
加速した気持ちに寄り添うようにタイトな8ビートの「幽霊」がハマる。ボリュームアップして音の壁が生み出される場面はこの日何度か訪れたが、初期のシューゲイズな音作りともまた違って、バンドアンサンブルの面白さとして進化したポストロック回帰の印象も。また、日常と地続きで比喩や暗喩じゃない歌詞という意味で、ミゾベリョウはフォーク的な作家だと思うが、彼の表現がファンクやR&Bのグルーヴに乗るユニークさが「今日も僕らは忙しい」で顕在化したのも楽しい。また、この曲の後半で全ての楽器のリフがせめぎ合い、鋭く切り込む「退屈」に突入していく流れもスリリング。長く演奏されてきたレパートリーが現在のメンバーでリビルドされた象徴的な1曲だ。《大体同じような話ばかりさ》と、身振りを交えて歌うミゾベはこれまでで一番開放されているのは間違いない。
西田が発する薄いギターのノイズの不穏さに、それを宥めるような森山のループするピアノがゆっくり重なる「reverie」のアレンジは主人公の内側で逡巡する思いにこの上なくフィットするのだが、この日はタイトルの意味である“夢想”からはみ出すテンションを感じた。シンセベースの響きなど、深く静かに始まり驚くことにラテン的なリズムにまで展開する「未来」、時間の経過とともに変わることと変わらないこと、不安と確信をリスナーが自然に共有するこの曲を経て、日常的な時間の経過を描く「幸せ?」に接続する見事な手さばき。ともに旅するような経験はodolのリスナー冥利に尽きる。
ほぼノーMCで13曲を駆け抜けてきたことすら楽しそうなミゾベは「昨日はバンドを続けることは大変、ってポジティブな意味で言ったんです。今は次のライブも決まってるし、Ryu Matsuyamaとのコラボもあるし。次があるって嬉しいことで」と、“大変”の意味の変化を説明。森山は前回の10周年からワンマンライブが1年以上空いたにも関わらず集まってくれるオーディエンスに謝辞を述べた。
再び情景を変えるように短くも分厚い轟音を「あの頃」で届け、この日一つのハイライトになった「光景」へ。バックライトに浮かび上がるミゾベのシルエットは匿名的で、メッセージだけが響く感触。そしてShaikh Sofianのボトムの太いベースや歪み系のギターが構築するポストロックテイストと一見相反しそうな洒脱な上ものの調和はアルバム『slow blink』が拓いた新しい境地に違いない。ポストロックとポップスの融合はバンドシーンに散見され、何か一つの機運を感じる。トランペットが加わったアレンジがまさにカーテンを開けるような「光の中へ」、ポロポロと溢れるようなピアノと西田が出すSEのユーモラスな抜き差しが、落ち着かない気持ちに寄り添う「あなたに惹かれて」。ヴァースでは淡々とリフを吹いていた真砂がグッと開放されるように放つソロもストーリーを後押しする。前半にも新曲を4曲セットしていたが、後半は新曲を続けて3曲セットすることで、バンドの今のモードがより鮮明に。残響の少ない古いピアノのような音色が懐かしい「曇り空」はオリジナルにはないミュートしたトランペットが重なることで、生感が増していた。ミゾベの「最後の曲です」という言葉に、名残惜しいけれど本編ラストはあの曲だろうなというフロアの納得が伝わり、「ごめんね」が披露される。が、そのフィジカルに振り切った演奏はodolというバンドが歩いてきた道のりと、今リスナーに向けて届ける感謝を6人渾身のアンサンブルという代替不能な形で伝え切り、ついさっきの納得をいい意味で超えてきたのだった。
アンコール1曲目はアルバムのタームの始まりにもなった「不思議」で、ミゾベのファルセットが不可避な時間の経過を静かにリスナーの心に沈澱させるのだが、やはりそこはライブ。本編の熱が残る。そして本編でも少し触れた次回ワンマンであるコットンクラブ公演、Ryu Matsuyamaとのコラボも改めてアナウンスされた。Shaikhは昨日のDay1で出し尽くして不安になったが、今日は今日でまた違うライブだったと振り返り、森山は12年の活動の中でのつながりが感じられたと言い、話す内容を悩んでいたミゾベは「今が一番楽しい。楽しむことが一番大事だと思うので、これからも楽しい曲をもっと作っていきます」と“楽しい”を連発。きっと彼の中で“楽しむ”ことが実感として捉えられたのだろう。何しろ1年以上ぶりなのに西田も大井もメンバー同様に笑顔で、現体制の状態の良さが溢れ出ている。そしてラストは初期から欠かせない「夜を抜ければ」と「生活」が不変の透明感と大きくなったグルーヴで鳴らされ、続いてきたバンドの旅を実感させたのだった。
文章:石角友香
撮影:Daiki Miura
odol ONE-MAN LIVE 2026 “slow blink” SETLIST
01. ときどき
02. 17
03. 三月
04. 電話
05. 休日
06. 大人になって
07. 伝えて!
08. 幽霊
09. 今日も僕らは忙しい
10. 退屈
11. reverie
12. 未来
13. 幸せ?
14. あの頃
15. 光景
16. 光の中へ
17. あなたに惹かれて
18. 曇り空
19. ごめんね
Encore
20 不思議
21. 夜を抜ければ
22. 生活
SETLIST Playlist
https://odol.lnk.to/260524
<COTTON CLUB>

odolが11月1日(日)に、東京・COTTON CLUBにて「odol ONE-MAN LIVE 2026 at COTTON CLUB」を開催する。同会場でのライブは約3年ぶりとなる。
チケットは6月3日(水)正午よりCOTTON CLUBのHPにて受付開始。
【公演概要】
odol ONE-MAN LIVE 2026 at COTTON CLUB
日時:2026年11月1日(日)
会場:COTTON CLUB
[1st.show] open 15:30 / start 16:30
[2nd.show] open 18:30 / start 19:30
チケット:¥6,600 (税込/1オーダー別)
https://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/odol-261101/
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【その他公演】

odol × Ryu Matsuyama “d r i f t”
日時:2026年9月12日(土)
会場:東京キネマ倶楽部
OPEN 16:00 / START 17:00
出演:odol / Ryu Matsuyama
チケット:¥6,500(税込/1ドリンク代別)
https://eplus.jp/odol-ryumatsuyama/
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【関連リンク】








