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interview

【UKP OFFICIAL INTERVIEW】 paionia 髙橋勇成 ソロインタビュー

独自のスタンスで活動を続けるpaionia。そんな彼らが8/23に下北沢GARAGEにて”paionia企画「正直者はすぐに死ぬ」”を開催する。今回はバンドのキーマン髙橋勇成(Vo.Gt)に今現在のモード、企画に対する思いを訊いた。[取材・文 / 濱田和人(UKP)]


–:最近どんな感じなのかなーと思いまして、インタビューのお願いしてみました。

髙橋:(笑)。

–:あと8/23に下北沢GARAGEで企画やるじゃないですか、そのことも含め聞きたいなあと。

髙橋:はい。

–:共演がSICK OF RECORDERとmooolsってリスナー的目線が強いのかなあって、ラインナップ見てて思ったんだけど、今までやった企画と違う部分ってあるの?

髙橋:これまでの企画とはまったく違くてですね、本当リスナー目線っていうか、それだけですね。今までも企画はやってきてはいたんですけど、そもそも企画を打つこと自体かなりしんどくてイヤだったんです(笑)。

–:イヤだったんだ(笑)。

髙橋:で、当日もなんだかんだでわちゃわちゃして結局なんだったんだろう…みたいな。

–:それって当日すでに感じてるの?

髙橋:ライブ終わった後は熱気とか余韻もあるんですけど、自分の出番の前とか、企画が終わってちょっと経った後とかになんか「儚かったわ…」みたいな。

–:ナイーブさのほうが勝っちゃうんだ。

髙橋:はい…(笑)。企画ってやっぱり高みを目指すために話題性のあるバンドを呼んだりするじゃないですか。今までそういうことをやってきて、自分たちが好きなバンドだけでなく、企画のバランスを考えて誘ったりしたこともあって、それでもお客さんはたくさん来てくれたんですけどなんかしっくりこない感じがずーっとあって。今回は初心に戻って好きなバンドだけを誘ったので、お客さんに僕らが好きなバンドを知ってほしいって気持ちがあって組んだ企画ですね。

–:なるほど。オープニングをつとめる「かたすみ」というバンドは元々どういう繋がりだったの?

髙橋:彼らとはpaionia結成したての頃に対バンしてからの付き合いですかね…。

–:結構前だ。

髙橋:そうですね、4,5年くらい前になりますね。彼らもライブの為に山梨から東京に出てきていて、初めて観た時「あ、コックローチっぽいな」って思って(笑)。そこで知り合ってからは、かたすみが企画やるときに呼んでもらったりとかしてましたね。途中間も空いてたりしてるんですけど、去年くらいに彼らも東京に出てきたっていうのもあって、最近また仲良い感じですかね。

–:「SICK OF RECORDER」はどういった経緯でブッキングしたの?

髙橋:リアルタイムでは聴いてなかったんですけど、軽部さん(UKP、paionia担当)に教えてもらって初めて聴いたんですよ。長らく休止していたようなんですけど、数年前に再結成してたっていう。でもネットで調べても全然情報ないみたいな(笑)。

–:今時珍しいよね。今ってネットで調べたらおおよその事はわかるじゃない? その謎さが逆に興味を引くよね。

髙橋:そうなんですよね(笑)。CD買わないとメンバーの名前も分からなかったですもん。

–:どうやって声かけたんだよ(笑)。

髙橋:ホームページを探して、連絡フォームから唐突にお願いしたんですよ。でも返信がなかったので、TwitterでSICK OF RECORDERのスタッフの人見つけて連絡したら繋がって。

–:大捜索だ(笑)。

髙橋:そしたら「本人に伝えておきます。」みたいな返信をもらえて。そこからですね、やり取りが始まったのは。

–:熱意すごいね。そんなにも出てもらいたかったんだ。

髙橋:ダメ元でしたけどね。ライブ自体もやってなかったみたいなんですけど、mooolsとの旧友関係もあって「彼らも出るなら久しぶりに会いたいし。」っていう部分もあったみたいで、名古屋からでしたけどOKしてもらえました。

–:mooolsはどんな経緯で?

髙橋:好きだったんですよね。今まではこういうバンドの選び方自体ありえないことだったんですよ。これまではやっぱり同世代のバンド呼んでちゃんと盛り上げていかなきゃいけない意識がなんとなくあったんですけど。、いまはそういうことが気にならなくなって、この企画を思いついたときに、まずmooolsを誘いたかったんです。

–:かたすみを誘ったっていうのはその名残みたいなとこもありつつ?

髙橋:mooolsやSICK OF RECORDERを僕らの世代やもっと若いお客さんに知ってほしいっていう意識もありつつ、主体はpaioniaなので。僕らがこれからどんどんやっていかなきゃいけない世代なので、そういう意味ではかたすみの存在って重要なんです。自分達がいいと思ってるバンドを発信していかなきゃなって、おこがましいですけど。そういう意識もあるのでかたすみにも声かけました。今の世間の流れもありますけど、その流れに乗れないってことももうひしひしと感じながらやってきたので、乗れないんだったら自分たちでやっていくしかない。実はそこが趣旨だったりもします。

–:結構シリアスな目線もあったんだね。

髙橋:そうですね、今までとは全く違った意識で取り組んでると思います。

–:今までやってきた部分とは違う蓋を開けたかったのかな?

髙橋:paioniaっていうバンドのスタイル的にも、このやりにくい感じで続けても…。

–:やりにくいっていうと?

髙橋:音楽作りは自分たちの中だけで完結できることだからいいんですけど、ライブってやっぱり毎回がワンマンライブってわけじゃないので。好きなバンドがどうも現れなくて…。

–:対バンって部分ね(笑)。今回の企画の出演バンドの並びを見るとそれもうなづけるよね。上の世代のバンドが2組もいるわけだし。

髙橋:これからを作っていきたいとは言いつつも先人たちの肩を借りてますしね。でもこれがきっかけで盛り上がってほしいと思いますし、僕らが呼ぶことに意味があると思うし。彼らのお客さんと僕らのお客さんって本当に違うんで。mooolsのライブに行くと僕らが一番年下なんじゃないかって思うし。

–:お客さんの層ってこれまでと全然違うことになりそうだね。上の世代の人がpaioniaを観るってシチュエーションってこれまでもあったのかな?

髙橋:あんまりなかったですね。paioniaを5年やってますけど、僕らの音楽が響くべき客層がどこなのかっていうのも未だに分からないですから、そういう意味でも楽しみなところではあります。paioniaのお客さんがmooolsとSICK OF RECORDERとかたすみを観てどう思うかっていうのも楽しみですし。

–:それは気になるよ。

髙橋:こういう部分の喜びがこれまでなかったので、やりがいもあるというか。

–:早い段階で告知もバンバン打ってたものね。

髙橋:なんというか今まで以上に責任感もあって、自分たちに。成功させないと意味ないなって思いますし。こういう企画が流れちゃうのが一番勿体ないと思うし。

–:新曲の準備なんかはあったりするの?

髙橋:頑張ってますけど、これがまたバンドの難しいところというか。なんかどっちかになっちゃうんですよね。

–:新曲作るかライブするかみたいなってこと?

髙橋:企画の事があるとどうしてもそっちの事考えますよね…。

–:順番ができちゃうのか。

髙橋:そうですね。バランスとるのが難しいなあとか思いながら。そんなことも言ってられないんですけど。…どっちも出来るといいんですけどね(苦笑)。来てくれるお客さんのこと考えたら新曲作んなきゃなあって気持ちにはなりますね。

–:この間のウソツキのレコ発の時に新曲やってたよね。

髙橋:でもその曲くらいですかねえ。

–:曲を制作するときのスタイルみたいなものってあるの?

髙橋:スタイルというか、もう一日で作っちゃうので。だから出てくるか、こないかなんです。途中まで作るとかそういうの無いんで。

–:急かされて作ったりとかはしないんだ。

髙橋:取り組もうとはするんですけど、それがダメなんだなあって最近思います。無理やりギターを持って適当に色々やるんですけど、構えるとなんかダメなんですよね。

–:企画の話に戻るけど、メンバー二人は今回の企画に対してどんな感じなの?

髙橋:今回は僕の嗜好が強いんですけど、彼らは彼らでそこを汲んでくれていていいものにしようって。

–:なるほど。このちょっと先? 秋冬とかにもなんか考えてたりするの? 弾き語りの企画も控えてたりするけど。

髙橋:まずはpaioniaのことありきなので。弾き語りもpaioniaの違う楽しみ方の一つとして捉えてもらえたらとは思いますね。

–:企画もそうだけど、何かを打ち出すってことに関して、最近paionia自身が能動的な感じもしてるのだけど、その辺はどう?

髙橋:今まで怠けてたっていうか。結構周りに頼っちゃってたので…。現状がこんな感じでもあるし、やっぱり結成当初のように自分らで考えて自分らの事をやっていかないと、結局自分らが納得しないうちに納得しない結果が来ちゃってっていうのの繰り返しになっちゃうんで。…お客さん来るといいんですけどねえ…(笑)。

–:頑張りどころではあるよね。

髙橋:あとpaioniaっていうバンドへの愛を確かめたいっていうのもあって。

–:というと?

髙橋:今いい状態なんですよ。俺のワンマンバンドって思われることもあるんですけど、あの二人はそうじゃないんですよ。一人についていくような奴らじゃないから(笑)。それぞれ我が強すぎるから。

–:さっきも言ったけど、ウソツキのレコ発の時のライブよかったんすよ。バンド内のパワーバランスも均等な気がしてとてもよかった。

髙橋:この三人で演奏することはやっぱりすごい楽しいんですよ。この三人だからなのかもしれない。

–:十分愛あると思うよ。この活発な感じの裏側にはそういう気持ちがあったのね。

髙橋:苛立ちもありますけどね、この世間の流れに関してとか。大ざっぱですけど。憤ってますよ(笑)。

–:それはなぜ?

髙橋:幼稚な話なんですけど、もっといいもの、いい音楽があるのにみんなが狭い世界で完結して、騒いでるのがヤなんです(笑)。だからこそ僕らは怒ってるだけじゃダメなんですけど。

–:それがあっての企画っていう意味でもあるんだろうしね。

髙橋:あといい意味でお客さんを裏切りたかったっていうのもあって。

–:裏切り?

髙橋:前に「paioniaと対バンしてほしいバンド」をTwitterで募集したことがあって。お客さんから反応を得られることはとてもありがたいのですが、ほとんど自分の予想通りで。言いたいことはわかるけどそんなんばっか言ってるから変わんねえんだろって。で、今回の企画ですよね。この気持ちなんなんですかね(笑)。自分が本当にいいと思っているバンドさんに声をかけて企画を作って演奏する。もうそれだけです。だからお客さんへの挑戦でもあります。いつでも明日が来るとは思ってないので、儚いもんだと思っているので、やりたいことをその時にギュッと的を絞ってやっていきたいと思ってます。

–:今日はありがとうございました。企画楽しみにしてます!

髙橋:ありがとうございました。


2014.08.23(SAT) @下北沢GARAGE “paionia企画「正直者はすぐに死ぬ」”
paionia
moools
SICK OF RECORDER
かたすみ(O.A.)

open 18:00/start 18:30
前売券¥2800 / 当日券¥3300 (共にドリンク代別¥500)

http://ukproject.com/calendar/5905/

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