LOST IN TIME

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【UKP OFFICIAL INTERVIEW & LOST IN TIME TV特別企画】LOST IN TIME、10月25日、26日のCLUB Queワンマン2daysに向けて緊急会議実施!

10月25,26日下北沢CLUB QueにてLOST IN TIMEがワンマン2DAYSを開催します。
今回のワンマンは初日を「その奇跡」と題し奇数枚のアルバムから選曲、2日目を「その偶然」と題し偶数枚のアルバムから選曲となる2日間被り曲無しのライブ構成となります。

現在約100曲のリリースをしているLOST IN TIMEが、このワンマン2daysに向けてメンバー3人による緊急会議とそれぞれのアルバムへのインタビューを行いました。

この模様をUK.PROJECTオフィシャルHPではインタビュー全文を、LOST IN TIMEのYOUTUBEチャンネル「LOST IN TIME TV 12ch」(限定復活)ではダイジェスト動画を「その奇跡編」と「その偶然編」の2回に分けて公開します。

会議中に…
1stアルバムギタリスト横内武将(THE LOCAL ART)、4thアルバムベーシスト有江嘉典(VOLA&THE ORIENTALMACHINE ,杉本恭一&the dominators ,MOON・BEAM ,百々和宏とテープエコーズ )に当日のライブへのゲスト出演電話交渉…果たしてその結果は??

 

LOST IN TIME TV 12ch
https://www.youtube.com/user/LOSTINTIMEofficial

 


LOST IN TIME TV 12ch & UKP OFFICIAL INTERVIEW 特別企画『”CLUB Que 20th記念 2DAYS series 『OPERATION Que HATACHI』”LOST IN TIME presents 「その奇跡とその偶然」緊急ミーティング(インタビュー)』


LOST IN TIME TV 12ch & UKP OFFICIAL INTERVIEW 特別企画 1「その奇跡編」

 

–:ではまずは質問から行きたいと思います。今回CLUB Queでの2デイズ、なぜ奇数アルバムと偶数アルバムという分け方なのかを教えて下さい。

海北大輔(Vo.Ba):今年6月にファンのみんなからファン投票という形で、12周年プラスベスト12曲の計24曲を演奏するライブをやったんですけど。

三井律郎(Gt):結局25曲やったんだけどね(笑)。

大岡源一郎(Dr):25になっちゃったね(笑)。

海北:新曲もあったからね。その時にしばらく演奏してなかった曲をやったのが、すごく新鮮だったっていうのがあって、アルバムを8枚も出しているってことで、LOST IN TIMEは割と割と通算通したときに「過去の作品」だからとか、「新しい作品」だからって形で演奏しなくなる曲ってほとんどないんですよ。
三井君が入ってこの三人になって、ようやく形になった部分があるんですけど。それまでメンバーチェンジも何度かありましたからね。折角そうやって曲が演奏できるっていうんであれば、そこに特化した形でライブ出来ないかなあと思っていた時に、CLUB Queの20周年のお祝いで2デイズやってくれないかっていうお誘いがあったので、これは二つのアイディアを一緒にやれるチャンスかなあと。
単純にファーストアルバムから4枚目まで、5枚目から8枚目までって分けるっていうよりは両方ごちゃごちゃさせてみたいなあと思って、奇数偶数っていうのがそれを一番わかりやすく分けられるのかなって考えて、「その奇跡」の「奇」と「その偶然」の「偶」の字を使ったタイトルを付けたいなあって思ってそうしました。

–:初日が「その奇跡」というタイトルで、奇数アルバムからの曲セレクトになるということなんですが、やりたい曲、やりたくない曲をお伺いしたいんですが、こちらは事前に回答頂いております。

大岡:フリップに書いております!

三井:僕先行っていいですか?

海北:どうぞどうぞ。

三井:なかなかね、この意地悪な質問だなあって。

大岡:「そっち聞く!?」みたいなね(笑)。理由難しいとこですけど。

三井:考えましたよ。やりたい曲は『トライアングル』。やりたくない曲は一応『ブルーバード』って書いたんだけど、まあ理由はって言われてもまたあれなんですけど、『トライアングル』やりたいのは、MV作った曲なのに実はあまり演奏したことがなくて。

海北:そうなんだよね。

三井:そのツアーでしかやったことないんだけど、今やったらもっとちゃんと演奏できるんじゃないかなあって思う。

大岡:確かに!しばらーーくやってないもんね。

三井:『ブルーバード』に関しては別にやりたくないわけじゃなくて、アーバンですごい好きな曲なんですけど。

大岡:アーバン!(笑)。

三井:アーバンなんですけど…、ここだけの話全く思い出せない(笑)。

一同:(笑)。

大岡:いやいや思い出して!(笑)。

三井:全く思い出せないんですこれ! 結構めんどくさかったんだよ。コードとかすごい凝って作ったんだけど、その期間しかやってないからさ、やんなくなって何年経ったんだろう…。思い出せないから一応書いておこうかなっていう…。

大岡:嫌いじゃないんだよっていうね(笑)。

海北:みっちゃんはどっちの曲も『明日が聞こえる』からなんだねえ。

三井:そうそう。今思い出せませんって曲ですね。僕の場合。イントロから時間欲しいもん。「みんなメシ食ってきていいよ!」っていう(笑)。

海北:ライブ中にメシ休憩入っちゃう(笑)。

三井:あの、一日もらえれば!(笑)。

海北:でもわかんないすよ、こう言いながらもやるかもしれない(笑)。

–:お次は源さんお願いします。

大岡:大岡はこちらです。デデン!

海北&三井:おおおっ!

大岡:やりたい曲は『トライアングル』と『ブルーバード』です。三井こらぁ!

三井:(爆笑)。すごいね源ちゃん! 合わせてないのにね。書いてることも見てない。

大岡:しばらくやってないからやりたいっていうね。『ブルーバード』も好き。三井はやりたくないって言ってたけど。

一同:(笑)。

三井:一日あればそっち行けるから。一日くれれば!

大岡:(笑)。そしてやりたくない曲が『静かな警報』なんですけど、何故かっていうと三井が入ってないから(笑)。

海北:単純にね。

大岡:そう単純に。ピアノとドラムだけの曲だから。

海北:あれさ、実際レコ発でやったとき一回みっちゃんはけたもんね。

大岡:クアトロでやったときにね。

三井:じゃあはけてる間に『ブルーバード』予習しとくわ(笑)。

海北:二人とも『明日が聞こえる』の曲からなんだね。

三井:思い入れが深いんじゃないですかね、やっぱり。

海北:三人になって初めて作ったアルバムだからね。

三井:思うように出来たところと、案外出来なかったことも結構あったし。

大岡:合宿に行ったりとかもしたよね。

三井:うん。新しい試みがたくさんあったし。

海北:『明日が聞こえる』の中だと、『希望』とかかな、今定番になってるのは。

三井:あと『合い言葉』『ハロー イエロー』?

大岡:うん。

海北:割と今のLOST IN TIMEの代表曲がこのアルバムの中にはちゃんと入ってる。

三井:ベストにも入ってるもんね。

海北:そうそう。まあそんな中の最近やってない曲っていうね。

三井:面白いくらいやってないね。

海北:ここはポッカリ穴が空いてる感じがするねえ。

大岡:でもそこは再現したいすねえ。新しくなってもいいしね。

三井:ちょっと変えようアレンジ。ヘビメタとかに(笑)。

大岡:大幅に!(笑)。

海北:でもアレンジ変えるのも悪くないって気がするよ。セッションから作る曲多かったし。

三井:そうだねえ。

海北:なんでなかなか僕のにいかないかというと、こんな感じだからです。ドーン。

大岡:はい。

海北:今回リストアップして思った。全部やりたい!

大岡:全部やりたい?(笑)。

三井:じゃあこれ単純に桜島みたいな感じだ(笑)。

一同:(笑)。

海北:じゃあ俺みっちゃんがギターソロ弾いてる時、横で腕立て伏せしてるわ(笑)。

三井:いやいや海北君は実家から歩いてQueまできてもらって、そのままライブ。

大岡:出た! 24時間テレビ以来の!

海北:(笑)。でもそういう意味で僕は全部なわけですよ。なので「この奇跡」では源ちゃんみっちゃんの思い入れ如何で、テーマみたいなものは絞られてくるのかなあなんて思ったりもするわけですよ。

三井:責任重大ですね…。

大岡:みんなと意見が合えばいいですけどね。

三井:『静かな警報』はやらない…?

大岡:…やらないね!(笑)。

三井:(笑)。

大岡:みんな三井を観たいと思うんですよ。

海北:源ちゃん大丈夫。俺最近新しい海北盤作ったでしょ? あれに収録されてるからここでやんなくても大丈夫って感じはあるかも。

大岡:『静かな警報』はやらないということだけが決定しました。

一同:(笑)。

三井:緊急会議なのにちょっとしか決まってない!(笑)。

海北:でも『明日が聞こえる』の部分は見えてきたよね。

三井:そうだねそうだね。

大岡:海北君が「全部」って言っちゃったからとんでもないことになるねえ。

スタッフF:ちなみに『静かな警報』は前回の集計したランキングでは98位です。

三井:おおおおっ!(笑)。

スタッフF:ちなみに99位は『背中のバラッド』。

海北:でも票が入ってるってことでもあるよねえ。すごいなあ…。

スタッフF:100位は『S.E.』。

海北:(笑)。

三井:それ投票した人相当へそ曲がりだよねえ(笑)。

海北:今ので発覚したのがさ、多分曲には全部票が入ってたんだよ。それがすっごい嬉しいな。

三井:うん。

海北:5枚目の『明日が聞こえる』はなんとなく見えて、あとは1、3、7枚目だから、この中に絞られてくるわけですよ。

大岡:まあ多分『30』はねえ、やるんじゃないかなと思いますね。

海北:やりたいねえ。

大岡:わかんないな、三井君が首かしげてる(笑)。

三井:まあやってる曲はね、お客さんわかってると思うから。3人でやってない曲、やったことない曲があるだろうからさ。

海北:『時計』はさ、そういう意味だと、『羽化』もちょこちょこやってるし、で『はじまり』があって『柊』もやってるでしょ。『ライン』『サンカク』…、『サンカク』はさアコースティックの定番になりつつあるけど。最近はね。

大岡:アコースティックではいっぱいやってるねえ。

海北:『蛍』も一回やってるような気がするんだよね。

三井:やってるやってる。2、3回位やってるんじゃないかな。

海北:みっちゃん入ってからはそうだね。

海北:『残像』やってないし『NEWS』もやってない。『証』は今間違いなくやってるね。だから、『残像』『NEWS』『冬空と君の手』ら辺のどこかは必ずやろうよ。

大岡:それは間違いなく入ってくるですね。

海北:どした?(笑)。

三井:入ってくるですねって(笑)。

海北:各一枚ずつさ、例えば1stだったら『4:53am』なんてもう何年やってないだろうって感じだったりするし。

大岡:やったよね?

三井:メドレーでやってるね。丸々はねアコースティックでやったのかな。俺ブズーキで弾いたの覚えてる。

海北:だからかなりやってないよね。そういう所もちゃんとチョイスしながらセットリスト組んでいけたらいいよね。おれ個人的には『雨が降る夜』やりたいんだな。一色君(一色徳保[つばき/Vo])と一緒に作った曲だからさ。

大岡:そうだね。

三井:最近やってないね。

海北:あとベストアルバムの『きのう編』にも新曲入ってたでしょ。『再会』と『グレープフルーツ』か。『再会』もこの時のツアー以降やってないかなあ。

三井:…やってない。アコースティックではやってるからか、ちょっとやった気になってるのは。

海北:それはある。『きのう編』の一曲目ですからねえ。…これ面白いね、選び方として各アルバムのしばらくやってない曲にスポット当ててるじゃん。

大岡:うん。

海北:逆にいつもやってて、これは外せないって曲とかある?

三井:…『花』じゃない?

大岡:ファーストアルバムの一曲目!

三井:っていうところはやっておいた方がいいというか、なんていうか、やっぱり特別な曲じゃないですか。ファーストアルバムの一曲目。

大岡:LOST IN TIMEとして作った最初の曲。

海北:お客さんがLOST IN TIMEのファーストアルバム買って聴いた最初の曲になるんだろうから。

三井:天邪鬼で飛ばして聴いてる人がいなければ(笑)。

大岡:シャッフルしてる人いなければね(笑)。

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–:作品ごとにある制作時のエピソードなど聞かせてもらえますか?

海北:僕ファーストアルバム「冬空と君の手」のREC中は結構ボロボロでしたね…。

三井:いくつの時?

海北:21?

大岡:21。

海北:2002年リリースで、前の年から録り始めてるから。

三井:源ちゃんにも21歳の時あったんだねえ(笑)。

大岡:童貞だわ(笑)。

一同:(笑)。

大岡:童貞じゃねえし!(笑)。

海北:荻窪のスタジオで録ってたんだよね。

大岡:荻窪のリンキーディンクスタジオでね。

海北:レコーディング中に当時付き合ってた子と別れて、その子が荻窪に住んでて、スタジオに行く前にその子の家のポストに部屋のカギを返してから歌入れに行くっていう、非常にエモーショナルな。そりゃ「さよなら」って連呼するわってことを今ふと思い出しましたね…。

–:いきなり強烈なエピソード飛び出しましたけど。

三井:源ちゃんそういうのないの?

大岡:えっとねえ(笑)。童貞だったからー。

三井:(笑)。

大岡:いや童貞じゃねえし!(笑)。今無理やり言ったけど童貞じゃなかったから。

海北:みんなその印象になっちゃうじゃん。

三井:持っていくわー(笑)。

大岡:まあでもそこまでエモーショナルな話はないなあ…。

三井:エモーショナルじゃなかったの?? いつもこんなエモーショナルなのに。

大岡:個人的にはそんなないなあ…。

海北:リリースの前後になってくると武将君(横内武将:LOST IN TIME 初代ギタリスト)が辞めるっていう話とかあるんだけど。録ってる最中はそんなになかったよね。

三井:初レコーディングとかではないの?

大岡:デモテープとかは録ってたから、初ではないね。2回目とかかな。

海北:これ印象的っていうか、後々聞いた話でなるほどって思ったのが一個あって、このファーストアルバムとセカンドアルバムの『きのうのこと』のエンジニアの瀬戸山さんって方がいるんだけど、この方はもともとLa mamaのPAをやっていた人で、何年か前から専門学校で録音関係のこと教える講師になったらしいんですけど、そこで教え子だった子が、カミナリグモの上野くんだったっていう。

大岡:えっ。

海北:そこでの教材でLOST IN TIMEの曲を聴いたよって話をあとあと上野くんに教えてもらってさ。それ聞いてちょっと恥ずかしかったんだよね(笑)。まだ録り方も殆どわかんない状態で、瀬戸山さんにあーだこーだ、手取り足取り教えてもらいながらレコーディングしてたから。歌がなかなか歌えなくて大変だったんすよね。

大岡:録る期間も10日間とかで。

海北:予算も全然なくて。

三井:10日かあ、今みたいにサクサク録れないもんねえ。若い頃はね。要領もわかんないだろうし。

大岡:全然わかんなかった。大変だったねえ…。

三井:『時計』は?

海北:『時計』はね、外側のエモーショナルな部分というよりはバンドの中の関係性がギスギスしまくっちゃって…。

三井:一枚目は武将君最後のアルバムで、三枚目は榎本君(榎本聖貴:LOST IN TIME 2代目ギタリスト)最後のアルバムなのか。

大岡:エモいね…(笑)。エモいこと言うね!

三井:あんた全然エモくなかったでしょ(笑)。

大岡:俺だって一応エモいわ!(笑)。

三井:一枚目も三枚目もそういう作品でもあるのね。

海北:ちょっとこう、人間関係とかすごく内側がごちゃごちゃしてた時に作ったアルバムだなっていうのがあるし、その分こんなに緊張感のあるアルバムはこの前にも後にも録ったことない気がする。

三井:緊張感あったんだね。

海北:そう。割とアルバム全体通してゆっくりな、やわらかそうな曲って言うのかな、一曲単位だとそういう曲が多いんだけど、アルバム通すとえにもいわれぬ緊張感というか、スリルっていうのかな、そういうものはこのアルバムが一番あるような気がする。

–:独特な雰囲気ですよね。

海北:何かが一つずれたら全部壊れちゃうみたいな。実際にバンドの状況がそんな感じだったから。それはすごく覚えてるなあ。榎本君は榎本君で弾きたいビジョンがあった時に、僕は僕でそれぞれの曲に対してのビジョンみたいなものがあったけど、それぞれがことごとくリンクしなくて。そこに対してお互いすごくフラストレーション溜めていっちゃって。で、二人とも源ちゃんにあたるみたいな…(苦笑)。

大岡:エモいだろ?

三井:(笑)。

海北:そういうこと繰り返してたら三人が三人とも口きかなくなっちゃったみたいな…。でもそんな中でアルバム録ろうよって、無理やり押し切って作ったみたいな部分があって。今でこそ、すごくいい曲いっぱいあるなあって思うけど、通して聴いた時、そういうことも思い出して、僕個人としてはしんどい気持ちになるアルバムかなあって思います。その辺で言うと『明日が聞こえる』は真逆すよね。タイトルにも表れてるけど、すごく開けてるし。

–:抜け感が違いますよね。

大岡:今なんつった?? ちょっと謝って。今なんつった?

–:抜け感。

大岡:やかましいわ(笑)。

一同:(笑)。

大岡:ごめんね(笑)。今キング(スタッフF)がピクッとしたから。

海北:このアルバムは風通しもいいし、このアルバムで出会うんすよ、すっばらしいエンジニアさんに。今でもお世話になっている鳥羽さんですね。もともとカーネーションのギタリストだった方で、この方を当時のプロデューサーだった竹内修さんが紹介してくれて、すごく一つ一つの録り音に対して三者三様のイメージがあったとして、それを具現化する時に、「あ、出会えたぞ」ってピンくる感じかすごくあって。半分くらい録ってもらってるのかな、鳥羽さんはね。

大岡&三井:うん

海北:それをすごく覚えてるな。でも『明日が聞こえる』と言えばやっぱ合宿でしょ。

大岡:そうだねえ。三井ファーストアルバムでもあるし。

三井:監禁ですよもはや(笑)。

一同:(笑)。

海北:うちの実家の近くの山奥で。レコーディングスタジオというよりは練習スタジオみたいな。

三井:練習合宿所みたい感じか。なんて言ったらいいんだろうね。すごいとこだったよね。24時間音出せて。周りに家がないからって。

海北:山!っていう(笑)。

三井:テレビもねぇ、ラジオもねぇ(笑)。

海北:かろうじて漫画がいっぱいあるみたいな。あそこで何回『20世紀少年』読んだかわかんない。

大岡:そこで半分くらい作ったかな。5曲くらいね。

三井:『トライアングル』『希望』『ブルーバード』もそうだね。『8月7日の夕焼けを君は見たか』もそうか。

海北:『忘れもの』もここで。

三井:『忘れもの』もそうだね。

大岡:『キャラバン』も。

三井:『キャラバン』もそうか!

海北:冬の歌なのにあっつい夏で、スタジオのエアコンがあんま効かなくて汗だくになりながら、冬のこと想像しながら歌詞書いてたなぁ。

大岡:『合い言葉』と『ハロー イエロー』は僕と三井は二日酔いだったね(笑)。

海北:そうだったよね。それ結構いいエピソードだよ。

大岡:そこはねえ、海北君に謝りたいところなんだよね。前日花火大会行ってさ。

海北:俺呼ばれてないす(笑)。

大岡:たまたま行ったんだよね。

三井:そうそう。花火なんか好きじゃなかったんです、僕。なんで源ちゃん、いい大人がこんな花火なんかにはしゃぐんだろうって思ってたんですけど、めっちゃくちゃ花火素晴らしくて(笑)。まあお酒も進んじゃって、次の日大変でしたねえ。榎本ん家で最終的に飲んだのか?

大岡:武将もいたな。

三井:タケちゃんもいたか。その次の日にスタジオ入って、覚えてないす、『合い言葉』と『ハロー イエロー』が何故出来上がったのかが。両方とも1日で出来たよね?

海北:二人とも激しい曲やりたくないって言って、ウェーってなりながら部屋きて(笑)。デカイ音出さないでって言って、ちょっと静かな曲やろうって。

大岡:今考えたら、本当暴挙だよな。

三井:(笑)。暴挙だな…。

大岡:怒られるわ…。

三井:『合い言葉』もおれ酔っ払ってるから、変拍子って意識で作ってないと思うもん(笑)。拍子合ってると思ってるよ、多分。それぐらい具合悪かった。

海北:俺だけシラフだったけど、すごい気持ちのいいセッションになって、これにメロディ乗せてみようって。だから『ハロー イエロー』と『合い言葉』は最後だったよね。

大岡:合宿と偶然が重なって。

海北:だから『合い言葉』が最初の曲になるとは思ってなかったの。

三井:これ俺が言ったんすよね。

大岡:そう三井が言ったの。

海北:『トライアングル』が一曲目っていう形でずっと進んでて、マスタリングのタイミングで、「やっぱり『合い言葉』最初に持ってこない?」って三井君が言い出して。曲順とか製品になるギリギリのところで。

三井:これ僕意図があって。僕もね結構プレッシャーだったんですよ。武将君がいて、榎本君がいて、弥吉さん(弥吉淳二/Gt)がいて、ギターが僕になるわけじゃないですか。一曲目って、アルバムを象徴するものが多いから、当然『トライアングル』になるであろうって感じがあったんですけど、でもなんかその、気張ってる感じをあんまり出したくなくて、要は、「えっ?」って言うものが良かったんです。

海北:うんうんうん

三井:意図しないものの方がアルバムとして面白いなあって思って。『合い言葉』がすごい好きで、僕のひねくれた部分が出たと言うか、一曲目は直球勝負じゃなくて、なんかこう力が抜ける感じが出てる方がいいなと思ってて、それで提案したんです。

–:その力の抜けた感じがアルバム全体の風通しの良さにも繋がってますよね。

海北:さあそして『(   )トラスト オーバー サーティー』ですよ。

三井:これはもう最近ですよ。

海北:そうだよね。これはアルバムとしてたけど、新曲の曲数としてはミニアルバムですよね。2枚目のCDにはライブの音源入ってて、トータル13曲なので。これはもう『30』一人勝ちみたいな感じっていうか、それまで苦しんで苦しんでなかなかこう突き抜ける曲っていうのが僕自身書けなくなっちゃってたタイミングで。スタジオ中に休憩しようって話になって、で、僕ピアノに腰掛けてて、ポロポロ弾きながらちょっと歌っててってやってたら、休憩から戻ってきた三井君が「ちょっとそれそのままやってて、めちゃめちゃいいじゃん、それ」ってなって、そこに謎のタッピングを入れ始めて(笑)。

三井:僕も疲れてたんす(笑)。

海北:そこで源ちゃんにも16ビートの踊れるようなビートちょうだいって言って。

三井:『(   )トラスト オーバー サーティー』くらいから、アレンジの面白さみたいなものが、みんな多分芽生えてきてて、個々のものに責任を持って出来るようになってきてたんですね。

海北:それはあるね。

三井:そう。任せるとこは任せてたんです。それでもう全然大丈夫だったし。ただその分一個テーマがないといいものにならないっていうのがあって。どの曲もアレンジにこだわってやってた後の、『30』だったから。なんか面白いことしたいなあっていうのがあって。その一曲がないとリリースできないのも知ってたし、でも海北君が歌った時にフォークみてえだなって思って、フォークと真逆のことっていうのを考えて「あっ、タッピングだ!」って(笑)。最初は今みたいに16ビートでもなかったから、よりフォーキーな感じだったっていうか。その聴いた時のイメージが。それをまた16ビートにしたり、鍵盤を大々的に取り入れてみたり。

海北:今作くらいからライブで普通に鍵盤も弾くっていうのが多くなったり。すごくアレンジ考えながらスタートしてた気がする。『(   )トラスト オーバー サーティー』からだよね。

三井:うん。

海北:『ロスト アンド ファウンド』の時はピアノを弾く時はちゃんと椅子に腰かけてってやってたんだけど、『(   )トラスト オーバー サーティー』の頃から立ったまま弾けるようにセットして、ベース弾きながら弾いたりとかして、そこから今のスタイルになっていったって感じですかね。

–:実際、この『30』って曲は浸透するスピード早かったですよね。

海北:結果的に6月のリキッドワンマンのファン投票1位でしたからね。

三井:俺らは俺らで録って出しだったもんね。すぐレコーディングだった。

海北:レコーディングの2、3日前に出来上がったくらいのね。

三井:それくらいの録って出しだったから、出すまで反応わかんなかったもん。なんなら『30』が推し曲になるとかわかんなかったもん。あとでリード曲が『30』になったって聞いて、「あ、そうですか」くらいの感じだった。それくらい自分の中で飲みこめてないくらい、あっという間のレコーディングだった。

–:当時リリースの時、『30』のMV完成の告知をTwitterでお知らせしてた時に、色んなミュージシャンが反応してたじゃないですか。そういうものってどう受け止めてました?

大岡:MV良かったもんな。

三井:良かった良かった。

海北:あれは面白かったですよ。手応えすごいありました。一晩で10000ビュー近く伸びたし。LOST IN TIMEってそんなこと今までになかったのに。あと同世代のバンドマンに「良い曲書いたね」ってのはみんなに言われましたね。PVに健太郎さん(泉健太郎[ex.セカイイチ/Ba]) 出てくれたの嬉しかったよね。ちょうど最後のライブがCLUB Queであった日に、僕らが『30』PVの撮影してて、ちょっとダメ元で言ってみたらセカイイチのみんながノリノリになってくれて、ちょうどベースを置くシーンがあるんですけど、そこにグッときてくれるセカイイチのファンの方もいてくれて。よかったですね。

大岡:うん。

海北:『30』は今のLOST IN TIMEの軸になっている曲かもしれないですね。

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–:先程もありましたが、この奇数枚のアルバムの中で演奏したことない曲についてお伺いしたいんですが。演奏したことない曲ってあるんですか?

三井:この三人ではあります。『NEWS』『残像』……以上です!(笑)。

大岡:『冬空と君の手』は?

三井:バンドでやったことあります。僕がロストに入った年のCLUB Queの3デイズ。『LOST IN TIME レコ発3DAYS -毎週水曜Queチャンネル-』(2008年12月)の最終日。この一回だけ。ガッチガチでしたよ(笑)。

海北:やってるんだ…。

三井:やってるんですよ。

–:その一回を境に…。

三井:やってないすね。それぐらいですかねえ。僕イメージ的に『時計』の曲触れてないイメージだったんだけど、やったことないって言われたら、その2曲だけですね。

海北:『ライン』もやってるもんね。

三井:『ライン』も一回やってる。有江さん(有江嘉典[VOLA&THE ORIENTALMACHINE/Ba])がいた時に。

海北:三井君が入って半年くらいは有江さんもいたので、僕がアコースティックギターを弾く『時計』の曲はその頃割とやってるんですよ。

三井:逆にさ、『残像』とかは俺がいないときに弥吉さんもやってるよね。映像で観てたもん。

海北:それこそ2010年で区切ったとして、ここ4年くらいやってないって考えた時、『ブルーバード』『トライアングル』『あじさい』…。

三井:『あじさい』はアコースティックでもやってるもんね。それ入れると『ライン』もそうだし、『蛍』もそうだし、『残像』『NEWS』…それくらいか。

海北:結構まんべんなくやってるんですよね。

三井:そう!他のバンドに比べたら昔の曲やってるよ。まんべんなく。

海北&大岡:ありがとうございます!(笑)。

–:今回の選曲気になりますね。

三井:お客さんが楽しめるようにはしたいですね。

大岡:そうだね。

海北:「この辺触れるんだ」っていうのを、このインタビュー読んだ人が「これはちょっと観に行ってみたいな」って思えて、そこにちゃんと応えるセットリストにしていこうかなって思ってます。

三井:それでなくても最近のライブで結構意外な曲多いすからね。

大岡:やったりしてるねー。

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LOST IN TIME TV 12ch & UKP OFFICIAL INTERVIEW 特別企画 2「その偶然編」

 

–:では『その偶然』のQ&A行きたいと思います。『その奇跡』編に引き続き、やりたい曲やりたくない曲をフリップに書いてもらいました。よろしくお願いします!

海北:今度は僕からいきますね。すごく抽象的な書き方してしまいました(笑)。デデン! やりたい曲「エレキギターが弾きたい!」

大岡:中学生か!

一同:(笑)。

海北:ご存知の方もいらっしゃると思いますが、LOST IN TIMEってメンバー編成が変わった遍歴みたいなものが多くて、僕がそれこそ4枚目のアルバム『さぁ、旅を始めよう』の時にギターボーカルだったんですよ。今でこそ元々のベースボーカルでやってるんですけど。それまでもアコースティックギター弾いてる時はサポートベースを入れて、4人編成でライブをやった曲もあったりとかしたんですけど、三井君が入って、有江さんが参加してたのが2007年くらいの時で、それ以降ステージの上でエレキギター持ってないなあって最近思いまして。一人旅で弾き語りもやってるからアコースティックライブの時は、ベースだったりアコギだったりピアノだったりっていうのがあるんで、経験はあるんですけど、エレキちょっと弾きたいなあって。

大岡&三井:うん。

海北:やりたくない曲は前回に引き続いて申し訳ないですけど「ありません!」ということで。もうなんでも歌いたいですよ。ただアレだね、さっき源ちゃんが言ってた俺と源ちゃんだけの曲は…、3人で演奏できる曲を中心にやりたいよねえ。

大岡:そうだねえ。

海北:一人の曲は今回やんなくていいかなって。

三井:『さぁ、旅を始めよう』とか『翔び魚』とかは?

大岡:あるっちゃあるからねえ。

海北:『カッターナイフ』とかね。あの辺は一人で歌う歌だし、それこそ『すべては風の吹くままに』も僕の弾き語りだったりするんだけど。今回はとにかくLOST IN TIMEの3人で演奏したいなって。やりたくない曲があるとしたら、「一人でやる曲」もしくは「3人じゃなくてどちらか2人でやる曲」っていうのは、今後のタイミング見計らって、別の機会にやればいいかなっていう、そんな風なことですね。エレキギター弾く曲1曲でもいいから。

–:あのテレキャスターが。

海北:そう、あのテレキャスター。あれ三井君がレコーディングの時にちょいちょい使ってます。

三井:たまに借りてます。

海北:あのギターで録ってる曲もその後も何曲かあるからね。ちょっとあれ持ってジャジャーンってやりたい(笑)。うん。

三井:じゃあ続いては源さまの。

大岡:はーい。わたくしは…。ドーン! えー、僕のやりたい曲ですが『教会通り』『ぼくらの声の帰る場所』。やりたくない曲は『翔び魚』となっております。

三井:本日のメニューみたいだ(笑)。

一同:(笑)。

大岡:『教会通り』と『ぼくらの声の帰る場所』というのは、この偶数枚の中で1位と2位ですね。

海北:ツートップだ。

大岡:ツートップを書いてみました。やりたくない曲の『翔び魚』は、なぜやりたくないかというと三井がいないのと、鈴しかないから(笑)。

一同:(笑)。

大岡:ちなみにあの鈴も僕はやってません。

三井:じゃあ源ちゃん参加してないんだ。

大岡:でもあの鈴は俺が買った鈴です!

三井:じゃあ僕いいですか?

大岡:三井!

三井:僕のフリップ、心の清い人にしか見えないみたいになってますけど。こうなっております!

大岡:ん? 見えないですけど…。

三井:言った方が早いな。一応書いたんですけど。

大岡:なんなんだよこれは(笑)。

海北:すっげえちっちゃい。

三井:やりたい曲は『26』。なんでかっていうと数少ない盛り上がる曲だから。

大岡:その前になんで字がちっちゃいのかを教えてくんない?

三井:ちょっとね、気持ち的に大々的に書けなかったんだよね(笑)。

大岡:なんだそれ!(笑)。で、やりたくない方の曲は?

三井:これね『夢』って書いています。

一同:(笑)。

三井:これなんでかっていうと、この2日間はお願いだからギターに集中させてくれっていう(笑)。何十曲もね、昔のやってない曲とかもおそらくやるだろうから。

大岡:なるほどね。

海北:ご存じない方もいらっしゃるかと思うので説明させていただきますと、この曲三井君ベースです。

三井:僕はこの曲ではベースなんです。

海北:僕がピアノで。三井君ベースで、源ちゃんドラムって編成なんだよね、この曲。

三井:だから『夢』が入ることによって、色んなバランス崩れてくるかなあとか考えておりまして。

海北:フレットの感覚の違いとかね。

三井:だからお願いだからギターに集中させて欲しい2日間かなあと。

大岡:こ と わ り ま す 。

一同:(笑)。

海北:でも『ぼくらの声の帰る場所』なんかはブズーキだからね。

大岡:ブズーキはOKなの?

三井:ブズーキはギリバランス崩れないかな…。まあ後半ギター弾くし。

大岡:持ち直せるんだ…。

三井:そうそう。まあちょっと出来るだけ、無駄なものを頭の中でね、使ってないフォルダはいっぱい捨てていかなといけないから。そうしないとキャパオーバーしちゃうから。っていう感じですかね。

大岡:わかりました!

海北:今回はそういう意味だと源ちゃんは『きのうのこと』とベストの『あした編』。で、みっちゃんは『さぁ、旅を始めよう』と『ロスト アンド ファウンド』からと。しばらくやってなかった曲っていうと…

三井:偶数枚の方が結構あるんじゃない?

海北:三井君になってからのアルバムは今回も2作か。っていうことはみっちゃんもうアルバム半分作ってるんだな。

三井:俺今発覚したんだけど、こうやって見ると、「きのうこと」はこの間全曲ライブやったでしょ?

海北:はい。

三井:『ロスト アンド ファウンド』と『LIFE IS WONDER』は一緒に作ったわけじゃないですか。ってなると、やってない曲結構あるねって思ったんだけど。それって全部『さぁ、旅を始めよう』の曲なんだよね。

大岡:まあそうだね、言っちゃえばね。

三井:三人だからできない曲が多いっていう。

海北:それでいうとさ『車輪の下』とか最近出来るようになったし。『旅立ち前夜』もうそうだし、『告白』はまあ今でもやってるし、『鼓動』もそうだし。『まだ故郷へは帰れない』は…。

三井:やってない。アコースティックで一回やったくらいかな。

海北:そうだねえ。『まだ故郷へは帰れない』でキーになってるのはシュンスケ(渡辺シュンスケ)さんのピアノなんだよね。

大岡:そうだねえ。

海北:あれはね大変なんですよ。俺弾けない…。

三井:あれは難しいよ。

海北:『翔び魚』もやってないねえ。弾き語りのレパートリーって感じかなあ。

三井:『最後の一球』ってバンドでやったことあったっけ?

大岡:そこね俺「?」なんですよ。

海北:やってるやってる。

三井:なんか一回くらいやってる気がするんだよね。

海北:秋のQueのワンマンで3人でやってる。秋歌、冬歌とかって言って季節ごとにテーマ組んでやってた時に。

大岡:夏歌?

三井:『されど犬走る』とか『背中のバラッド』もやったことないし。

海北:『されど犬走る』はこないだふたりロストでやったか。

大岡:やったやった。

三井:弥吉さんのギターがすごく難しいんだよね。…あ、おれやったことない曲見つけた。

大岡:どれ?

三井:『やっと言えた言葉』は榎本に任せたから俺やってないんだ。そうだそうだ、やった気持ちになってた(笑)。

海北:それくらいだよね…。

三井:三人でやったことない曲がものすごい固まってる気がするね。

大岡:そうだねえ。

海北:『さぁ、旅を始めよう』って5人編成になってるけど、案外バリエーションあるもんね。全部が全部5人で作ったかって言ったらそうでもなくて。僕と弥吉さんだけとか、そこに源ちゃんと有江さんが加わったパターンとか、なんか誰かしらがいたり、いなかったりみたいな。

–:『さぁ、旅を始めよう』はこの偶数枚の作品の中で、雰囲気が一番エッジィな感じがするんですが。尖ってるというか。

海北:尖ってましたよね。前回の『時計』からの流れっていうのかな。僕自身の中でももう一回何かを掴み直さなきゃいけないような気持ちが強くて、すごくもがいていたころに作ったアルバムな気がしますよね。やっぱり榎本君っていうギタリストの存在はすごく大きかったですから。彼が辞めるってなった時、なんかいろんなものを払拭したくて、なんかこう必死になるんだけど、必死になればなるほど空回ってたりする部分も結構あって、『時計』ってアルバムをトータルで聴いてた時に、ちょっと気持ちとしてはつらくなる。それに比べて『さぁ、旅を始めよう』はなんか、ファーストアルバムとは違った意味で初心に帰れるアルバムなんですよ。「あ、やっぱバンド続けたいんだ俺は」って気分になるっていうか。

–:当時の野音ライブ観てたんですけど、海北さんに「バンド引っ張っていくぞ」みたいな印象を持ったのを覚えています。

海北:背伸びしてましたよね…、今考えると。結構精神的にはつらかったですね。つらかったんだけど、つらかったからこそ、よりLOST IN TIMEってバンドを続けられた事の感謝みたいな事を思うんですよね。自分としてはそんな作品ですね。源ちゃんなんかある?

大岡:…『ざぁ、だびをはじべよう』エビゾード?

三井:声カッスカスになってるけど(笑)。

大岡:なんだろうなあ。うーん。

三井:有江さんとか弥吉さんとか先輩ミュージシャンと一緒にやったわけでしょ?経験値としてさ。

大岡:有江さんとの出会いはデカかったすね。人としても、リズムの先輩としても。今となっては『アリゲン』やっちゃってますかねえ。演奏面でも気持ちの面でも助けられたと思います。

海北:あの時入ってくれたメンバーには本当に感謝してもしきれない部分ってありますね。本当に僕らに「バンドをやる楽しさ」っていう所に呼び戻してくれた気がしますね。恩人です。そう言えば源ちゃんの頭、T字カミソリで俺が剃ったことあったよね(笑)。モヒカンに。『旅立ち前夜』のビデオで千葉の犬吠埼まで行ってさ。すっげえ夜中に出発して。

大岡:夜明けを録りたいっていってね。でもね一個言いたいのは、何でアー写で俺だけピンボケしてんだっていう!

一同:(笑)。

大岡:なんで俺のアー写ボケてたんだ!っていうことなんですよ。

海北:本当だよね(笑)。

大岡:俺顔作ってたんだっていう!

三井:あなた根に持つねー(笑)。

大岡:あの時の一番面白い話ってこれでしょ(笑)。

海北:鉄板だよね(笑)。

三井:面白いよねえ。上からこう線でなぞりたくなるもんね。

大岡:お店に挨拶とか行って、お店の方が展開とかやってくれてるじゃん。でもみんな「これでいいのかな?」って思ったはず(笑)。で、実際挨拶に行ったときに自分で輪郭を描くっていう。目と鼻と口と。

一同:(笑)。

海北:ひとしきり書いてたよね。

三井:いい話や。

大岡:これ面白い話。

三井:今や浮いちゃってるけどねえ(笑)。

LOST IN TIME
[LIFE IS WONDERアーティスト写真]

大岡:いろいろためになりました。

–:今『さぁ、旅を始めよう』についてお話頂きましたけど、『きのうのこと』は全曲再現ライブというプレミアム感のあるライブを行い、『ロスト アンド ファウンド』からは三井さんの加入。最新作『LIFE IS WONDER』と続くのですが、印象に残ってるエピソードなどありますか?

三井:おれやっぱり『ロスト アンド ファウンド』は思い入れ強い。何故かというと前作『明日が聞こえる』から僕は一緒に作って、正直すごくうまくいった部分もあったけど、悔いが残った部分もあって、それは作品の内容とかじゃなくて、作品にするまで。自分の作ったフレーズがこういう音で鳴ってる、歌の中でこういう風に聴こえてくるっていうところのフラストレーションがすごく溜っていって、その時に出会った鳥羽さんと初めから作品を作れるっていうのが決まっていて、それはもう素敵なものにしないといけないっていう意識があったし、あとこれどうやって作っていったっけなあ。どうやったんだっけ? 事務所で作ったんだっけ?

海北:事務所で作ったのがほとんどだねえ。

三井:おれ『ひとりごと』のギターとか徹夜して作った気がするもん。

海北:録音ソフトを使えるのがその頃俺だけで。で、おれが最初録ってたんだよね。

三井:おれその頃、自分のMTRでやってたもん。

大岡:ドラムどうやったんだっけな…。

三井:『勲章と傷』と『なくしたうた』は僕の仙台の家で作ったんですよ。海北君と。

海北:そうそうそう。当時三井君って今よりもっと仙台でコンスタントにライブやってて、向こうにいる時間も多かったから。

三井:ロストってその頃そんなにライブやってたわけじゃなかったから。

海北:ちょっと曲作りたいし、環境変えたいからみっちゃん家行くわーって行って。曲作ったんですよね。

三井:面白かったよね。めちゃくちゃ時間かけた気がします。

海北:『明日が聞こえる』から『ロスト アンド ファウンド』のリリースの間隔って約2年くらいあるんですよ。おれ『ロスト アンド ファウンド』は手応えあったから、すぐ歌いに行きたいっていって、今でもやってる『一人旅』のきっかけになったんですよね。その時に事務所の当時の社長から「心意気はいいんだけど、予算ないよ」って言われて、じゃあ新幹線も飛行機も使わず出来る範囲でやりますからって提案して、「青春18きっぷと深夜バスを使えばこれぐらい予算でツアー組めます!やらせてください!」みたいな形で、鈍行使っていく旅をそこで初めてやってみたんです。鈍行と深夜バス。今は深夜バス使わないようになったけど。お金かけないで一人で回って、それこそ『ひとりごと』だったり、『ロスト アンド ファウンド』の曲をいち早く歌いますよってツアーで一人旅をやって、それがすごく好評で、これはすごく手応えがあるぞってことで、その後の弾き語りにも繋がるし、その後の本番のバンドでのレコ発ツアーも、仲間のバンドマンに協力してもらって、結構な本数を回れたんだよね。最初はシェフ(the chef cooks me)とかさ、LOSTAGEもそうだし、つばきと一緒に回りたかったんだけど、一色君の病気が発覚して、ウラニーノとだけ回るようになったりとかして。明日、照らすとも一緒になったし。すごく細かく回れて、ゴーイング(GOING UNDER GROUND)やメレンゲとも対バンあったし。

三井:俺一個思い出した。その社長がね、「三井君あのね、ブズーキの曲作ったほうがいいよ」って。「ブズーキがいいと思う」って。前に一度、スピッツカバーの『田舎の生活』っていう曲をLOST IN TIMEでやってるんですけど、僕はそれをラジオにアコースティックでゲストで出るっていう時に、榎本が弾いてたギターを、弾けるけど生放送でやったら事故るなってなって、そこでベッドの下で眠ってたブズーキをアレンジして使ってみたら社長がえらく気に入ってくれたみたいで、「あれで曲作ったらいいと思うんだよね」って作ったんだけど。

海北:それが『進む時間 止まってた自分』だよね。

三井:色んなことに挑戦したなあと思って。

海北:あと『ひとりごと』が歌始まりになったのも坂田さんのアイディア。

三井:そうそうそう。「サビから始まるといいと思う」って言ってたんだよね。

海北:「サビを最初に聴きたいなあ」ってね。うん。

大岡:『ニジノシズク』でアコギを色んな人に弾いてもらうって事もね。

三井:そう! 一番歌ってもらったりしてね。

海北:メレンゲからだっけ?

三井:クボ君(クボケンジ[メレンゲ/Vo.Gt])が歌った一番がすごいよくってね。

大岡:村上(村上友哉/明日、照らす/Vo.Gt)も弾きに来たんだよな。

三井:中村(中村維俊/THE YOUTH/Vo)っていうのもあったね。ワンマンの時にただそれだけの為に来たんだよ。

海北:それで旅が終わる直前に震災があったんだよね…。

三井:そうそう。

海北:だからこのアルバム前後で色んなことが結構変わってしまった気がしますよね。世の中もそうだし、僕らの心持ちもそうだし。

三井:あと24時間TVで変わったこともあるよね。

大岡:やっぱねCDの出来が良すぎた。これはねまた24時間TVやるしかないっていうね(笑)。海北君が弾き語り行ってる間に「出来ることは何だ? …ヒット祈願だ!」って(笑)。24時間TVやったほうがいいって。海北君をだましだまし(笑)。

海北:弾き語り行った仙台の帰りにそのまんま捕まって埼玉の奥の方にある実家で降ろされて、そこから下北まで歩いて帰ってきたからね。

大岡:ヒット祈願の苦行なんだよ。

三井:源ちゃんの胃が壊れたりね。

大岡:一週間リンゴダイエットしたり。

海北:ATATAの初ライブそれで観に行けなかったからね俺(笑)。

大岡:とかもね。そういう面白方向に走ったりね。

三井:そういうのをやりだしたのもこの時期からとかじゃない? こういう風にネットとか使ってろくでもない話したりとか今までなかったけど。

大岡:いきなり24時間やったりとかね。

三井:お客さんで結構引いてた人いたもん(笑)。海北君とか源ちゃんとか俺の関係性って、ステージ上でしか知らないわけじゃん、地を知らないから、ぱっと見海北君が俺とか源ちゃんにあーじゃないこーじゃないって言ってるのかと思いきや、いきなり120キロ歩かされてさ(笑)。

大岡:(笑)。

三井:お客さんからしたら「かわいそう!」みたいな(笑)。

一同:(笑)。

三井:え、メンバーってこんな感じなの!?って。

海北:そういうのあるね。

三井:個人的に面白かった。

海北:『ロスト アンド ファウンド』くらいの時から、割と自分たちでどういうことをやっていくのかって事を、バンド単位のセルフプロデュースがだんだんできるようになってきた気がしますよね。振り返ってみると。僕のTwitterだったりとか、源ちゃんの『アリゲン』だったりとか。今回のこの『ロストTV』もそうだけど、やっぱこう、元になっているのってこの辺の時期にある気がしない?

三井:このアルバムを境にっていうのは多いだろうね。色んなことをやってみようっていうかね。面白い方がいいんじゃね? 楽しい方がいいんじゃね?っていうパワーが一個出来た。

海北:アルバム単位で言ったらすごく暗い歌が多いっていうか。

三井:超真面目なアルバムだよね(笑)。

海北:遊び心ないもんねえ。

大岡:ずっしりしてるもん。

海北:肌触り重たいけど、そういう曲歌う人間が案外こうやって毎日を楽しんでるんだよって。俺ね『ロスト アンド ファウンド』のインタビューの時、自分で言ってて自分でいいなって思ったのが「暗い前向き」って言い方をするようになったんですよ。「明るい後ろ向き」よりも「暗い前向き」でいたいっていう。その前後くらいから、自分たちのテーマみたいなものが絞れてきてるって言うのかな、それまであっち行ったりこっち行ったり壁にぶつかったりしてたのが、LOST IN TIMEっていうバンドの道幅っていうのかな、それがようやくわかってきて。そこからど真ん中を走れるようになってきてるっていうのかな。『ロスト アンド ファウンド』はそういうアルバムのような気がします。このアルバムが出る同じくらいのタイミングで、三井君がこれ以前の曲を出来るようになったんですよ。Queの3デイズもそうだし、毎週のやつとか。ワンマンをやる機会が増えてきて、それによって選べる曲の幅が広くなった。

三井:この頃から徐々にライブが増えてきたんだね。やれる曲も増えていったしっていう感じですかね。

海北:このあたりから僕らだけじゃなくて、お客さんも変わってきた気がするんだよね。音楽との付き合い方とか。LOST IN TIMEのファンの人達が、『ロスト アンド ファウンド』のツアー以降、よりLOST IN TIMEを大切にしてくれるようになったっていうかね。なんかそんな気がすごくします。

–:お話を聞いてると、メンバー皆さんが「LOST IN TIME」という存在に対しての距離感、向き合い方が定まってきた時期なのかなって思いました。

三井:そうだと思います。

海北:うん。

三井:「任せる所は任せて」っていう風に徐々になっていったのと、あと、それぞれのやりたいことが分かるようになってきたんだと思う。

海北:さあそして『LIFE IS WONDER』なんですけど、これも本当いいアルバムだよね。

三井:個人的には「三井PC導入」ですかね。

大岡:遅えよ!(笑)。

–:Twitter開始もメンバーの中で最後でしたよね。

三井:あれ先輩にそそのかされたんです(笑)。

大岡:三井は機械と方向に音痴なんです。

一同:(笑)。

海北:音楽に携わらないところでめちゃめちゃ音痴です。

三井:もうちょっとこう『ロスト アンド ファウンド』よりも純度の高いものを作ってみたかったっていうのが僕一個あって。よりアーティスティックなものを作ってみたかったのと、もっとギターに向き合った音楽、アレンジをしてみたかったっていうのと、あとまあ、僕のじいちゃんの家で作ったっていうのがデカいのかな(笑)。

大岡:また合宿したんだよね。

海北:秋田でね。合宿スタジオを借りるっていうんじゃなくて、なんかないかなって言ってたら、みっちゃんが「じいちゃん家に音楽室あるよ」って話で。

三井:単純に僕が帰りたかったんですよ、秋田に(笑)。

海北:里帰りも兼ねてね。みっちゃん家で食べたいぶりがっこ、うまかったなあ。

三井:LOST IN TIMEの音楽って南向きの感じがあまりしないというか、基本的にはパーティバンドじゃないから、北国の人の方が好いてくれる感じしてて。

海北:それはそうだねえ。

三井:秋田ってすごい曇ってるんですよ。いつも。感覚的になんですけど、そういう感じが曲作る環境的にも合うのかなあっていうのがあったんですけどね。まあ、単純に帰りたかったんですけど(笑)。気分転換として、今のLOST IN TIMEの曲の作り方ってセッション以外だとPCがあれば作れるから、気分だけ変えたかったっていうか。

大岡:部屋をね。

三井:そう。

–:システムはどこでも持ち込めるからってことですね。

三井:そうそう。源ちゃんもちっちゃいドラム持っていってたよね。

大岡:カホンもね。

海北:俺が昼間ずっと歌詞考えて、メロディとかもなんとなく作って、俺朝型人間なので、夜は早寝なんですよ。そこから源ちゃんとみっちゃんは夜通しアルペジオのパターンとか、リズムの組み合わせの話とかずーっと二人でやってて。で俺が朝起きると、キッチンでキングが朝ごはんの支度してて(笑)。

大岡:母さんやん(笑)。

海北:みっちゃんのお父さんがカレーをすごい寸胴で大量に作ってくれてて。それを毎朝源ちゃんの口元に運んで、何秒で食うかを計測するっていう(笑)。

三井:それ見ながらバカだねーって(笑)。

一同:(笑)。

海北:最後らへん食うのすごい早かったよね。

三井:まあだから『LIFE IS WONDER』でいうと、個人的には人とコラボして作ったのが多かったのかなあって。『五月の桜』とか。

海北:『(   )トラスト オーバー サーティー』で一色君と一曲作ったのが一個きっかけになったなあ。

三井:和奏君(小田和奏[ex.No Regret Life/Vo)とか、小高君(小高芳太朗[LUNKHEAD/Vo])とか中村とか。

海北:いやー本当それぞれに個性が出てて。いいよねえ。

三井:うん。どれも気に入ってるな。

海北:『歩く速度とその矛盾』の歌詞とかは小高君じゃなきゃ書けない。強い言葉たくさん並んでるし。『VTR』は鼻歌みたいなデモが届いて、「どうしよっか…」ってなって、結構大変だったんだよね。

三井:デモってこれくらいのデモか!っていう(笑)。

大岡:こらこらやめなさいよ(笑)。

三井:それってさ、ここからどうしていこうっていう第一弾なわけで、でもそれって人によって違うじゃん。

海北:それぞれのやり方があるからね。

三井:完璧な状態でこれこのままCDにしたら?っていう人もいるし。

海北:小高君ってそういう感じだったよね。

三井:打ち込んできてたもんね。

海北:ガッツリね。俺の弾き語りの歌にドラムとかギターとかが完璧に入ってた。

三井:一色君のもほぼほぼ出来上がってた状態だったし。

海北:デモテープっぽい形で届けてくれてね。中村君はそういう意味では弾き語りの状態で、ガーンッっとしたやつが。

三井:すんごい歌ってたもんね(笑)。

海北:一番の歌詞があったから、それにそのまんま乗っかる形で中村君の弾き語りだった。だから俺らの振り方もふわっとしてるんだよね(笑)。

大岡:そうそう

三井:でもそれで、新しいアレンジに挑戦できたかなあって思ってて。すごい楽しかった。

–:新しい要素が入ってくると新鮮な気持ちにもなりますよね。

大岡:気持ちよかったね。

三井:なんかそういうバンドだよね。なんだかんだアレンジもそうだし。海北君の歌詞も言葉に引っ張られると変わってくるし。そういうのすごいいいなって思う。意固地になって譲らないみたいな所で、ケンカしちゃうというよりはお互い任せられる部分は任せて、後は必要に応じて変えていくっていうことが普通に出来るようになってきた。

海北:『LIFE IS WONDER』の中で俺のデモテープのまんまで進んだのって『誰そ彼』だよね。

三井:『誰そ彼』はデモテープが良かったから。ちょっと味付けしたくらいすね。

海北:アレンジも割とそのままで。あれ秋田の時に俺だけひとりで布団でうずくまる形でPC開いて、うーうー言いながら、メロディとコード進行の状態でこんなのどうかなあって聴かせても、みんなのリアクションが結構薄くて…。ちゃんと作ろうって家に持って帰って、ある程度自分でギターとベース入れて、「こんな感じでどう?」って聴いてもらったら「いいじゃんこれ」ってなってよかった。

–:バンドがどんどん柔軟になっていってるのが感じられますね。

海北:三井君が言った通りで、『ロスト アンド ファウンド』に比べると、よりアーティスティックっていうか。…僕、アーティストって言い方苦手で、そんな高尚なものじゃないんすよ。音楽って。もっとこう生活に根差したものだし、日常の中のもの。日常からかけ離れたものというよりは、衣食住に並んで『音』であるような。それくらい身近なものであればいいなっていう。でもこの『LIFE IS WONDER』という作品に関しては、3人それぞれ、自分が持ってる美学っていうものをすごく大事に作れたアルバムなのかなって思います。

三井:そうだねえ。本当にこれでいいのか本当にこれでいいのかって向き合って、何回も吟味して音を一個一個積んでいったって感じだよね。

海北:ギターにしてもドラムにしても歌やベース、歌詞にしても、ギミックじゃないけど裏テーマだったり、そこまで伝わんなくていいかなって思いながら、でも伝わったら嬉しいなっていう、深い思いみたいなものを結構詰め込めてる気がして。

三井:でもそうなったおかげで、レコーディング終わった後に、じゃあこれライブでどうしようってなったよね(笑)。

海北:確かにねー。ここから同期をライブで鳴らすのにも抵抗がなくなってきたね。

三井:やれることは人力でやろうって所とのバランスは気にした。

海北:改めてだけど『遠すぎた橋』ってすごいタイトルだよね(笑)。最初源ちゃんに「絵画か!」って笑われたもん。

大岡:『遠すぎた橋』って絵画でありそうじゃない? ちょっと曇りでさ。秋田で書きましたみたいな。

三井:これもすごいアレンジだったよね。でもあれ作った時に秋田っぽいって思った。

大岡:仮タイトルは『THE 秋田ソング1』だったからね。

一同:(笑)。

海北:俺そのタイトル知らなかった(笑)。

大岡:勝手につけた(笑)。

海北:『あこたとらのしはい』とかね、『あたらしいことのは』って言葉をアナグラムで、一個ずつ飛ばしで、配置を変えてやってみたんだけど、新しい言葉とか新しいものって最初意味わかんないんすよ。意味が分かんないから、でも自分の中の感情とかって言葉に出来るかって言ったらやっぱり無理があって。その感情を新しい言葉で表現できたらいいんだけど、じゃあ新しい言葉ってそもそもが新しいから、みんなと共有できるものじゃなくて、どこにも伝わんないっていう矛盾も生まれてっていう。そういう意味でも改めて『LIFE IS WONDER』の歌詞は読んでもらいたいかも。

三井:中村が作った『五月の桜』の2番は海北君に届くまでに、何度も何度も僕と源ちゃんでね。

海北:添削してたもんね(笑)。

三井:何度も何度も(笑)。中村に「こここういうんじゃない、これ違う」ってやり取りして、これなら見せてもいいかなっていう所を海北君に見せて、で海北君がちょっと直して出来上がったみたいなね。

–:描きたい景色みたいなものあるからこそ、トライアンドエラーを繰り返すみたいな?

三井:そうそう。あと海北君と中村の作風があまりにも違うんですよ。ここに机があるじゃないですか。中村って「これは机だーっ!」って歌う人なんですよ(笑)。その作風と1番の歌詞の主人公との折り合いあるし、でも中村っぽさもあるし。

海北:中村君も僕も選ぶ言葉自体はすごいシンプルなんですよ。中村君が「これは机だ」って歌うとしたら、俺は「イスじゃない」って歌うんですよ。小高君だったらもっと強い言葉選ぶだろうし、一色君はちょっと斜に構えた感じで文字数が増える感じというか。そういう個性のある人たちが今も身近に、同世代がいてくれるっていうのもすごくありがたいなって再確認したアルバムですね。『LIFE IS WONDER』作って一つ出来たなって部分と、出来なかったな、これからどうしようかなって部分があくまでヴィジョンとしてそれぞれが強調されたアルバムで。それぞれを持ちながら、一個の緩い共通項っていうのを今後作品の中に作って、もうちょっと大事に作っていきたいなあって今思います。今作ってる、録り始めてる曲とかはそこらへんんがうまく噛み合い始めてるかなっていう。

—————————————————————————

–:アルバムごとに様々な方が関わってくれているんですが、Que2デイズでもゲストを招いていたりするんでしょうか?

海北:『きのうのこと』の再現ライブで榎本君に出てもらったのもあるので、誰か出てもらうのもありだよね。

三井:冒頭に海北君エレキギター弾きたい言っちゃってるからね。キングブラザーズみたいな感じになっちゃうよ(笑)。

大岡:そのためには!っていうところでね、交渉人大岡源一郎が電話を今からしたいと思いますよ!まずは海北君もエレキギター弾きたい言ってますので…。

三井:源ちゃんのパパ!

大岡:そうそうウチのすみお…。

一同:(笑)。

三井:ベース弾けたんだ。

大岡:弾けねえよ!(笑)。僕らの心の師匠…有江兄さんに今から電話したいと思います!

– 電話中 –

大岡:あ、ありがとうございます! また電話します! 有江さん出てくれるそうです! 決定しました!! 2日目の方ですね。

海北:初日はどうしようかー。

大岡:やっぱり初日も欲しいとこですよね。

三井:ようこようこ。

大岡:それウチの母ちゃんじゃねえか! うちの母ちゃんに電話していいの?

三井:いいよー(笑)。

大岡:クラシックギター習ってたらしいよ。

三井:本当!?

大岡:初代ギターの武将に電話したいと思います! たけちゃん!

– 電話中 –

大岡:決定しましたーーーっ!これで二人とも出演OKということで。一日目には武将君、二日目には有江さんのゲスト出演が決定しましたのでみなさん
是非観に来てください! これはもういい日になっちゃうね!

海北:確定!

三井:奇跡も偶然も兼ね備えたね。

大岡:いいこと言う!

–:ゲストも決定したということで、2デイズに向けて進んでいってますね。お客さんにとって奇数枚、偶数枚のアルバムに触れ合えるライブになると共に、先程も少しお話にありました新曲の事も気になるのではないかと思いますが、いかがですかね?お披露目とか。

海北:リキッドルームで約束しちゃいましたからねえ。2デイズそれぞれで新曲やろうかな。言った以上はやります。…やると思います(笑)。でも今実際に新しい曲作っているので、さっき『LIFE IS WONDER』についての話の続きになるんですけど、それぞれの部分と共有する部分っていうもののピントを合わせて、同じ方向をみんなで見られるような形の作品を今後作っていきたいと今、大まかな構想があって、その中でバンドとして手掛けてる曲っていうのがあったりして、それをどんどん具体的にステージで歌えるようにするっていう準備も今していて。おそらく、Que2デイズそれぞれの日に新曲をお披露目できるんじゃないかなあと考えています。

–:期待値も高まりますね。ではインタビューも締めに入らさせていただきます。CLUB Que2デイズに向けて意気込みというかコメントをお願いします。

三井:LOST IN TIMEを始めてきて、大体こういう新曲を披露したりとか、やってない曲をやったりとかっていうのは僕の個人的な思いなんですけどQueが多いと思うんですよ。そういう思い出がものすごくあって。仙台に住んでる時から、ことごとくQueなんだよね。そういうことを思いながら、それを観てくれたお客さんが嬉しそうな顔してくれたりっていうのが常に印象として持ってるんです。最近はそんなにQueで毎月ライブやるような感じでもないんですけど、本当にそのイメージが強くて、今回もそのイメージのままで、でもそのイメージを自分で超えられるように、当時に比べるとアンサンブルもタフになってるし、やれることも増えてきてるし、出来る限り今の自然体のまま良いライブに出来たらいいなあって思います。

大岡:すごいちゃんとしてるね(笑)。ゲストも決まったし、新曲もやると言いましたし、みなさんに損はさせません! いい夜にするから絶対来てください!

海北:じゃあ最後に僕から。LOST IN TIMEがいよいよちゃんと「バンド」になって、結構な時間を経てこの三人で鳴らす音、三人だけじゃなくて、今のチームでやれてること、『これからのLOST IN TIME』っていうものをこれまでの曲を通じて、どうなっていくんだろうなっていうものを感じ取ってもらえる2デイズに出来るような気がしているので、すげー楽しみにしていてもらえれば嬉しいのと、最近常日頃言ってるんですけど、LOST IN TIMEのライブ良いです。きっとその楽しみにしていた気持ち以上に色んな感情を持って帰ってもらえる二日間になるんじゃないかなと思っています。ご期待ください。

–:今日はありがとうございました。

海北&大岡&三井:ありがとうございました!


【公演情報】
2014.10.25(SAT) @下北沢CLUB Que
“CLUB Que 20th記念 2DAYS series『OPERATION Que HATACHI』” LOST IN TIME presents「その奇跡」

2014.10.26(SUN) @下北沢CLUB Que
“CLUB Que 20th記念 2DAYS series『OPERATION Que HATACHI』” LOST IN TIME presents「その偶然」

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