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【UKP OFFICIAL LIVE REPORT】UKFC on the Road 2015 DAY-1@新木場STUDIO COAST オフィシャルライブレポート

 UK.PROJECTのレーベル部門とプロダクション部門のオールスターが一同に会する真夏の恒例イベント「UKFC on the Road 2015」。今年も8月18日、19日の2日間、東京・新木場STUDIO COASTにて盛大に開催された。
 2011年からスタートしたUKFCも5年目を迎えた今年、2015年。「交流と発展」をテーマとし、
リリース歴や所属に拘らず、「尊敬する先輩」と「気鋭の超新星」を広く外から招き、今までのUKFCにはなかった多彩なラインナップで世間を驚かせた。
 ジャンルも所属も、何物にもとらわれず、同じステージで「家族」になってしまうアットホームさ。しかし慣れ合うのではなく、「仲間」としてぶつかり合い、高め合う緊張感。それらが絶妙なバランスで共存することこそ、UKFC最大の魅力。今年もきっと、皆様の素晴らしい夏の思い出になったのではないだろうか。
 今回は、そんな熱狂の2日間の全ライブアクトを、オフィシャルライブレポートとしてお届けする。
※DAY-2ページのラストにはプレゼント企画も用意されているので、どうぞ最後までお見逃しなく!※応募期間は終了致しました。

 

[8/18:FRONTIER STAGE テキスト:柴那典 / 撮影:AZUSA TAKADA/FUTURE STAGE :テキスト:兵庫慎司 / 撮影:Yuki Kawamoto]

【FRONTIER STAGE】
TOTALFATモーサム2

MARMOZETSノベンバ

ストレイテナー[A]

【FUTURE STAGE】
ASOBIUSDATS

PELICAN-FANCLUBCettia

ロスト

 

《TOTALFAT》

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「UKFC!」「トップバッターTOTALFAT、派手にいかせてもらいます!」

SEをバックにステージに登場した4人を大歓声が迎え入れ、JoseとShunのシャウトに沢山の拳が応える。5年目を迎えたUKFC、2日間の幕開けを飾るのはTOTALFATだ。

昨年には2日間の大トリを飾りドラマティックなステージを見せた彼らだが、今年はキックスターターとしての登場。キッズも準備は万端だ。1曲目「Place to Try」で一気にフロアに火がつく。そして続く「夏のトカゲ」でテンションはさらに沸騰。曲のミドルセクションでは祭り囃子のビートに乗せて全員がタオルをグルグルと回す壮観の光景も生まれる。

「去年は大トリをかざり、今年はトップバッターに戻ってきました。俺らがやることはお前らを死ぬ気で楽しませることです」

Shunがそう告げ、スペシャルゲストをステージに呼びこむ。[Alexandros]の川上洋平だ! 披露するのはLimp Bizkitのカバー「Rollin’」。TOTALFATがミクスチャーロックの重量感ある横ノリのグルーヴで沸かすのも、タンクトップにキャップというスタイルの川上洋平が完璧な西海岸ラッパーのスタイルでフロウをかますのも、かなりレア! UKFCでしか見られないスペシャルなセッションだ。

続いては去年に続きthe telephonesの長島涼平がスペシャルゲストに登場! 「PARTY PARTY」は、Joseがギターに持ち替え、Shunがハンドマイクに徹して、ステージ中を走り回ってプレイ。長島涼平も溶け込んでいる、というより、もはや完全に「5人バンド」としての佇まいだ。“ドッキリ”として最後のキメをやり直させたりもしつつ、完璧に息のあったプレイを見せてくれた。

「3年前にUKプロジェクトという最高のチームに入らせてもらって。初年度はルーキーとして熱く迎え入れてもらえました。去年はここにいるのが俺たちの家族なんだって確信を持てた日でした。そして今年は特攻隊長として先陣を切るためにここに立ってます。みんなが楽しめるように、いろんな壁をぶち壊していくからさ!」

とShunが語り、ラストはニューアルバムからの「Walls」、そして「This Life」。パンキッシュなサウンドの裏側にある熱く真っ直ぐな思いを届けて、終演。アルバムをリリースしたばかりの彼らだが、秋にはツアーに加えてさらなる新曲のリリースも予定しているという。止まることのないバンドの勢いを感じさせるステージだった。

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【SET LIST】

‪ 1.Place ‪ to Try

2.夏のトカゲ

3.Rollin’(Limp Bizkit Cover)

http://4.PARTY  PARTY

5.Walls

6.This Life

 

《asobius》

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2年前=2013年のデビュー以来、着実に歩みを進め、今年2月リリースのシングル“window”が「い・ろ・は・す」のCMソングに起用されるなど、まさに今階段を駆け上がっている真っ最中のasobius、UKFC1日目、FUTURE STAGEのトップに登場。

サウンドチェックの時から、オーディエンスにあいさつしたりあおったりしていた甲斐一斗(Vo)が第一声で「できたての新曲を持ってきました!」と宣言、“fireflower”でライヴをスタートさせる。ミリ単位の繊細さと「一瞬にしてクラッシュ」みたいな豪快さが同居するギター・サウンドにのって、叙情的でドラマチックなメロディがサビでどこまでも飛翔していくような、つまりこのバンドの「強いところ」「いいところ」を結晶化したみたいな曲。曲終わりに「話をきいてくれてありがとう」というひとことをはさみ、2曲目“window”へ。まるで全身で歌うみたいに大きなアクションと共にひと声ひと声を放っていく甲斐にあおられ、フロアのあちこちで腕が振り上げられる。その腕の数は、次の軽快なビートの“love of blue”で、さらに増えていく。

フロアにハンドクラップをうながし、それが最大ボリュームに達したところで、「1,2,1,2,3,4!」というカウントと共に“starlight(short ver,)”に突入。抑揚の効いたバンド・サウンドを従え、指揮棒を左手に持ち替えつつ、自由自在に己の声を操る甲斐、間奏で「いつかこの場所をワンマンで埋めて、今ここにいるみんなとまた会ったら、最高じゃないですか! 踊りましょう!」と叫ぶ。フロア、歓声で応える。

シメは耳にぐっさり刺さっていくギターのリフ……というか「ギターによるメロディ」と言った方が的確か。とにかく印象的なイントロで始まる“大停電の夜”。甲斐がAメロを歌いだすと同時に大きなハンドクラップが巻き起こる。どの曲もどのメロディもどのプレイも、つまりどの瞬間も「今ここですべてを伝えたい」という切迫感と、それゆえのせつなさに満ちていた。

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【SET LIST】

1.fireflower

2.window

3.love  of blue

4.starlight(short ver)

5.大停電の夜に

 

《MO’SOME TONEBENDER》

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平日の真っ昼間からお祭り騒ぎのUKFC2015、フロンティアステージの二番手に登場したのは「頭のネジの外れた男たち」MO’SOME TONEBENDERだ。今日の出演陣の中では最年長となる彼らだが、そんなことを微塵も感じさせないほどの攻撃的なステージを見せてくれた。

「ハロー! UKFC!」と百々和宏がシャウトし、武井靖典は「祭」と書かれた巨大な団扇をかかげ、坊主頭にサングラスで真っ赤なジャケットを羽織った奇抜&ド派手なファッションで登場。そのまま一曲目の「FEEVEER」は武井がハンドマイクで煽りまくり、ステージを飛び回ってプレイ。続いては今年4月にリリースされたアルバム『Rise from HELL』から「トーキョーロスト」「メタルボーイ」と重量感あるラウドなロックンロールを披露。そのままブチ切れるようなテンションの「ロッキンルーラ」をぶっ放す。

と、前半は百戦錬磨のバンドならではのラウドで骨太なロックンロールを見せてきた彼らだが、後半は一転。藤田勇がギターからキーボードに持ち替え、今度は四つ打ちのビートにエレクトロニックなフレーズが飛び交うダンスナンバー「nuts」を披露する。8月5日にリリースされたばかりの『Ride into HEAVEN』収録曲。そして藤田がキーボードを抱えたまま「未来は今」へとつなげる。

ストレートなバンド・サウンドを中心とした「地獄盤」『Rise from HELL』、高揚感あふれるエレクトロニックなナンバーを集めた「天国盤」『Ride into HEAVEN』という2枚のアルバムをリリースした2015年のMO’SOME TONEBENDER。今日のステージはまさに地獄から天国へと駆け上がるようなセットだ。

MCでは「二つ覚えて帰ってください。10・9、11・15」と武井がツアー初日と最終日の日付を告げ、そしてラストは「GREEN & GOLD」。今度は藤田勇がドラムセットに向かい、サポートドラムの水野雅昭のツインドラム体制に。二人が野生的なビートを叩き出すと、ギターとベースは目のくらむような轟音を響かせる。百々はハイトーンのシャウトを繰り広げ、ラストはドラム乱れ打ち。超強力なサイケデリック・ロックンロールでしめくくった。

「またね!」と一声かけてステージを去った彼ら。おそらく初めて観た人は軒並みぶっ飛ばされたんじゃないだろうか。圧倒的なステージだった。

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【SET LIST】

1.FEEVEER

2.トーキョーロスト

3.メタルボーイ

4.ロッキンルーラ

5.nuts

6.未来は今

‪7.GREEN  & GOLD

 

《DATS》

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結成からわずか2年、今年6月3日に初のEP『DIVE』をUKプロジェクトからリリースしたばかりの新鋭DATS、FUTURE STAGEの2番手としてステージに立つ。

両手を広げた杉本亘(Vo&g)のひとこと「We are DATS! Here we go!」で、“Goodbye”からライヴはスタート。続いて“Paintng”、杉本のテレキャスターと早川知輝(g)のジャズマスター、陶酔感と覚醒感を同時に呼び覚ますような2本のギターの響きの上を、ぶっきらぼうだが力強い歌メロが転がっていく。3曲目は同期トラックを使った四つ打ちの“Heartbeat”。オーディエンスの大半が初見だったようで、フロア、全体的に「どんなバンドなんだかチェックしてやろう」という空気だったが、この曲あたりからあちこちで身体を揺らす姿が見られるようになり、間奏ではハンドクラップが起こる。次もダンス・ビートの“Six feet under”。「バンド+四つ打ち」というよりも「生のループするトラックに歌がのってる」みたいな始まり方をし、Bメロ→サビで一気に温度が跳ね上がるこの曲は、「ロック・バンドがやる四つ打ち」の定形っちゃあ定形だが、それだけではない新しさもはらんでいる気がする、何か。

杉本、「改めまして、DATSと申します。今日は観に来てくれてありがとう。今日から毎回ライヴでみんなの写真を録ろうっていうことになって。なかなかこういう機会もないから、みんな手を挙げて写真を撮りましょう」と呼びかけ、フロアを背にし、明日出演するHelsinki Lambda Clubの佐久間公平(g&vo)がドラムセット後方に立ってシャッターを押す。

そして「あと2曲です」と、さらにダンス・ビート押しで“Someboy”へ突入、続く最後の曲は“Candy girl”。このラスト2曲で、リズムとメロディの熱がグラデーションを描くように高まっていき、それに呼応して身体を揺らすオーディエンスの数も増えていく。それも、前からだんだん順に増えていきます、みたいな整然とした感じじゃなくて、「フロア下手のまんなかへん」「右端」「センター後方」みたいに、てんでバラバラに飛び火していくように増えていったそのさまが、このバンドの、というかダンス・ミュージックというもの自体の自由さを表しているようで、何かおもしろかった。

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【SET LIST】
1.Goodbye
2.Painting
3.Heartbeat
4.Six feet under
5.Someboy
6.Candy girl

 

《Marmozets》
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UKFC on the Road 2015、3組目に登場したのはMarmozets。イギリス出身、紅一点ヴォーカルBeccaを擁するラウドロック5人組だ。

デビューアルバム『The Weird And Wonderful Marmozets』を7月にリリースしたばかりで、サマーソニックとUKFCへの出演が初来日となる彼ら。オープニングの挨拶でUKプロジェクト遠藤社長も言っていたが、これまでファミリー感にこだわってきた「UKFC on the Road 2015」にとっても、イギリスのラウドロックの新鋭をラインナップに加えるのは新たな試みと言える。いわば「新たな音楽との出会い」を期したブッキング。そして、それはちゃんと実を結んでいた。

開演前にはTOTALFATのShunが登場し「ここにいる大多数は普段から邦楽のバンドを観てる人が多いと思うけれど、俺らは日本のバンドと日本のお客さんがどれだけ熱いかを彼らに見せたいんだ!」と告げて、5人をステージに呼びこむ。

そしてステージは「MOVE SHAKE HIDE」からスタート。芯の太いドラムとベース、強烈な2本のギターに乗せ、Beccaが髪を振り乱し激情のシャウトを繰り広げる。迫力満点だ。フロアを満杯にしたオーディエンスもそのパワフルなパフォーマンスに全力で応える。「アメイジング!」とBeccaもMCで叫ぶ盛り上がりだ。

中盤は疾走感あるビートから横ノリのヘヴィネスへと、自在とグルーヴを乗りこなす「WEIRD AND WONDERFUL」。スクリーモやポスト・ハードコアを吸収した激烈なテンション、アット・ザ・ドライブインやマーズ・ヴォルタあたりにも通じるプログレッシブな曲調を魅せる。

「CAPTIVATE YOU」ではハンドクラップを誘い、「PARTICLE」では後半になだれ込んだブラック・サバス「アイアン・マン」の爆音リフでフロアを揺らすなど、オーディエンスを巻き込むパフォーマンスも巧みな彼ら。「HIT THE WAVE(RIVV)ではBeccaがフロアに降りてオーディエンスのど真ん中へ、ヘッドバンギングする彼女を囲むヘドバンの大きな輪ができるという光景も生まれた。

「すぐに日本に戻ってくるから!」と告げ、ラストは「WHY DO YOU HATE ME」。ストーナー・ロックのうねるリフを繰り出しBeccaが再びダイブ。フロアの全員を巻き込む堂々たるパフォーマンスで、大歓声を浴びステージを去った。

これまで、様々なフェスやイベントで「日本のロック中心のラインナップにアメリカやイギリスのバンドが混ざっても、なかなか盛り上がらない」――という事例は多くあった。でも、今回のUKFC on the Road 2015へのMarmozetsの出演は全くそれには当たらなかった。彼らの有無を言わせないパワフルなステージングも、その大きな理由の一つだと思う。

 

大袈裟に言えば、一つの壁が壊れた瞬間だった、のではないだろうか。

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【SET LIST】

1.MOVE SHAKE HIDE

2.IS IT HORRIBLE

3.WEIRD AND WONDERFUL

4.CAPTIVATE YOU

5.PARTICLE(IRONING MAN)

6.HIT THE WAVE(RIVV)

7.WHY DO YOU HATE ME

 

《PELICAN FANCLUB》

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4ADや初期クリエイションなどのUKギターバンド直系、歌を日本語に置き換えた以外は、影響を受けたものをただそのまま鳴らしているだけ──のはずなのに、そこで自分たちというフィルターを通ったことによって、そのまんまではなくなることがある。自分の色を出そうとしたんじゃなくて「出ちゃった」感じで、ルーツが何かははっきり感じられるんだけど、そのルーツとは異なる角度を持った、オリジナルな音楽になることがある。結成3年、8月5日にUKプロジェクト内のDAIZAWA RECORDSから2枚目のミニアルバム『PELICAN FANCLUB』をリリースしたばかりの4人編成のギター・バンド=PELICAN FANCLUBは、まさにそれだと思う。なんでそうなるのか。フロントマンのエンドウアンリ(Gt&Vo)という男に、言いたいことが、表したいものが、伝えたいことがありすぎるからだと思う。

ということを立証するような、このUKFC『FUTURE STAGE』でのステージだった。もちろん、このイベントには初出演。『PELICAN FANCLUB』の1曲目“Chilico”でスタートし、同アルバム収録の“プラモデル”や“Dali”、そしてそれ以前の曲である“Capsule Hotel”(昨年10月にタワーレコード限定で出した100円シングル)などを経て、1枚目のミニアルバム『ANALOG』収録の“1992”でしめくくった全6曲。

歌も演奏もアレンジも含めて、まだ未完成なところも多いバンドだと思ったが、それを補ってあまりある、いやあまりありすぎるくらいの、「えっ今なんて歌った?」「今のギター何?」「そのメロディどういうこと!?」みたいな強い強い吸引力を持っている、どの曲も。つっ立って観ているだけで特に盛り上がっていない、でもライヴが終わるまで誰も出て行かなかったフロアの様子が、そんな、このバンドの魅力を表していたと思う。

あと、MCもまだつたなくて、『PELICAN FANCLUB』の告知をするのにもちょっと苦労していたが、そこはべつに、今後もうまくならなくてもいいと思います。しゃべるのが仕事じゃないし、たとえうまくしゃべれなくても、曲自体が本当に雄弁に、いろんなことを物語っていたし。

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【SET LIST】
1.Chilico
2.プラモデル
3.Dali
4.Capsule Hotel
5.Telepath Telepath
6.1992

 

《THE NOVEMBERS》
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ラウドな演奏と激しいパフォーマンスでオーディエンスを盛り上げるバンド達が競演を見せてきたUKFC on the Road 2015のFRONTIER STAGEだが、彼らは一味違う。時にスローに、時にサイケデリックに、でも常に強い意志の力を持って聴き手を別世界に連れていくバンド。4番手に登場したのは、THE NOVEMBERSだ。

かつて所属していたUKプロジェクトを離れ、2013年10月に自主レーベル「MERZ」を立ち上げ独立した彼ら。初回の2011年から参加してきたUKFCにも、2年ぶりの登場となる。旧友たちとの久々の再会となった場所でバンドが見せたのは、前進を続けるバンドの旺盛な表現欲求だった。

ライブは「Romancé」からスタート。ミラーボールが光る陶酔感ある空間を創りだし、続いては「Misstopia」へ。フロアを埋めるオーディエンスはじっとそれに聴き惚れている。ディレイとループ・マシーンで不思議な余韻を作り出し、小林祐介が「ただいま」と告げて、新曲へ。真っ直ぐなビートとクリアなメロディを持った、彼らの中でもポップなきらめきのあるナンバーだ。

「家出息子が帰ってきたぜ」と、MCで小林祐介は語る。「今でこそ思うんだけれど、UKプロジェクトが一つの家族だとしたら僕らは大人しいくせに問題児だったのかもしれない。内弁慶だったのにひねくれ者だったところがあって」と振り返り、「今日こうやって、家族で集まれたのは光栄だと思っています」と続ける。

「半径1m以内に親しみをこめて、おたがい楽しみましょう」とオーディエンスに呼びかけ、続くは「鉄の夢」へ。自主レーベルからの初作品となったアルバム『zeitgeist』収録の、インダストリアルなリフ、緊迫感をあおるシャウトが突き刺さる、アグレッシブな一曲だ。さらに「Blood Music.1985」と、最新作『Rhapsody in beauty』からのヒリヒリしたスリリングなナンバーを続ける。ケンゴマツモトは激しく髪を振り乱し、高松浩史は身をよじらせ、吉木諒祐も獰猛なドラムのプレイを見せる。そして小林祐介は轟音を切り裂くような歌を響かせる。

ラストは「Xeno」。優しく繊細なメロディを歌う静かなバラードも大きな魅力の彼らだが、今回のUKFCへの出演ではそちらをあえて封印。ビリビリと感電しそうなバンドサウンドを立て続けに鳴らしてクライマックスへと駆け上がっていくような展開を見せ、ライブを締めくくった。

11月2日には、バンド結成10周年を記念した全国ツアー「TOUR – Honeymoon -」の初日で再びここ新木場STUDIO COASTに立つ彼ら。巨大な鋼の塊のような轟音を鳴らしきって去っていった4人を、沢山の拍手と歓声が祝福していた。

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【SET LIST】

1.Romancé

2.Misstopia

3.新曲

4.鉄の夢

5.Blood Music.1985

6.Xeno

 

《Cettia》

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2013年に大阪にて弾き語りでライヴ活動を開始、昨年UKプロジェクト主催のオーデイション『Evolution! Generation! Situation!』で特別賞を受賞し、昨年のこの『UKFC』に出演。今年2月にはRX-RECORDSからmasasucksプロデュースによるデビューミニアルバム『he(a)re』をリリースした大阪出身の18歳女子、Cettia。この4月に高校を卒業し、東京に出てきたそう。今日のこの自身2回目の『UKFC』には、ギターはLAST ALLIANCEの佐野森吾、ベースはハカイハヤブサのMoby、ドラムは大阪時代からの仲間であるピクミン、という布陣で、FUTURE STAGEに上がった。

1曲目、ひとりアカペラで“スワロウ”を歌いだし、それに各楽器が寄り添っていってスタート、続いて“スピレイ”へと、儚く、せつなく、しかしまっすぐに届く声を響かせていく。オーディエンスへのあいさつのあと、「今年の秋に出るシングルの中から、新曲をやります。私の故郷、帰る場所を思い浮かべて書いた曲です。ぜひあなたの帰る場所を思い浮かべて聴いて下さい」という言葉から“ララバイグッバイ”を披露。1曲ごとに、オーディエンスの歌への集中力が上がっていくさまが目に見えるような気がする。

歌い終えると「ここでスペシャルゲストを呼びたいと思います」と、LOST IN TIMEの大岡源一郎を呼びこむ。2月のレコ発ツアーの時のドラムを叩いてもらった縁があり、今日は同じ日にLOST IN TIMEが出るので1曲お願いしたとのことで、彼のドラムで“SOAR”を歌う。

そしてメンバーがはけ、彼女だけが残る。「最後は、ひとりでアコースティックギターで歌って、ステージを下りたいと思います。1年後にこうしてスタジオコーストに帰ってきて、みなさんと会えてうれしいです」「うれしいことも悲しいこともたくさんあって、色々あると思うんですけど、その中で今日みたいな楽しい日がきらきらした光みたいにあって、その光の中に私もまぜてもらえたら、うれしいなと思います」「これからも歌い続けますので……最後に心をこめて歌いたいと思います」という真摯な言葉に続いて歌われたのは、“escha”。その瞬間の心の形を、そのままストレートに言葉とメロディにしたような歌にじいっと聴き入っていたオーディエンスは、歌い終えて「ありがとう、Cettiaでした」と深く長くお辞儀する彼女に、大きな拍手を贈った。

 

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【SET LIST】
1.スワロウ
2.スピレイ
3.ララバイグッバイ
4.SOAR
5.escha

 

《ストレイテナー》
ストレイテナー

5年目を迎えるUKFC on the Roadには初登場のストレイテナー。でも、オープニングの挨拶でUKプロジェクト遠藤社長が「長いこと友達だった」と語ったように、UKFCのお客さんにも出演者たちにも馴染みのバンドだ。UKプロジェクトのマネージメントやレーベルに所属する“ファミリー”ではないけれど、同じ時代とバンドシーンの熱を共有する“仲間”としてこの日のラインナップに加わった彼らは、いわば今年のUKFCの新たな一歩を象徴するバンド。彼らが見せてくれたのは、そんな思いに100%応える好演だった。

セットチェンジ時のサウンドチェックから歓声が沸き上がり、「From Noon Till Dawn」でオーディエンスをぐっと掴むと「The World Record」のファンキーなグルーヴで踊らせる。ナカヤマシンペイのドラムと日向秀和のベースが、しなやかでタフな“うねり”を生み出す。ホリエアツシと大山純の2本のギターが絡み合い、スケール感ある歌が響く。理想的なギターロックバンドのサウンドだ。

「UKFC、出れて嬉しいです。俺たち新人、ストレイテナーと言います」とホリエアツシは洒落っ気のある挨拶。続く「Man-like Creatures」から「KILLER TUNE」は二つの曲をつないでプレイ。抑えた詩情から徐々にビートを四つ打ちに束ねてダンスナンバーへとギアを上げていくダイナミックな展開を見せる。オーディエンスも力いっぱい飛び跳ねてる。

「去年、一昨年と、ただ単に遊びに来ていて、存在をアピールしてたら、出してもらえました」とホリエアツシ。それを受けて「俺ら、インディーズの頃にUKプロジェクトのデモテープ審査落ちたからね」とナカヤマシンペイが明かす。2000年の頃のことだろう。よくよく思えば、その時のストレイテナーはまだホリエとナカヤマの二人組だった。ちょうどその頃、日向秀和と大山純の二人はART-SCHOOLのメンバーとしてUKプロジェクトとは交流していたわけだ。

「みんなの中にバンドやってる人もいると思うけれど、たとえUKプロジェクトに入れなくても15年やったらここに立てるからね」「一番の名誉だよ、UKプロジェクトのバンドじゃないのにここに出れるというのは」とナカヤマとホリエの二人は語り合ってたけれど、考えてみたら、なかなか感慨深い巡り合わせである。

終盤は「今年の夏のために書いた反戦の歌」と告げた「NO 〜命の跡に咲いた花〜」から「彩雲」と、アコースティックギターを抱えたホリエアツシが思いを込めた歌をしっとり歌い上げる展開。そしてラストは「Melodic Storm」。オーディエンス全員、そして「Future Stage」の次の出番に控えて立っていたLOST IN TIMEの3人が、大きな拍手で彼らのステージを讃えていた。ドラマティックなステージだった。

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【SET LIST】

1.From Noon Till Dawn

2.The World Record

3.Man-like Creatures

4.KILLER TUNE

5.NO ~命の跡に咲いた花~

6.彩雲

7.Melodic Storm

 

《LOST IN TIME》

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サウンドチェックでスピッツ“田舎の生活”(過去にトリビュート盤にカヴァー参加)を演奏後、「もう外の準備ができてれば、始めちゃおうかな」と、そのままステージに残り、“366”でライヴをスタートしたLOST IN TIME。放たれた瞬間に、ファンはもちろん初めて聴く人も「うわ、何これ!?」とガシッとつかむ、海北大輔(Vo・b)のあの声がスタジオコーストいっぱいに広がる。2曲目はイントロで海北がキーボードを弾き、三井律郎(g)のライトハンドと大岡源一郎(Ds)の16ビートを刻むハイハットが響き始める──“30”だ。「誰しもが草臥れて行く先のくらさに慄いて それでも進むしかない もがき続ける 30 」「転がる石にはどうもなれなかった 憧れは遥か 昔へ遠ざかった それでも少しは世界が広がって 守るべきものが何となく解った」というラインがもう、胸にきまくる。

続いては“Syntheses”。満員に埋まったフロアの誰もが、じいっと、じいいいっとステージを凝視し、この3人の歌と音に聴き入っている。すごい集中力。そういう聴き方をさせるバンドだ、ということです。この場のひとりひとりが、このバンドとだけでなく、自分自身とも向き合うことになる音楽だ、ということです。

バンドとしてのタイトさと、海北のメロディメーカーとしての才能を見せつける“No caster”を歌いきったあと、源ちゃんのドラムソロから“希望”になだれこむ。ギターリフもリズムもメロディもアッパーなこの曲で、フロアのあちこちから拳が挙がる。

この場に立てていることの喜びと、「秋からツアーあるので、またみなさんに会えるようにがんばります」ということを伝えた簡潔なMCのあと、「この会場に集まったすべてのあなたの街の歌だと思います」という紹介で歌われたラスト・チューンは“燈る街”だった。リズムが3拍子の曲だというのもあるだろうが、またフロアほぼ全員、見事に固まる(私が目視できた中で拳を挙げていたのは1名)。で、歌詞のひとことひとこと、音のひとつひとつを噛みしめるかのように、ただただ聴き入る。曲が終わり、海北が「ありがとう、また会いましょう。LOST IN TIMEでした」とあいさつすると、大拍手。つくづく「LOST IN TIMEだなあ」と思わせる、すばらしいステージだった。

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【SET LIST】
1.366
2.30
3.Syntheses
4.No caster
5.希望
6.燈る街

 

《[Alexandros]》
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UKFC on the Road 2015、いよいよ初日のヘッドライナーに登場したのは[Alexandros]だ。今年の彼らのライブは、いわば“凱旋”と言ってもいいかもしれない。VIVA LA ROCKやROCK IN JAPANなど数々の巨大フェスのトリをつとめ数万人を熱狂させてきた2015年の[Alexandros]が、いわば“ホーム”であるUKFCに戻ってきた。そういう貫禄がステージにまざまざと息づいていた。

「Burger Queen」のSEに乗って4人が登場し、そのまま曲を止めることなく演奏を始めてライブはスタート。お客さんに「♪Wow〜」とシンガロングさせると「Don’t Fuck With Yoohei Kawakami」のめくるめく曲展開に巻き込んでいく。シンバル2枚を高くセットした独特のドラムセットから庄村聡泰が爆撃機のようなリズムを叩き出し、白井眞輝、磯部寛之、川上洋平と、4人が一体になった溶岩流のようなサウンドを放つ。凄まじい音塊だ。

「楽しんでますか、もっと楽しみたいですか!?」と川上洋平が煽り、「Cat 2」から「Famous Day」へ。疾走するビートに駆り立てられ、ずっとレッドゾーンに入りっぱなしのようなテンションの中、オーディエンスはもみくちゃになって全身で音楽を楽しんでいる。

後半も、高いところまで全員でどんどん上がっていくような展開だ。コーナーに豪速球がバシバシと投げ込まれるようなキメの応酬、単なる“四つ打ち”というよりももっと肉体的で野生的なダンスビートが、否応なしにオーディエンスの胸と身体を熱くする。川上洋平がオーディエンスに歌をあずけた「Starrrrrrr」、特効のテープが舞った「Run Away」、そして本編ラストの「Adventure」まで、あっという間。大きな満足感を残して彼らはステージを降りた。

アンコールの声に応えて4人が再び登場すると、川上洋平は「2009年にデモテープを送って、2010年にデビューしました。すごいよね。『デモテープ、聴いてくれたんだ』って」と、UKプロジェクトとの出会いを振り返る。「我々を拾ってくれた人が、今日のスタッフとして働いています。我々がステージにいるのは、当たり前のことじゃないんです。今日はそれを噛み締めて、歌ってました」と続け、「普段はあまり言わないけれど、今日は特別な日なんで、言わせてください。働いてくれたスタッフの皆さんに大きな拍手を」と、感謝の念を告げる。そして「いつまでも戦ってるつもりだから新人なんて簡単に認めてやらないけど、それでも送りたいってやつは、デモテープ送ってください。下北沢で待ってます」と、彼らしい言葉で次世代への期待をにじませた。

そして、ラストは今の[Alexandros]が持つ最大のアンセム「ワタリドリ」から、「Kick&Spin」へ。スケールの大きなメロディに、沢山の拳が応える。お客さんも全部の力を出し尽くすクライマックスの瞬間だ。

「ありがとう!」と叫び、4人は去った。約8時間、10組の出演者からわたされたバトンを受けて全身全霊で走り切るようなステージ。強い余韻を残して、UKFCの一日目は幕を閉じた。

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【SET LIST】

1.Burger Queen
2.Don’t Fuck with Yoohei Kawakami
‪3.Cat ‬ 2
4.Famous Day
5.Starrrrrrr
6.Run Away
7.Adventure

En1.ワタリドリ
En2.Kick&Spin

 

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