LOST IN TIMEが6/4から6/5にかけて下北沢CLUB Queにて2デイズのワンマンライブを行った。
「LOST IN TIME 下北沢CLUB Que2DAYSその奇跡とその偶然・足跡は続く2016」と称された今回のライブは、6/4が「一日目「はじまり、後悔」」、6/5「二日目「迷路の中で折れなかったもの」」というテーマのもと二部構成となっており、初日は1st「冬空と君の手」2nd「きのうのこと」から選曲されたセットリストとなった。

入場SEが流れ、各メンバーがそれぞれの位置につき、呼吸を整えるように始まった一曲目は「花」。イントロから疾走する各楽器に海北(Vo.Ba)のヴォーカルが加わり、軽やかに歌詞とメロディを乗せていく。そして間髪入れず「約束」のイントロへ足をかけ一気に駆け抜けていく。

その後「教会通り」「通り雨」と続いた後、海北が「今日は14年前に発表した「冬空と君の手」、そしてその2年後に発表した「きのうのこと」という二枚のアルバムの曲だけをセットリストを組んでみました。当時を知ってる人は懐かしい気持ちになってもらってもいいし、当時を知らない人にとっては今日のライブは今日のライブとして新しくフレッシュな気持ちで楽しめると思うから、どうかあなたの楽しみ方で共に素敵な時間を作っていきましょう。最後までよろしくお願いします。」と告げた後、さらに「三人対大勢じゃないんだよ、いつだって一対一。ぼくあなた、誰かはいらない」と始まったのは「誰かはいらない」。
ここまでの疾走感を一旦落ち着かせ、どっしりとしたグルーヴで会場を包み始めた演奏に対し、観客も一人一人が自身の中に持っている「LOST IN TIME」や楽曲を通してステージに向き合っているように見えた。

印象的だったのは演奏の際、メンバーが笑顔を見せながら歌い、演奏していたということ。このステージを各々が誰よりも楽しんでいるように思えた。特に「列車」のギターソロには三井(Gt.Cho)が楽曲への敬意を表現すると同時に自分が奏でることの意味が雄弁に鳴らされていたし、大岡(Dr.Cho)のドラミングにはバンド、観客、会場すべてを支える懐の深さがあった。
「冬空と君の手」と「きのうのこと」の二枚に内包されていた青い衝動と焦燥感に加え、それらを愛し包み込むようなエネルギーが今日の会場の中には満ち溢れていた。

三井がMCの口火を切り会場は笑顔に包まれたが、三井は「ここはまだ笑うところじゃない」と笑顔で切り返し、会場には穏やかな空気が流れる一幕も。自身の切り口で14年間の時の流れを語り、会場の笑いを誘ったところで当日のSEの話題にも触れ、バンド活動開始から一年ほどはこの曲をSEとして使用していたと海北が曲に対する思い入れを語っていた。
「昨日のことと思っていた出来事がもう10年前の出来事だったり、確実に遠ざかっていってるんです。」と時間に対する感想を述べた後、「声」「悲しいうた」「カガミ」「失敗」を立て続けにオリジナルアレンジで演奏し、楽曲に宿っているエモーショナルな感情を会場に響かせていた。

「昔はオーイェーとか言えなかったなあ」と海北。「あまのじゃくだった時もあったけど、でもそこに美学がちゃんとあったんだよね」と言葉をつなぎながら、その直後に笑顔を浮かべながら恥ずかしそうに「笑ってくれ」と観客を破顔された。「大事にしたいことがあって、そこに反することはしたくなくて、でも今振り返ってみると突っ張ったり、意地を張ったりしてよかったなって思うことがいっぱいあって、大変なこともあるけど、その経験一つ一つが今の僕たちの大きな糧になってるって断言できます。」と当時と今の心情を語った。「後半もよろしくお願いします。」と一言告げた後に演奏されたのは「線路の上」。イントロから拳が突き上がる場内。その後も「翼」「ココロノウタ「手紙」と続き、ロストのまっすぐな感情が表現された楽曲たちが演奏された。海北が「今日は楽しかったね。」と一言。その後演奏されたのは「昨日の事」。夜に向かい終わり始める1日の情景を淡々と描き、「今日は何もなかった」と声を振り絞る海北の姿に胸を打たれる。閉塞感への憂いとその中で得たものを一つ一つ表現しライブ本編は幕を閉じた。

アンコールに招かれ、今回の企画に至ったきっかけを「来年バンドがデビューをして15周年、三井君が加入して来年で10周年である節目の年を迎えるにあたって、一回自分たちの足跡を振り返ってみようと思った。」と海北。「昔は歳取りたくなかったな。けど取ってみて思うのは、案外悪いことじゃなくて、これから先どう歩いていくのかってことだけでいいと思うんだ、僕らの毎日っていうのは。昨日失敗しちゃったとか、明日失敗したらどうしようとかそういうことじゃなくて、失敗したってつまづいたって転んだって、どのみち明日は来るわけで。だったら明日がちょっとでもいい日になるといいなって、そんな気持ちでこれからも歩き続けていきましょう。「30」を歌います。」三井のライトハンド奏法に観客の手拍子が重なりと演奏がスタート。キャリア初期二枚の楽曲のみを据え、構成されたライブの中で鳴らされたこの曲の瑞々しさが今のロストを象徴しているように思えた。エフェクティブなギターサウンドが印象的で新しいアレンジにて生まれ変わった「残像」、「30」と同じく現在のロストを象徴する楽曲に成長した「希望」を立て続けに演奏しステージを後にした。

ダブルアンコールで披露されたのは最新楽曲である「ライラック」。これまで一緒に歩いてこられた事を嬉しいとストレートに伝えられる強さをもった楽曲。届かなかった声も、冷えた汗も、汚れてしまった心も、なにもなかった日のことも、そして「さよなら」も、それらを振り切るのではなく、すべて愛し、その感情、出来事達を連れて新しい旅を始められる今のLOST IN TIMEの逞しさが計21曲を通じていかんなく発揮されたライブだった。

(text.濱田和人 / photo.高田真希子)

▶︎2016.06.05(Sun) 二日目「迷路の中で折れなかったもの」ライブレポート

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LOST IN TIME 下北沢CLUB Que2DAYS
その奇跡とその偶然・足跡は続く2016
一日目「はじまり、後悔」セットリスト

SE／それでよかったのか?「月を梳かして」

01.花
02.約束
03.教会通り
04.通り雨
05.誰かはいらない
06.あなたは生きている
07.列車
08.ヒカリ
09.声
10.悲しいうた
11.カガミ
12.失敗
13.線路の上
14.翼
15.ココロノウタ
16.手紙
17.昨日の事

en1.30
en2.残像
en3.希望

Wen.ライラック

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LOST IN TIME
その奇跡とその偶然・足跡は続く2016

▼6月11日(土)大阪 福島2nd LINE
[1st「冬空と君の手」3rd「時計」より選曲ライブ！]
open17:30/start18:00
チケット：¥3,500(税込,整理番号付,1d別)／当日¥4,000(税込,1d別)
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:294-006)
ローソンチケット0570-084-005(Lコード:55731)
イープラス http://www.eplus.jp/
湯仲間直売所 http://www.shimizuonsen.com/ouken/
問)清水音泉 06-6357-3666(平日12:00-17:00)

▼6月12日(日)名古屋 HUCKFINN
[2nd「きのうのこと」4th「さぁ、旅を始めよう」より選曲ライブ！]
open17:30/start18:00
チケット：¥3,500(税込,整理番号付,1d別)／当日¥4,000(税込,1d別)
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:290-629)
ローソンチケット0570-084-004(Lコード:41590)
イープラス http://www.eplus.jp/
問)JAILHOUSE 052-936-6041 www.jailhouse.jp

▼6月18日(土)熊谷HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA VJ-1
[過去9作品の中から1st～4thアルバムより選曲ライブ！]
open17:30/start18:00
チケット：¥3,500(税込,整理番号付,1d別)／当日¥4,000(税込,1d別)
ローソンチケット(Lコード:71066)
イープラス http://www.eplus.jp/
店頭
問)HEAVEN’S ROCK KUMAGAYA VJ-1 048-524-4100

LOST IN TIME
その奇跡とその偶然・足跡は続く2016
下北沢CLUB QUE 2DAYS
10月1日(土)三日目「再起動」
[5th「明日が聞こえる」6th「ロストアンドファウンド」より選曲ライブ]
10月2日(日)四日目「これまで、これから」
[7th「(　　　)トラストオーバーサーティ」8th「LIFE IS WONDER」9th「DOORS」より選曲ライブ]
(両日)OPEN17:30/START18:00

チケット
1日券 3,800円/当日 4,300円(税込,整理番号付1D別）
2日通し券7,000円(税込,整理番号付,1D別)

(一般発売 6/25～)
CLUB Que店頭・ローソンチケット・チケットぴあ・イープラス
問)CLUB Que 03-3412-9979

▶︎LOST IN TIMEオフィシャルサイトwww.lostintime.me/