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【UKP OFFICIAL LIVE REPORT】11/14(水)Zher the ZOO YOYOGI 「UNKNOWN WEDNESDAY YOYOGI #3」
UK.PROJECTのスタッフが、いま気になるバンドをセレクトした新人発掘イベント”UNKNOWN WEDNESDAY YOYOGI”。
第3回目となる今回は、スロロリス、EASTOKLAB、the equal lightsの3組が出演した。
トップバッターは、昨年のUKFC2017にてファイナリストに選出されたポストロック・バンド スロロリス。
早川芳之馨(Key)のシンプルなピアノから口火を切り「夜のあと」から幕を開けると、伊藤雅章(Vo.Gu)の穏やかな歌声を届ける。
透明感のあるしなやかなバンド・サウンドを響かせるなか、kagaya sho(Dr)のタイトなドラムが先行する「water」、儚くも暖かなメッセージが込められた「息をする」などを演奏。
シューゲイザーを織り交ぜた緻密な音色は、ふつふつと水が湧き出る泉のような美しさがあった。
二番手は、名古屋を拠点に活動するEASTOKLAB。
ポストロックを軸にエレクトロなサウンドを織り交ぜた、彼らのバンド・アンサンブルは鮮やかで聞くものを夢心地にさせる幻想的な空気をまとっていて会場の雰囲気は一転する。
真夜中の静寂を思わせるノスタルジーでロマンチックな「In Boredom」をはじめ、多彩でディープな世界へと誘う。Hioki(Vo.Syn.Gt)とOka(Ba.Syn)の折り重なるシンセとNishio(Gt)ノイジーなギター、Tabo(Dr)の耳に残るフレーズ。最後は、スロウ・ナンバー「Saihate」と奥行きのあるサウンドで魅了した。
トリを飾ったのは、大阪・寝屋川出身のthe equal lights。
フロアを見渡し観客の熱量を確かめるような表情でステージに立つと「ファンファーレ」と煌びやかなロック・ナンバーを爽快に畳みかける。
“今を本気で生きたい”と想いを語ったミシマテツオ(Vo.Gt)は“また会おうぜ、という気持ちを込めて”と「Yellow」へ。
ライヴの展開からは2010年代の邦ロック的センスが感じられるキャッチーでグッとくる部分もありつつ、“届けたい”というギラつくほど前向きなエネルギーが、彼らのサウンドや佇まい、言葉の節々から満ち溢れている。
ラストは、開放感のある鮮烈なナンバー「Alche(mist)」を演奏して締めくくった。(文・大島あゆみ)