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interview

【UKP OFFICIAL INTERVIEW】
the dadadadys 配信EP
「だ」と「da」リリース記念
山岡錬x儀間陽柄x熊谷太起
アルバム徹底深堀鼎談

the dadadadys 配信EP「だ」と「da」のリリースを記念して、the dadadadysのギタリスト、山岡錬の提案により、今年1月にバンド加入した儀間陽柄と、長らくサポートギターを担当していた熊谷太起(Helsinki Lambda Club/Group2/Guiba)のギタリスト3名による鼎談が実現。進行は両バンドをリリースしているレコード会社、UK.PROJECTの軽部が担当。


テキスト / 写真:軽部徹(UK.PROJECT)
編集協力:田村千里(UK.PROJECT)


—それではみなさん、宜しくお願いします。
山岡:儀間:熊谷:宜しくお願いします。

—この記事を読む人はバンドのコアファンが多いと思うので、従来のインタビューよりも、よりパーソナルな部分に切り込んだ質問を投げさせてください。バンドを知らない人に広げるというより、知っている人に向けた記事に仕上がればと。では、鼎談発案者の山岡さんから最初に質問を聞いていきたいと思うんですけど、まずギター歴は何年ですか?
山岡:ギター歴か。…17年ぐらい?そんなになるんだ!(驚きながら)
一同:笑
熊谷:自分で言うんだ。
儀間:たしかに笑

—意外とギター歴ってファンだとしても知らないですよね。熊谷さんは?
熊谷:いや僕も多分…17年とかですかね。儀間は?
儀間:12年、ですかね。11年か…
熊谷:中1から?
儀間:中1の終わりからですね。
山岡:結構みんな同じくらい。俺も多分中2とかだから。
熊谷:僕は中3かな?自分でギターを買ったのも。
山岡:一緒くらいやな…はじまった年齢は。

—続いて「はじめての〇〇は?」みたいな感じで聞いていきたいと思うんですけど、ギター歴17年の山岡さんが最初に買ったギターの種類は?
山岡:ストラトでしたね。レジェンドっていう。たぶん初心者向けの1万円くらいで買えるやつでした。地元の楽器屋で。

—それを選んだ理由はありますか?
山岡:…安かったから。笑 ストラトにした理由はあんまりないかもしれないです。同じ値段でたぶんレスポールとか他の形もあったと思うんですけど、1万ちょいくらいでお年玉で買いました。

—熊谷さんは高価なギターでデビューしたような印象を勝手に持っていますが、どうですか?
熊谷:と、思うじゃないですか。僕も同じような感じで。なんかサクラ楽器っていうGo!Go! GUITAR(*現在は休刊中の雑誌)とかに載っているような初心者用のセットみたいなのがあって。
山岡:あっ、なつかしいな、Go!Go! GUITAR。

—通販?
熊谷:通販です。僕も同じストラトで、アンプとか全部。
山岡:あっいいやつだ。
熊谷:そうそう。ちっちゃいアンプと。
儀間:あーはいはい!笑
山岡:シールドと、クロスとみたいな。笑
熊谷:そうそうそう。セットなんで1万5000円くらいのを買いました。
儀間:僕はTokaiのレスポールでした。
山岡:あっTokaiなんだ。
儀間:フェンダーみたいになってるボルトで後ろがくっついているタイプで安いシリーズ。2万円しないくらいのをお年玉で買いました。
山岡:みんなお年玉だ。笑
儀間:中学生ですから。笑

—やっぱり最初は安いギターから入るんですね。知り合いからもらったとかじゃなく。
山岡:そうですね、自分で買いましたね…。

—では、10年以上みんなギター歴があると思うんですけど、これからギターを志そうかなという人に向けて最初から高いの買った方がいいよとかありますか?
山岡:あー。
儀間:どうなんだろう。
山岡:最初から高いのってプレッシャーになるから俺は嫌やなって。

—よく芸人さんとかでも敢えて高い家賃のところに住んで、自分を追い込むみたいなのあるじゃないですか。
山岡:はいはい。たしかに。

—そういうのはないですか?
山岡:うーん。ほんまに、ぱっとみてめっちゃかっこいい!ってのがあったら買った方がいいと思うかな。最初は安くても。
儀間:何歳から始めるかとかもありそうですね。
熊谷:まあたしかに。中学生とかお金がなくて買えないから… 選択肢があったら高いの買ってた可能性もあるし。
山岡:たしかにお金があれば。

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—では続いて、はじめて買ったエフェクターを教えてください。こだわりみたいなものもあれば。
山岡:最初…BEHRINGERでしたね。もうめちゃくちゃ安くて2、3000円くらいで買えるディストーションとか。紫の。歪ませるために、やっすいクラシックな。
儀間:あーはいはい。
熊谷:僕は結構友達に借りたりとかを経てだったんでRATっていう黒い、結構みんな使ってるやつでしたね。これも歪みですけど。
儀間:俺はBOSSのOS-2みたいな。あのOver Driveとディストーションが混じってるやつを中古屋さんで。
山岡:つまみが2つあるやつ?
儀間:あっ、そうそう。
山岡:根元と先に。
儀間:Over Driveとディストーションの中間みたいな。どんな歪みでもできるからこれが便利かもと。

—それ、今でも使ってたりしますか?最初に買ったエフェクターって。
儀間:壊れちゃったかなあ。
熊谷:僕は使ってないですね。
山岡:使ってないなあ。
儀間:たしかに今ちょっとほしいかもしれないですね。逆にどんな音だったかなあと思って。
山岡:気になるなたしかにな。
儀間:RATとかだったら割と使ってる人が多いから、こんな音だなあとかありますけど。

—たぶん音楽をやってない人たちにとってエフェクターって難しいと思うんです。歪ませたり、音をループさせたり色々あると思うんですけど。みなさんはどうやってエフェクターを勉強しました?山岡さんは何個繋いでます?
山岡:俺、実はそんなに多くないんですよ。4つか5つくらいなんですよね。空間系っていう、ディレイとかリバーブとか入ってるマルチのエフェクターで1個でぼんってやってるので。
熊谷:僕は9個くらいです。

—儀間さんは?
儀間:…7個ですかね?

—詳しくない私からすると、4個とか7個とか9個の違いが分からないです。
一同:たしかに笑

—数が多ければいいのか、少ない方がいいのか。
熊谷:これがまったく良し悪しがない世界なので。
山岡:たしかに。

—たとえば、9個あるうちの1つがなくても聴き手からすると音の違いがわからないような。でも演奏している側からすると、野暮な質問になりますが、ちょっとの違いなんですか?大きい違いなんですか?
一同:笑
儀間:どうなの…?
熊谷:小さい違いのものもあれば、まったく違うものもあるんで。ほんとに一概には言えない…。笑
山岡:9個って全部使ってるもんね?
熊谷:全部使ってる。
山岡:お守り的に1個いれてる人とかおるやん?
熊谷:あーたしかに。そういう人もいるね。
山岡:いるよね。
熊谷:本当に一瞬しか使わないけどいれてるとか。
山岡:あっ、でも俺最近増えたんですわ。
熊谷:増えたんだ。
山岡:ワウを使うことになったから。
熊谷:あ、そうだ。ワウね、ワウいれてたよね。
儀間:歪みを。
山岡:1曲のためだけに。
山岡・儀間:笑
儀間:Aメロのために。笑
山岡:Aメロのために。
儀間:あんな重い。笑
山岡:「nantekotta」っていう曲で。


—エフェクターって正解がなさそうですね。
熊谷:ないですね。
山岡:ないですねー。
儀間:ないですね本当に。
山岡:やっぱり歪みエフェクターは一生悩み続けるとかありますけど。

—悩ましいですね。話はそれますが、わたしはバンドのミュージックビデオを観てると、ここはエキストラを使ってるとか、ここの場所代いくらかな?とか仕事目線で無意識に観てしまうのですが、日常生活をしている上で、ギターのフレーズってどこかしらから耳に入ってくるじゃないですか。そういうときって「あっ、」このフレーズ、こういうアレンジにしたいとか日常においてギターに頭を支配されたりしますか?
熊谷:僕あまりないかもしれないですね。
儀間:ないかな。
熊谷:考えてない、かもしれないです。
山岡:俺結構あるかもしれないな。笑
一同:笑
山岡:ギター小僧ですからねえ。聴いちゃいますね。ギター。

—つい最近そういう話を小池さんと話したことがあって、たとえば飲食店で何か食べてるとBGMが頭に入ってしまって、ご飯に集中できなくなるみたいなことがあるみたい。そんな話をしたばかりだったので、日常生活でギターのフレーズが邪魔だと思ったりするのかなって
山岡:ギター単体はないかもしれないですね。
儀間:なんか流れてるのに耳がいっちゃうこととかはあるかもしれないですね。でもギター単体でそれはないですかね。

—みなさんの共通点であるギターについて聞いてみましたが、次ははじめて買ったCDを伺いたいです。
熊谷:僕はSMAPですね。どっちかというと別に音楽がそんなに好きとかでもなくて。なんか、でもSMAP…買ってましたね。
山岡:小学校?
熊谷:小学校、小学校。
熊谷:当時はバンドとか認識してなかったですね。

—そこから買い続けたりとかはしなかったんですか?SMAP。
熊谷:いや。1枚しか買ったことないです。
一同:笑
山岡:ちなみに曲は?
儀間:シングル?アルバム?
熊谷:アルバムでなんかジュースみたいなジャケットのやつ。何だっけな。そんな覚えてないけど。
山岡:なんかあったね、缶ぽいというか。
熊谷:缶ジュースみたいなジャケットの。
山岡:アンディ・ウォーホルみたいな感じ?
熊谷:あっでもよくいうとそうかもしれない。アンディ・ウォーホル的な世界観のやつを。たしか小4とかそのくらいのときに。
山岡:俺も小3ぐらいに「慎吾ママのおはロック」を。笑
熊谷:あー。それ最初?
山岡:最初です。それとネプチューンの「日本人は胃腸が弱い」っていうその2枚が最初に買ったCD。儀間は?
儀間:僕、初めて買ったの高2とか高3とかですね。地元のエモのバンドの先輩がいて、これは買おう!と。紙ジャケでかっこよくて。
山岡:最初からオシャレでいいなあ。笑 それは何年前?
儀間:あれ2014年とかなんで。9年前?
山岡:そうなんだ。それかっこいいわ。
熊谷:たしかにずるい。
山岡:ずるいなあ。
儀間:笑
儀間:それまでCD買ったことなかった。
山岡:俺なんて慎吾ママだし。
熊谷:めちゃくちゃSMAPじゃん。
一同:笑

—CDの話題から昨今の音楽の聴き方についての質問です。少し調べてみたのですがCD誕生が1982年で、レコードは1948年。カセットは1964年。MDは1992年。なんとなくですが、10~20年ぐらいの周期で音楽を再生する媒体が変わってきている気がしていて、今はサブスクが主流じゃないですか。みんなはどういった環境で音楽を聴いていますか?レコードやCDをステレオで聴いているのか。サブスクをスマホで聴いているのか。個人的にちょっと気になって。
熊谷:今はもうサブスクかな。
儀間:サブスクですねえ。
熊谷:たまにレコード買ったりしますけど。

—みんなレコードを買っている姿を普段見かけるからレコードを聴いてるのかなあと。
山岡:音源を買うならレコードで買っちゃうみたいなところはありますね。CDよりは。儀間もサブスク?
儀間:そうですね。

—今2023年なんですけど、例えば20年後ってどういう音楽の聴き方していると思いますか?想像できることと、できないことがもちろんありますけど。
山岡:SFっぽいですね。脳に直接的?
儀間:あー。
熊谷:あ、もう、データで。体験としてインプットするみたいな。まあでもそれぐらいしか。
山岡:なんか最近面白いのをみたのが、なんかピアニストの演奏を疑似体験できるみたいな。
儀間:あー!なんかありますね。
山岡:触手みたいなのを開発しているところがあるらしくて。もう簡単にやる側になってそれを一緒に楽しめるみたいなの。
熊谷:知らなくても弾けるみたいなやつで。寂しいよねちょっと。
山岡:寂しい。
儀間:たしかに。
山岡:それはめちゃめちゃ発展しそう。
儀間:うーん、なるほどね。
熊谷:でも聴き方ってなるとちょっとサブスク以降のイノベーション的なのあんまり思いつかないですね。

—なるほど。最近はAIでイラストとか写真とか簡単に作れたりするじゃないですか。音楽も最近のニュースを読んだばかりなんですけど、AIを使って例えばリズムは遅めで陽気なジャズとか、テーマを選びながら作れるみたいで、下手すると個人が作曲するより、AIで作曲したものが売れてしまうような時代がくるかもしれないって思ったりしました。そうなった場合、ミュージシャンの立場って結構きついですよね。どうします?そんな時代がきたら。
一同:笑
儀間:オーガニックなミュージシャンみたいになるんですかね。笑 そのAIとかを介してない。
山岡:自然由来の。
儀間:自然由来のミュージシャンのライブハウスみたいな。笑
山岡:そういうジャンルができるかもしれないね。
儀間:ありそうですよね。そういうの。意外とだから生メインとかにもなる気もしますけどね。音楽聴く人が少なくなっていって。聴く人は生で、現場でしか聴かないとかもありそうですけどね。
山岡:まあでも結局こうリアルな、自然体なものに戻りそうな感じするよね、一回(AIの世界に)なったとしても。
儀間:たしかに。
熊谷:流行りそう。
山岡:ソウルとかも打ち込みが流行って、電子的な音楽が流行って、ニュークラシックとかニューソウルとかさ、また生演奏が流行るみたいなのとかあるから。うーん、でも一回それメインの時代が来るかもね。過ぎ去るのを待つしかないかもしれないね。笑
一同:笑


2
—では話題を変えます。みなさんそれぞれプレイスタイルが違うと思うんですよ。
儀間:そうですね。

—この3人って。まあ共通するものももちろんあると思うんですけど。自分にとってかっこいいギターの人の弾き方と、影響を受けたギタリストを知りたいです。
山岡:ザ・ストーン・ローゼズのジョン・スクワイア…かなあ。めちゃめちゃ弾き倒すんですよ。弾き方もかっこいいですねやっぱり。ステージの立ち方とかもかっこいいですけど。なんやろ。ギタリスト然としてるというか。自分のことしか考えてなさそうなんですよ。笑 それがねーやっぱり、あ、影響受けてたんだなと、最近結構思うことが多いですね。太起くんは?
熊谷:僕は坂本慎太郎ですね。僕、逆にあんまりギタリスト聴いてきてないですね。ギタリストギタリストしてるのを。ジミ・ヘンドリックスとかは好きですけど。自分がめちゃくちゃ弾き倒す風に育たなかったので、結果。そうですね…。儀間は?
儀間:ペトロールズの長岡亮介さんですね。実は。笑
熊谷:実は浮雲?
山岡:実は浮雲。笑
儀間:そうですね。この部分はこの人、この部分はこの人みたいな影響の受け方で。なんか1人こう誰!っていうと結構難しいですけど。エリック・クラプトンとかも聴いてましたし。
山岡:たしかにね。ジェフ・ベックとかも聴いてたよね。

—ギタリストっていろんな雰囲気の人がいると思うんですけど、有名なところでザ・フーのピート・タウンゼントとかウィンドミル奏法っていって手をこう回すやつ、かっこいいじゃないですか。なんかそういう必殺技みたいなのみなさんあります?
一同:笑


—鏡を見ながらこういう動きがかっこいいなとかやったりするものですか?
儀間:あーでも昔やったな。
山岡:昔やったなあ。
儀間:はじめたてのとき全然弾けないけど。
山岡:そう、(ギターを)持ってね。
儀間:この辺がかっこいいかなとか。ストラップの位置とかめっちゃやってましたね。
熊谷:高校生のときとかたしかにそういうの。
山岡:でも絶対やった方がいいですけどね。はじめたての人とか特に。

—弾き方で思ったのですが、山岡さんが最初にthe dadadadysで演奏した埼玉のライブかな?
山岡:一発目の。はい。

—埼玉でやったときと今ってもう全然人が違うくらい佇まいが変わって見えるんですよ。弾き方もだし。自信とかもあるのかな?その変化がおもしろいなと思って。実は鏡の前で練習してるのかなって思って。笑
一同:笑
山岡:練習してそうでしょ、俺。笑
儀間:まあたしかに、ちょっとしてそう。笑
山岡:笑

—私が勝手に思うみんなのイメージは、熊谷さんはすごいギターに色気があって、山岡さんはすごいクールで、儀間さんは衝動的な感じがあります。それぞれどういう印象がありますか?
儀間:わりとそのままな感じが。笑
一同:笑
山岡:そのまんまですねえ、たしかに。
儀間:言ってもらった感じですね。

—なんか広がらない質問ですみません。
山岡:でも、まあお互いどう思ってるか。エロいよな、太起くんは。本当にエロいと思う。うん。やっぱり男から見てエロいもん。でも、たまにちょっと失態みたいなのするじゃないですか。
儀間:失態。笑
山岡:なんかね、ギターソロ弾かないとかね。
熊谷:たまに恥晒しますからね。
儀間:余裕をすごい感じました。太起さんって。観てて。
山岡:たしかに。
儀間:そう、余裕。なんかさらっと弾いてるな、みたいな。
山岡:俺、1回だけ余裕のない太起くんをみたことがあって。the dadadadysのライブでね。貞ちゃんが予定していた1曲をライブ中に急遽外したんですよ。で、やる曲のそのスイッチャーっていうエフェクターがあるんですけど、ちゃんと順番に曲が並んでるからこの次の曲はこれみたいなセッティングをしてるけど、飛ばしてその次の曲をやってたから、もうずっと太起くんが足元をガチャガチャしてて。あの太起くんがあんなに…。笑
熊谷:そりゃ焦るわ。笑
儀間:萌えポイントですね。笑 あのクールな感じで。
山岡:すごいガチャガチャしてる。笑 でも普段はほんまにクールっていう感じだなあ。
熊谷:じゃあ次、錬ね。いきますか。まあでもクールな感じなんですけど、さっき言ってたみたいに変わったなと思いますね。観てて。
儀間:堂々としていますよね。
山岡:この前、クラブチッタ(*3/22 ONE ON ONEでthe dadadadys/Helsinki Lambda Clubが対バン)で初めて観てもらったかも。
熊谷:うんうん。外から観たのはね。

—それってなにか自分の中で意識の違いみたいなのってあるんですか?
山岡:あ、でもだいぶありましたね。今まであんなに激しいバンドをやってなかったので。鏡を見ながら練習はしてないですけど。笑 意識的にもうちょっと前に出ないとなあとか思ったりして。やっていくうちに前に出ないとなーが、出たいなーになってきました。

—よい変化ですね。山岡さんに関しては服装もね、だいぶ変わってきたんですよ。
熊谷:そうですね。

—ほっておくと派手な柄物着るようになっちゃって。
一同:笑
儀間:ほっておけば。笑 ほっておけば柄物を。笑
熊谷:メンバーみんなで買いに行ったりしましたからね。
儀間:あーそうなんですね。
熊谷:行った行った。
儀間:ワイルドな感じが似合いそうですよね。オールバックとか。笑
熊谷:そうそう、オールバックめっちゃ似合いそうなんだよね。
儀間:一緒に風呂行った時に髪をあげて、めっちゃいかつって思ったもん。雰囲気がやさしそうな感じからすごい変わるんで。髪をあげて全身豹柄とかでやってほしいですけどね。
山岡:オールバックで。笑
熊谷:でもたしかに、それは成り立ちそう。
儀間:スタイル的にすごい合いそうですよね。その演奏スタイルというか。ギタリストっていう感じ。
山岡:スタイルってプレイじゃないんだな。笑
儀間:プレイもさらによくなる。笑
熊谷:たしかに。儀間はどう?衝動はめちゃくちゃ感じるけど。
山岡:儀間が前に出てるとすごいテンションが上がるよね。
熊谷:うんうん。
儀間:でも、実はすごくテンションのムラがあって。今日行けそうだなみたいなときと。
熊谷:気持ちのね。
儀間:なんか気持ちの。テンションがあまりあがってないときもあって。それ、よくないですけど。 1曲目やって、前に行こうとはするんですけどね。なんか行けないときがたまにありますね。
熊谷:いやでもそれは誰もがあると思います。そこはそのメンタルコントロールじゃないですけど。そういうのがやっぱり必要だと思います。

—メンタルコントロールって具体的には?
熊谷:僕はこれっていうのはないんですけど、まあ人によってはそのライブ前に決まったルーティーンがあるとか結構多いと思うんです。絶対この曲聴いてからやるとか、そういうなにか(テンションを)あげきるルーティーンみたいなのが、別になくてもいいとは思うんですけどあるとそこはいいのかなと思いますね。僕は特にないんだけど。
山岡:結構、ステージに立つまでわかんないとき多いよね、実際に。立って鳴らしてみるまでわからないっていうときがある。自分の気持ちが。
熊谷:まあでもほんとにそれもあって、お客さんにも結構影響されると思うんですけどそこはやっぱり影響されずに100%出せるバンドがプロなんだろうな。

—熊谷さんは特にいろんなバンドやってるから経験が豊富だと思うのですが、客層が違うとどんな感覚になるんですか?the dadadadysのお客さんとHelsinki Lambda Clubのお客さん、で、Group2のお客さんって全然タイプが違うと思うんですよ。
熊谷:そうですね。

—年齢も違うだろうし。演奏している側からすると何か違いがあったりするんですか?
熊谷:お客さんのテンションというか、会場の空気感で心持ちがだいぶ変わりますね。こないだとかは熱気がすごかったので。

—川崎クラブチッタ?
熊谷:はい。そういうのに引っ張られてしまう感じはしますね。逆に、別に悪いことではないんですけどお客さんが静かに聴いてる日とかもそのときはそのときで、ちゃんと聴かせてあげようという気持ちでやりますけど。そこのモードのすり合わせというか。そういうのはありますね。その点、小池貞利はプロというか。すごいなと思いますね。いつも120%出してる。

—ヤングオオハラとかも客層全然違うと思うんですけど。
儀間:そうですね。

—その違いでプレイが変わることってありますか?
儀間:ヤングオオハラは自分で曲を書いてたということがでかいかもしれないです。どうなったって自分の曲だしなんでもいいやっていうのが多分あって。だから、そんなムラを感じてなかったです。こういう日だな、こういうライブの曲だなみたいな。

—たしかに責任の取り方が変わりますよね。
儀間:そうですね。

—自分がリーダーでいるところと身を預けているところと。そう考えると熊谷さんは面白いですね。役割がたくさんあって。
熊谷:そうですね。

—それこそ最近、Guibaっていう新しいバンドを組みましたよね。そのバンドではどういうポジションなんですか?
熊谷:そのバンドはまだライブもしたことないので、全然わかんないんですけど。どうなんだろうなあ…。まあそのGuibaに関してはまだ僕もわかんないです。どうなるのかは。

—作曲は誰がしているんですか。
熊谷:ボーカルがしてますね。Shaikh Sofian(odol)がベースで。


—みんなthe dadadadysに参加する前は違うバンドで活動してましたよね。
山岡:全然違いますねえ。

—山岡さんはメイクもしてましたからね。
熊谷:そうですよね。
一同:笑
山岡:笑うのやめろよ。笑

—メイクはもうしないんですか?
山岡:メイクねえ、しないですねえ。目、黒く塗ってましたもんね。笑
儀間:オールバックでメイクして。笑
熊谷:かっこいいと思いますよ。
儀間:うんかっこいいと思う。
山岡:うーんやだなあ。笑

—山岡さんが困っているので話題を変えます。みなさん、これまでにたくさんライブやってきてると思うんですけど好きなライブハウスとかってありますか?
熊谷:好きなライブハウス…。
山岡:あー。あるなあ。
熊谷:僕は結構、トイレが綺麗なライブハウス。
一同:笑

—面白いですね。こういう話って聞けないですもんね。汚いところは言いづらいと思うので、どこが綺麗でした?
熊谷:そうですね。綺麗…名古屋のCLUB QUATTROはまず。綺麗だし、広いし。あとはー。パッと出てこないんですけど。
儀間:トイレ行きたくなってきた。
一同:笑
山岡:あーチッタも。
熊谷:あ、チッタも。広くて綺麗ですね。
儀間:大きい会場だと綺麗なところが多いですね。
山岡:水回りがちゃんとしてるというか。
儀間:そうそう。
山岡:最近はあまりないけどたまに客さんと同じトイレを使うとか。
儀間:あー。
山岡:とかは、なんかちょっとこっちも気を遣ったり。笑
熊谷:トイレが綺麗な箱、他はパッと出てこないですね。

—いやでも面白いです。好きな理由が音響とかステージとかじゃないところが笑
儀間:ごめんなさい、まじで1回トイレ行ってきていいですか。
一同:笑
- 休憩 -

—では好きなライブハウスの続きから。
山岡:俺、結構まじめな切り口からなんですけど。京都磔磔がすごい好き。

—Helsinki Lambda Clubはやったことない場所ですよね?
熊谷:やったことない…僕が入ってからはないですね。

—儀間さんもない?磔磔
儀間:ないですね。
山岡:磔磔って元々京都に、関西出身なんでよく行ってたんですけど。何回か出たこともあって。木なんですよね、床とか全部。ステージの真ん前に御神木と言われてる、すっごいでっかい木の柱があってめっちゃ邪魔なんですけど。なんか磔磔だったら許せるんですよね。象徴というか。それで楽屋もでかいし、その磔磔の楽屋って過去出演してたバンドの立て看板とかそのまま飾ってあって。忌野清志郎さんのやつとか。すげえ歴史があるなあっていつもテンション上がるんですよね。そこに出る時もそうですし、音も好きなので観る側でも好きだなあと。

—次のツアーで磔磔ありますよね。
山岡:はい。楽しみです。儀間はどう?沖縄から東京に来て。いろんなところでやってると思うけど。
儀間:そうですね。北海道のKLUB COUNTER ACTIONとか。なんか大きくて。

—パンク小屋ですよね?
儀間:そうです。音がダンッ!ってなんかすごかったです。やったときほんとに外音みたいな中音っていうか。音量もあったのかもしれないですけど。なんかライブ感がすごいあるなって弾いてて。自分のモニターからも、横からも全部くるみたいな。面白かったですね。
山岡:中も外も一緒?
儀間:まあ、外は俺聴いたことないんであれですけど。あとほぼお客さんとステージの高さがあまり変わらないんで。フロアライブっぽくていいなあと思って。
山岡:フロアライブいいよなあ。
儀間:そうですね、まあでも目が合うの嫌ですけどね。笑 お客さんと。
山岡:ちょっと恥ずかしいもんな。
儀間:はい、恥ずかしいっす。笑
熊谷:札幌だったらcube gardenがトイレ綺麗です。
一同:笑
山岡:前出たっけ?
熊谷:出た出た。
儀間:たしかに大きいトイレ。トイレ綺麗。笑
山岡:これから太起が全部トイレの情報を答えてくれるで。
儀間:それ面白いですね。笑
山岡:面白い。
熊谷:音がいいというと、SOCORE FACTORYが。
山岡:そこ!それ迷った。SOCORE FACTORYすごいいいよね。
熊谷:本当に。
山岡:ステージがめちゃくちゃ高くて。で、そのステージとフロアの間のここにスピーカーがどんって生えてる感じなんですよ。
熊谷:めちゃくちゃいい。あそこ好きだな。
山岡:うん、音で言ったら一番好きかも。
熊谷:うんうん。前の方で聴いてたら本当にいい。めちゃくちゃ包まれる。


3
—ライブハウスの話繋がりで印象に残ったライブってあります?最近でも昔でもいいです。
熊谷:the dadadadysでですか?

—the dadadadys以外でも。
儀間:なんだろうなあ。
熊谷:ツアーで岡山ペパーランドにHelsinki Lambda Clubで行ったんですけど。コロナ中だから手作りのマスクみたいな防護服?というか宇宙服みたいなのを全員お客さんに配られて、それを全員つけた状態でライブしたんですけど。
山岡:すごっ。
熊谷:それめちゃくちゃすごかったです。
儀間:へえー。
山岡:すごいなそれ。
熊谷:あの光景は今後多分見れないと思うので。
山岡:時代だねえ。
熊谷:時代ですね。

—やっぱり演奏してる側の目線として、例えば外国人って口を隠さず目を隠す、で日本人は目を隠さず口を隠すっていう。笑っている絵文字とかも日本と外国だと違うじゃないですか。お客さんが全員マスクしてる光景ってなんかやりづらかったり?口元が見えないと表情が掴みづらいじゃないですか。
儀間:あーでもたしかに。なんか最初の頃とか声出しもNGだし。どう思って聴いてるんだろうなみたいな。動けないし。
熊谷:そうですね。本当にMAXでキャパの制限が厳しかった時とかはやっぱりライブの違和感はすごいありましたね。
儀間:たしかに、等間隔で人が立ってるという。笑 なんか見られてる感が結構強い。

—それはやっぱり演奏しているうちに慣れていくもんなんですか?そういう環境って。ずっと慣れないままですか?
熊谷:あーでも、慣れましたけど、やっぱりこうやって昔のように戻ってくると、やっぱりこれだよなって感じではありますね。
山岡:こうだったよなあってなんか思い出す感じか。
熊谷:だし、まあこっちの方がいいなあっていう感じですね。リモートライブとか特に無観客だと。
儀間:そうですね。
熊谷:やってましたね、無観客。
山岡:俺、あんまりコロナ禍でライブってそんなにしてなかったんですよね。表情見えんとどう受け取ってるか分かりづらいとこがあって。その合ってんのかなあ?みたいな弾いてて。不安になる部分が多かった。今はマスクもしてるけど声出してよくなったりとかしてるので、リアクションがダイレクトに伝わるとやっぱり反応ってめっちゃ大事なんやなあって最近思ってます。儀間はある?印象に残ったライブ。
儀間:そうですね。それこそコロナの流れでいくと、大阪でのWアンコールのとき、その頃は徐々に緩和されて声も出せるようになっていて、小池さんひとりで「光るまち」歌ってて。あの曲はライブハウスの歌じゃないですか。それでお客さんがぎゅっとなって観ているのがなんか、ライブハウスってこうだったなあみたいな。それがすごく戻ってきたなあ感があってよかったです。
山岡:みんなうるうるしてたもんな。
儀間:そうですね!俺も袖で観ながら、めっちゃいい曲だな!って。
一同:笑
山岡:たしかに。
熊谷:それ印象深いね。
儀間:最近だとそうですね。昔だと、前やってたバンドが始めたてぐらいのときにみんな若かったので、破壊衝動とかがあって。ボーカルがフロアに降りてライブの最後にテレキャスターを何十回もたたきつけて完全に破壊するという。それは印象に残ってます。バラッバラですよ。ドン引きしてました、お客さんが。笑

—バンドをやってると、ミュージシャンでしか持ちあわせない感覚みたいなことがすごくあると思うんですけど。バンドをしてて衝撃を受けたことってありますか?たぶんみなさんいろんな経験をしているから、不感症になってきてると思うんですけど。
山岡:あー。音楽に対して衝撃を受けたってこと?

—音楽に対してでも、日常生活でも。そういう衝撃みたいなのがあれば。
儀間:最近、俺自炊を始めて、家の飯ってこんなにうまいんだって衝撃を受けました。笑
一同:笑

—ずっと自炊してなかったの?
儀間:あんまりしたことなくて、本当にもう簡単なやつくらい。ちゃんとレシピとか見ながら、みりんとか酒使うとこんなに上手くなるんだみたいな。笑 うまみってすごいなって。
山岡:結構すぐそばに衝撃があるな。笑
熊谷:たしかに。笑
儀間:音楽でわーっとなることは、たしかに不感症気味かもしれないですけど。ご飯とかは結構あるかもしれないです。太起さんは料理しますか?
熊谷:僕しますね。最近、激うまナポリタン作りました。
儀間:言ってましたね。笑
熊谷:ちょっとどこかで披露したいですけどね。
山岡:それも衝撃なのか。

—みなさんものを作る人じゃないですか。それってエフェクターの配列の仕方と考え方が一緒かもしれないんですけど、調理する手際だったり盛り方だったり、そういうところで職業病みたいなのが出ちゃう気がしてて。パスタを作るのも拘ってめんどくさい作り方をしたりとか。もちろん性格にもよるんですけど、例えばカップラーメンを3分ちょうどで食べないと気が済まないとか。水が250ml必要だったらぴったり測って入れないと気が済まないとか。
儀間:あー!俺そうですね。
熊谷:意外だなあ。
山岡:意外だねえ。俺感覚。

—感覚の人と、ぴったりやる人と性格が分かれると思うんですよ。
儀間:俺嫌なんですよ、まずくなるのが。時間通りじゃないと、ちょっとまずくなるんですよ。
熊谷:たしかに。

—でも例えば、味が濃いのとか薄いのが好きとかあるじゃないですか。水250mlのところ敢えて230mlにする人とか。
儀間:あーそれは全然しますけど。基本はマニュアル通りに。

—そこに衝動は必要ないんですね。
儀間:たしかに。笑
一同:笑
熊谷:全然衝動性がない。笑
山岡:それ俺、プレイに出てるなって思うときがあります。ギターとか。結構適当な感覚でやっちゃうから。

—でも山岡さんの方がきっちりしてそうな印象ありますけど。
儀間:そうですね。
熊谷:たしかに。
山岡:今俺意外でした。
儀間:あ、でも僕の中では衝動とは思ってないです。割と真面目にしっかりやってるつもりです。

—緻密派ですか?
儀間:意外とそうですね。適当なところは適当なんですけど。

—ギターのアレンジと一緒で、例えばパスタを作ります。ネットで調べると分量とか何が必要かとか出てくるじゃないですか。でも、俺は違うぜ、俺はあえてこう作るぜみたいなことってあるんですか?熊谷さんは?
熊谷:ありますね。僕も全然目分量でやるんで。目についたものを適当に混ぜたりとか全然します。

—小池さんとかどうなんでしょうね。
山岡:あー。笑 貞ちゃん、カレー作るの好きだったりしたし。
熊谷:そうですね。
儀間:うまいしなご飯…。
山岡:うまいよね。
熊谷:でもたしかにきっちりやってるのか、(感覚でやってるのか)どっちもありえますね、貞ちゃん。
儀間:たしかに。そう考えるとミュージシャンが作る料理って気になりますね。性格出てたりしますもんね。
山岡:料理対決やりたいなあ。
熊谷:めっちゃ面白そう。

—稲葉(Helsinki Lambda Club)とかイメージでいくと作れなさそうじゃないですか。
熊谷:稲葉は作れないです。でもチャーハンとペペロンチーノだけ作れるはずです。
山岡:基礎。笑
熊谷:基礎。簡単で作れるから。いっぱい作って、飽きてまったくやらなくなるみたいなタイプですね。稲葉は。

—橋本さんとかは自炊してるのかな?
熊谷:薫くんも結構してるっぽいですね。

—してるんだ。彼はタイ料理とか作りそう。
熊谷:あーたしかにそうですね。
山岡:たしかに作りそう。笑 わりとそういうスパイスとか。
熊谷:薫くんは分量とか適当にやってそう。意外とそういう細かいの適当にやってたりしますからね。

—橋本くんって血液型なんでしたっけ?
山岡:B型だっけ?儀間は何型?
儀間:A型ですね。

—the dadadadysって全員A型?
儀間・山岡:ほぼ。
山岡:俺もAで、貞ちゃんもA型。
儀間:yuccoがB型です。
山岡:健ちゃんAB型。

—じゃあギター弾いてる3人がA型。
儀間:3人A型ですね。

—熊谷さんは?
熊谷:僕A型です。

—うわっ。
一同:笑
山岡:うわっ!って。笑

—A型しかいない。笑 A型はややこしい人が多いイメージ。
山岡:ややこしいかなあ?
熊谷:緩いのかな?と思ったらここめっちゃ拘るじゃんみたいなのありそうですね。A型って。
儀間:たしかに。
熊谷:それは僕もある気がする。
山岡:よく言われる気がするなあ。
儀間:ちょっとA型の自覚し始めてきました。A型だからなのかはわからないですけど、俺ちょっとめんどくさいかもなって。

—職業柄か、なんだかややこしいって思う人はだいたいA型。たまたまかもですが。
一同:笑
熊谷:それはA型としてちょっと恥ずかしいな。
儀間:日本人ってA型が一番多いんですもんね。血液型を信じる人も信じない人もいるので。
熊谷:まあそうですね。

—話を「衝撃」に戻しますね。
山岡:衝撃ねえ。でもマジ不感症かもしれないです、そういったら。マジでないかもしれないです。衝撃受けたことは最近。…ギター練習してて。ちゃんとギターのケアもして。で、自分でも、ちょっとうまくなったじゃんって思ったんですよ。それにちょっとびっくりしました。
一同:笑
儀間:自分に。笑
熊谷:まだ伸び代があるみたいな。
山岡:そう!まだまだうまくなるんだギターって。ギターやりはじめて長いじゃないですか、10何年やってきて。あ、もうこんな感じなのかなって思ってたら、ちゃうかったのにびっくりしました。あ、頑張ろう!って。笑
熊谷:結局、ギターの話になっちゃった。


4
—では、普段音楽のインプットってどういうところからインプットしますか?
山岡:やってて気づいたんですけど、インプットとアウトプットを、俺同じ時期にできないなって気づいて。例えばレコーディング中は音楽を聴くモードになれなくて。今はレコーディングが終わって、音楽を聴く時間を作ろうとしてて、その期間にどれだけ音楽を聴けるかというのを考えつつ、意識的に音楽を流すようにしてますね。家では。

—音楽をやる上でのインプットって、やはり音楽になるんですか?
山岡:あ、でもそうでもないと思う。映画のワンシーンを観て作ったフレーズとかもあったし。こういう感じにしたいなあとか、フレーズとか過去にもありますし。いろんなところからですね。結構インドアかもしれないです。外に出てとかよりかは、家の中で映画観たり漫画読んだりとかしてるときの方が多いです。

—アウトドアになる気はないんですか?
山岡:そうですねえ。旅に出たくないので。笑 書も捨てないですし。

—寺山修司さんもがっかりですね。私はみんなより世代がずっと上なので感覚が違うかもですが、今までヘイトをしていたものとか、それこそ偏見とか、そういうものがだいぶなくなってきたんです。だから今まで苦手だと思っていたものをやってみたりすると、意外と楽しかったりとか。新しい価値観とかが見えたりすることに、歳をとってだいぶ気づいてきたんですよね。なので山岡さんが例えば、海とか行って、水着着て、はしゃいでたりすると新しい山岡さんが発見できたりと。
熊谷:それはありますね。
山岡:俺まだたぶんダメです。
熊谷:いや、全然変わりますよね。大人になってから全然変わりますよ。
山岡:絶対マシにはなってきてるのはわかってるんですけど。

—Helsinki Lambda Clubってメンバー3人見てると、偏見を持たずに楽しいことやってるなと。義務みたいな空気もなく、健全だなって印象があるんですけど。
儀間:分かります。
熊谷:そうですね。偏見はマジでなくなりましたね。昔は知らないものとか嫌いだったかもしれないです。それこそWBCとか。昔、友達に連れられて野球を観に行ったこととかありますけど、なんかそこから興味が湧くとかなかったです。でも、今回のWBCとかすごい感情移入しちゃうくらい観たりして。そういうのはここ数年で結構増えました。格闘技にハマったりとかありましたし。

—そこから予期せぬ得るものとかあったり?
熊谷:そうですね。具体的にこれってのはないんですけど、やっぱり音楽とかだと不感症になるみたいなの実際めちゃくちゃあったので、自分がまだ何も知らないところを知ると心が動くので、逆に最近いろんなものに興味あるというか。受け入れる体制がすごく整っている感じはしますね。

—ちなみに熊谷さんは最近どんな映像に興味がありますか?
熊谷:TikTokとかでクレープ屋がずっとクレープ作ってる映像とか観てます。
儀間:クレープ屋がクレープを作ってる映像?ずっと料理している映像?
熊谷:ライブ配信とかやったりしてるので、つい観ちゃいますね。

—その面白さを言うならば?
熊谷:いやなんですかねー。まあクレープは結構観てても面白いですね。

—テクノっぽいとか?
熊谷:そうですね。テクノ的な様式美みたいなのあるかもしれないです。

—ミニマルというか?
熊谷:ぐるっとまわって、クリーム塗って。
儀間:テクノクレープ…。
熊谷:クレープはテクノかもしれない。


—読んでる人は「は?」って思う話をしますけど、東京の篠崎にある某らーめん屋がマジで人力テクノなんですよ。マスターが絶対に弟子には作らせなくて。機械的な動きを寸分の狂いもなく半永久的に。
熊谷:行ってみたいな。
儀間:それは面白そう。
山岡:見たいな。

—BGMがいつ行っても矢沢永吉で。
一同:笑
熊谷:たしかにそういうミニマルな動きが好きかもしれない。肉焼くのとかもめっちゃ見れるんですよ。自分で焼くのも好きですけど。

—無意識に作り手の視点なのかもしれないですね。
熊谷:どうなんですかね。
山岡:(ギターに)繋がることとかもある?
熊谷:あーでもたしかに、なくはないかもしれない。肉を焼くと火加減で入り方が全然違うから。ほんとにちょー弱火でずっと焼いて中にじっくり通るみたいなのがいい肉もあれば。ガッと焼いて、表面だけしっかり焦げ目もつけてみたいな。
山岡:フルテンもいいし。(*アンプのコントロールツマミを最大値にセッティングした状態)
熊谷:そういうこじつけ。笑 そういう視点もたしかにある。

—では儀間さんは?インプットの話。
儀間:インプット。さっきの話で言うと、町中華の1日みたいなのをずっと。カチャカチャカチャってフライパンをまわしてるのとかずっと見てたりしますね。


—もしかして病んでます?おふたりとも。
一同:笑

—現実逃避的な?
儀間:いやでも面白いですよ。ずっとご飯を作ってる映像。鉄板焼きのお店とか音もいいし。こじつけかもしれないですけど。笑
熊谷:はいはいはい。たしかにね。
儀間:なんか心地いいっちゃいいなあというか。あとやっぱりご飯好きなんですよね。グルメ漫画とかもしょっちゅう読んでますし。錬さんは興味ないですか?
山岡:いやなんかそのー音楽凝りすぎると、ワールドミュージックにいったりするじゃん?その感覚?
儀間:どうなんすかね。
山岡:環境音とか?
熊谷:あでも、そういう要素もあるかもしれないな。
儀間:ずっとホワイトノイズ流してる人とか。
熊谷:それはちょっとすごいな。笑
儀間:インプット…。僕でも音楽はインプットするときにするんですよね。例えばレコーディングがあります。バンジョーがスタジオにあったから、バンジョー弾いてみて覚えて、その場で色々調べたり、新曲でカントリーっぽい曲があったら、もうその期間はずっとカントリーしか聴かないとか。手癖とかをなんか。昔ジャズを弾いてみたくてジャズギターの人がインタビューでこういうフォームを覚えるとか、スケールを覚えるよりも聴いた方が早いみたいな。こういうリズム感でやったらジャズっぽくなるみたいなのがあったので、それでずっと同じのを聴きまくって体にいれるみたいなのはあったかもしれないです。

—なるほど。ありがとうございます。これで聞きたいこと聞けたと思います。一切リリースの中身について話してないんですが。
山岡:それはそれでいいかもしれないですね。

—ではそろそろ山岡さん、鼎談を締めましょうか。
山岡:はい。そろそろ締めましょうか。
熊谷:最後に今作で各々のおすすめポイントは聞いてみたいですね。
山岡:(配信EPを)聴いた?
熊谷:聴いた。
山岡:なんだろう。聴きどころ?
儀間:スライドとか?
山岡:スライドとか、ギタリスト的な表現を幅広くやってるなぁと。
儀間:たしかに。
山岡:まぁスライドのギターとかもそうですし、カントリーみたいなのやったりとかもそうだし。ワウギターとかもね、使ったりもしてるから。
儀間:たしかに。
山岡:何でしょう。やっぱりギターの話になっちゃいますね。

—ギター以外だと?
山岡:えー。笑 何やろ、とにかくそのときやりたかった好きなことみたいなのをやってるので、それがうまいことでてるアルバムなので聴いてて気持ちいいと思うんですよ。だから、笑
熊谷:だから?
山岡:だから何っていう。笑
熊谷:今回ボリュームもありますしね。説明難しいですよね。でも聴きごたえありましたね。まあ前作がとっかかりになってたんだなというのが伝わる2枚だったなと思いました。でもほんとにやりたいことがたくさんあって。こっからまたどんどん変化していくんだろうなと感じたので。貞ちゃんのコアとなる部分はぶれてないので。より多くの人が聴きやすいというか、間口が広がった感じがしました。
山岡:儀間はどう?
儀間:何ですかね。幕の内弁当みたいな感じになってるんじゃないですかね。いろんな味が楽しめる。音のデパート。笑
山岡:音のデパート。笑 食レポみたいになってる。
儀間:ですかね。むずいな。あ、でもなんか噛めば噛むほど味が変わってくるような作品かなとは思いますね。レコーディング終わって改めて聴いたらあそこが意外といいなあとか、もっとこうしたかったなあとか出てきたりとか。聴く人ももしかしたらリリース後と1年後に聴いても違う楽しみ方ができると思います。
山岡:では、これで締めますか。笑 鼎談のタイトルが詐欺のような内容になってますが、僕はもう大丈夫です。笑


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<リリース情報>

アーティスト:the dadadadys
EPタイトル:「だ」
品番:UKCD-1204
JAN:4514306020205
レーベル:UK.PROJECT

収録曲
1.(許)
2.にんにんにんじゃ
3.あっ!
4.♡
5.らぶりありてぃ
6.東日暮里5丁目19-1

https://thedadadadys.lnk.to/DA_EP1

UKCD_1204

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アーティスト:the dadadadys
EPタイトル:「da」
品番:UKCD-1205
JAN:4514306020212
レーベル:UK.PROJECT

収録曲
1.anthem
2.nantekotta
3.gesewa
4.harikiri samurai
5.k.a.i.k.a.n
6.waiting for us.

https://thedadadadys.lnk.to/da_EP2

UKCD_1205


<関連サイト>

the dadadadys Official Website
Helsinki Lambda Club Official Website

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