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【UKP OFFICIAL LIVE REPORT】UKFC on the Road 2014@新木場STUDIO COAST DAY1

4周年を迎えたUKFC on the Road。2014年は全国4ヶ所5公演のツアーに加え、エクストラ公演として「UKFC on the Road 2014 extra in MONSTER baSH」の決定。さらにCDリリースとUKFC on the Roadへの出演権を賭けたUK.PROJECTのオーディション「Evolution!Generation!Situation!」の開催と、それぞれのトピックに大きな反響を集めた年となった。
「ベテランも新鋭も、著しくジャンルが違ってもやっぱり「同じ釜の飯を食う仲間」。仲間であり、ライバルであるバンド同士が全力でぶつかりあうガチンコ感とアットホーム感は 「UKFC on the Road 2014」でしか味わえません。」という言葉を全国各地にて見事に体現したUKFC on the Road。UK.PROJECTオフィシャルサイトでは8/20、21に行われた新木場STUDIO COAST 2DAYS公演のライブレポ―トをお届けします。

[8/20:FRONTIER STAGE テキスト 金子厚武 / 撮影 Yuki Kawamoto/FUTURE STAGE :テキスト 森 泰一(FAMiLIES) / 撮影 Kazumichi Kokei]


8/20(WED) UKFC on the Road 2014 新木場STUDIO COAST DAY1

TOTALFAT

今年で4回目を迎える『UKFC on the Road』。トップを飾るのは、FUTURE STAGEのTOTALFAT。イベントの火付け役としては申し分ないどころか、強烈すぎるぐらい(笑)。メンバーもそれを強く自覚しているようで、期待に200%応える勢いでファストなナンバー「Highway Part2」をぶちかまし、フロアもいきなり沸点に。続く「PARTY PARTY」は、ヨコノリの要素も交えた鉄板ダンスチューン。王道のメロコアサウンドに程良いメタリック感、そしてShun(Vo,Ba)とJose(Vo,Left-Gt)によるツインボーカルが突き抜ける。
軽くMCを挟んだあと、フロント両サイドのShunとKuboty(Gt,Cho)がはっぴを羽織り、7/30にリリースされた最新シングル曲「夏のトカゲ」を披露。日本語詞と和メロが印象的なお祭りチューンで、タオル回しも巻き起こるほどの盛り上がりを見せた。それでも“まだまだ足りねーな!”ということで、コール&レスポンスを挟み「Room45」へ。キレの良い演奏に小気味よい歌メロが気持ちいい。クリーンサウンドによるアルペジオからライトハンドと、Kubotyのギターも冴え渡る。
ちなみに、彼らがUK.プロジェクト(以下UKP)のマネージメント部門に所属したのは昨年。UKPの人気レーベルRX-RECORDS所属のBIGMAMAとは高校の先輩後輩という関係でもあり、BIGMAMAの結成は高校時代、文化祭で先輩のバンドであるTOTALFATのステージを体験し、憧れを抱いたことが始まりだ。というわけで、TOTALFATはUKP内では新参者と言えるが、こうして東京公演の初日はイケイケの斬り込み隊長を務め、さらに翌日は大トリを飾る。先輩後輩など関係なく主役の座を取りに行く、そんなムキ出しの本気度も彼らの魅力だろう。
続く「Show Me Your Caurage」は、この日のメニューではもっとも古い2007年発表の楽曲。まさに7年前、イベントで初めてこのスタジオコーストに出演した時に演奏した曲であり、それはサブステージで味わった“悔しい気持ちを忘れたくない”という思いから。彼らは、ただ盛り上がるだけのパーティーバンドではなく、こういった部分でも観る者の気持ちを熱くさせる。そしてラスト「Place to Try」は、ファストながら泣きのメロディに熱いメッセージが込められた名曲。ガッツリ盛り上げ、早くもイベント全体の大成功を予見させる充実のステージだった。

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【set list】
01. Highway part2
02. PARTY PARTY
03. 夏のトカゲ
04. Room45
05. Show Me Your Courage
06. Place to Try


銀杏BOYZ

今年の1月に9年ぶりの新作『光のなかに立っていてね』と『BEACH』を2枚同時に発表するも、メンバー3人が脱退し、峯田和伸一人となった銀杏BOYZ。「UKFCは今年4年目で、ずっとオールラインナップと言ってきたけど、何かが足りなかった」という開演前のUK PROJECT遠藤氏の言葉通り、銀杏BOYZはUKFC初登場。それもそのはず、前回のライブは3年前に震災後の東北で行われたライブで、東京でのライブは実に5年ぶりなのだ。
ただならぬ雰囲気の中、短パン一丁の姿でステージに現れた峯田は「興味ない人は帰って、適当にやっから」と言いつつも、一人でもバンドを続けて行く決意を語り、「銀杏BOYZ、歌います!」と言って、“人間”が始まった。途中の「戦争反対」を「原発反対」に変えて歌い、「反対でも賛成でもそんなことはどうでもよくて、そのどっちでもない僕のようなあんたたちに歌いたい」と、オーディエンスに熱く語りかけていく。
“夢で逢えたら”に続いては、かつて「解散を発表したオールナイトニッポンでの最後の演奏が今でも忘れられない」と語ったことのある、ユニコーンの“すばらしい日々”をカバー。「僕らは離ればなれ」と歌い出すこの曲は、元メンバー3人に捧げられたかのような印象を受ける。さらには、「ボーイズっていうのに、一人じゃないですか?って言われるんです。でも、聴こえませんか?あいつが鳴らしてるギターや、ベースや、ドラムが。鳴ってないけど、見える音ってあるんです」という言葉に客席からのすすり泣く声も聞こえる中、歌われたのは“光”。美しいライティングの中で歌う峯田の姿は、実に幻想的だった。
「最後に一発SEXして帰ります」と言って、最後に披露されたのは、唯一の新曲“なんでこんな好きなんだろう”。タイトルのフレーズを延々繰り返すこの曲の最後で、峯田は「I love you I miss you」と歌う。愛してる。寂しいよ。なんでこんな好きなんだろう。今もブルーにこんがらがったまま、銀杏BOYZ=峯田和伸はこれからも歌い続ける。

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【set list】
01. 人間
02. 夢で逢えたら
03. すばらしい日々(COVER)
04. 新訳 銀河鉄道の夜
05. ボーイズ・オン・ザ・ラン
06. 光
07. なんでこんなに好きなんだろう


松本素生

GOING UNDER GROUNDのボーカル&ギター松本素生は、アコギによるソロでの弾き語りスタイル。1曲目「思春期のブルース」は、松本が20歳の時に作った曲で、同タイトルのインディーズ2ndミニアルバム(1999年)をUKPからリリースしているという、意外にも古い縁。そんな冒頭のMCに続き、ギターを弾き始める。が、いきなり弦が切れるというハプニング! しかもスペア弦は持って来ていないと言う(笑)。急遽、直前にFRONTIER STAGEを終えたばかりの銀杏BOYZ峯田からギターを借りることに。トラブルが、こんなアットホームなエピソードに変わってしまうのもUKFCならではだ。気を取り直して1曲目を伸びやかに歌い終え、続くは「詩人にラブソングを」。2011年発表のアルバム『稲川くん』収録の楽曲で、その詞はアーティストへの戒めとも取れる内容。松本の父親は売れない陶芸家で、子供の頃は貧乏この上ない生活だった。でも、自分がミュージシャンとして10年以上、曲を書き、歌い続けてきて、親父の気持ちがわかるようになったと言う。三拍子のリズムから、サビでは8分の12になる展開が弾き語りながら独特の世界観を描き出し、会場全体が引き込まれていくのが感じられた。
3曲目は「東京」。10年近くも前の楽曲になるが、今まさにこの会場にいる大多数の若者にリアルに響く名曲だ。デビュー当時からGOING UNDER GROUNDがエバーグリーンな魅力を放っていたのは、松本の声の魅力とメロディセンス、そしてやはり、この曲にも典型的に表れている詞の良さにあると思う。そのことをシンプルな弾き語りであらためて、より鮮明に感じさせてくれた。ラストは“今日のこういうフェスにぴったりの曲を”ということで、やはりエバーグリーンな名曲「トワイライト」。“主役が君と僕の脇役のいないストーリー/主役は僕と君で それぞれほら違うストーリー”という詞が、一人ひとりの胸に響き渡ったはずだ。

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【set list】
01. 思春期のブルース
02. 詩人にラブソングを
03. 東京
04. トワイライト


BIGMAMA

今年のフジロックにはARCADE FIREが初登場し、圧巻のステージを繰り広げたことも記憶に新しいが、「日本のARCADE FIRE」と評されるいくつかのバンドの中にあっても、クラシックをモチーフとした音楽性はもちろん、そのスケール感なども含め、「BIGMAMAこそがその最右翼だ」と言っても、決して大げさではないはずだ。最新作『Roclassick2』のオープニングナンバー、ブラームスの“ハンガリー舞曲”を引用した荘厳な“Animanimus”で幕を開けたこの日のステージを見て、僕はそう思わずにはいられなかった。「喜びの歌です!」と言って披露された“No.9”や、大合唱を引き起こした“Sweet Dreams”での祝祭感という意味においても、やはり彼らとARCADE FIREには確かなシンクロが感じられる。
金井政人は途中のMCで、レーベルとイベントに対する愛情を、「音楽をやっていたら、家族ができました」と表現した。ARCADE FIREはサポートメンバーを含めてステージ上に十数人が入り乱れ、文字通り大家族のような結束力を見せるが、BIGMAMAのステージ上にいるのはメンバーの5人のみ。しかし、彼らにはレーベルという家族が、そして何より、バンドへの愛に溢れたオーディエンスという家族がいる。前述のMCに続いて、「この日にふさわしい曲を」と言って披露されたのは、UK PROJECTから発表された最初のフルアルバム『Love and Leave』のオープニングを飾る“the cookie crumbles”。さらには、『Roclassick』から、ドヴォルザークの交響曲第9番“新世界より”を引用した“荒狂曲“シンセカイ””を畳み掛けると、この日の前半戦最大とも言えるモッシュとダイブの嵐が巻き起こった。最後はテンションの上がった金井が客席へとダイブし、揉みくちゃになってライブが終了。愛すべき家族にその身を支えられた金井は、きっと満面の笑みを浮かべていたに違いない。

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【set list】
01. Animanimus
02. Swan Song
03. No.9
04. Mr. & Mrs. Balloon
05. Sweet Dreams
06. the cookie crumbles
07. 荒狂曲“シンセカイ”


Pee Wee Gaskins

インドネシアのメロコアバンドPee Wee Gaskinsのステージに先立ち、TOTALFATのShunがMCを務める。今回の来日は、TOTALFATが昨年末インドネシアの大規模なフェスに招かれた事への、言わばお返しのような形で実現したといったようなエピソードを紹介。程なくして、ユニフォームを思わせるデザインのバンドTで揃えたメンバーが登場! 結成は2007年で、Dochi(Ba,Vo)、Sansan(Gt,Vo)、Ai(Gt)、Omo(Kb)、Aldy(Dr)という5人編成だ。第一声“元気ですかー、新木場!”という叫びと共に、演奏がスタート。そのサウンドは、王道のメロコアでありつつも、ドラマティックな展開で緩急をつけたりと、やはり確固たる個性がある。また、言葉の問題や移動の疲れなど、あらゆる面が逆境と言えるが、そんなことは微塵も感じさせない。
最初のMCでは、TOTALFATのメンバーが吹き込んだとしか思えないギャグで盛り上がる(笑)。続いて、きゃりーぱみゅぱみゅのカバー「CANDY CANDY」を放つと、客席がより大きく揺れ始めた。日本のバンドが持つタイトさは求めていないようだが、逆に日本人には出せない独特な躍動感が魅力的だ。続いてまたもTOTALFATメンバーが吹き込んだと思われるギャグで、会場は爆笑の渦に。もちろん演奏のほうもさらにヒートアップし、DochiとSansanによるツインボーカルもどんどん際立ってくる。最終的にはステージと客席が一体となって、初めての出会いを楽しむことができた。終演後の深い余韻を残す暖かい拍手も印象的だった。UKFCにとっても、世界進出という野望への貴重な第一歩として刻まれたはずだ。

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【set list】
01. No Strings Attached
02. Sassy Girls
03. Just Friends
04. Candy Candy
05. You and I Going South
06. Jumping jupiter


MO’SOME TONEBENDER

昨年はFUTURE STAGEでエレクトロニック系の曲を連発し、阿鼻叫喚のステージを繰り広げたモーサムが、今年はFRONTIER SATGEに登場。ステージは違えども、やはりUKFC最大の異物はこのバンドだった。
一曲目は武井靖典が「祭」と書かれた大きな団扇で客席を煽りまくる、文字通りフェス対応のビッグなダンスチューン“FEEVEER”。続くモーサムのロマンティックな側面が凝縮された名曲“Have you ever seen the stars?”、「みんなUK PROJECT好きなん?俺はそうでもない」という百々和宏の不遜なMCに続く、“ロッキンルーラ”や“未来は今”といったロックンロールナンバーは、昨年聴けなかった「モーサム的王道」と言いたいところだが、今のモーサムには王道も異端もあったものではない。バンドサウンドだろうが、エレクトロニックだろうが、ただただモーサムはモーサムなのである。
その証拠に、ライブ後半戦は一曲ごとの色が見事にバラバラ。武井がお馴染みのライトセーバーを持って飛び跳ねるトランスチューン“Lost in the City”では、電飾のついた衣装を纏った武井を、藤田勇がミニライトで照らすというパフォーマンスも。さらに疾走感と高揚感を併せ持つサイケデリックナンバー“Shining”で一度は絶頂に登りつめるも、最後はそこから再び奈落に突き落とすようなトラッシーな極悪ロックチューン“凡人のロックンロール”でフィニッシュ。電光掲示板のついたヘルメットを被った武井、その横で身をよじらせながらノイズを繰り出す百々、その反対側で終始マイペースな藤田と、その見た目からして最後まで三者三様。ついてこれるやつはついて来い。スーサイドロックンローラーコースター、MO’SOME TONEBENDER。今年も最強&最狂でした。

【0820】UKP_MOSOME0820MG_4950

【set list】
01. FEEVEER
02. Have you ever seen the stars?
03. ロッキンルーラ
04. 未来は今
05. Lost In the City
06. Shining
07. 凡人のロックンロール


pirukuru

次に登場するのは、UK.PROJECTオーディション2014『Evolution! Generation! Situation!』で特別賞を受賞したpirukuru。まずは自称『Evolution! Generation! Situation!』の親善大使、the telephonesの岡本伸明が登場(実際、オーディションの命名と題字を手掛けた)。客席の受け入れ態勢を整えつつ、バンドへとつなぐ。
メンバーは、shoomac(Gt,Vo)、図師龍二(Dr)、谷弘平(Ba)というトリオ編成。1曲目「アルカラ」は、shoomacのエフェクターの使い方がセンス良く、バンドの空気感が伝わりやすいミドルテンポの楽曲だ。ポップなメロディに、図師と谷のコーラスも光る。続く「lyrics」は、疾走感たっぷりの楽曲。普段とは違うステージに緊張もしているのだろうが、おそらく何百回と演奏してきたであろう、完全に体に入った演奏には説得力と自信が感じられる。3曲目「going」も同様で疾走感に溢れ、さらにサビの詞とよく通る高い声がとても印象的。ちなみに図師は、60~70年代のロックドラマーを思わせる低いセッティングがカッコ良く、そのフォームやグルーヴからもプリミティブな魅力を放つ。そして共にリズムを紡ぐ谷はスピーディーなフィンガーピッキングでバンドにさらなるうねりを加えている。
ラスト「煙突」は8分の12拍子で、じっくり聴かせるナンバー。モジュレーションを効かせたアルペジオに、ノスタルジックなメロディと詞が切なく、それでいて熱く響く。shoomacがソロパートで、今日の喜びを表現するかのようにギターを高く掲げる姿も印象に残った。まだ荒削りな部分もあるが、それを差し引いても余りある魅力を持っているということは、誰もが感じたところだろう。近い将来、必ず台頭してくる…その姿が容易に想像できるようなステージだった。

【0820】UKP_pirukuru0820KKI1170

【set list】
01. アルカラ
02. lyrics
03. going
04. 煙突


the telephones

FRONTIER STAGE後半戦の一発目を飾るのはthe telephones!肩を組んで登場した4人の中でも、先日髪を切ったばかりという石毛輝はいつになく爽やかな夏仕様だ。一曲目は最新作『SUPER HIGH TENSION!!!』からのリードトラック“Hyper Jump”。BPMをやや抑えながらも、ダンスパート、ためパート、ラウドパート、そしてジャンプパートを見事に組み合わせた機能性抜群の一曲に続いて、シンセのリフと石毛のダンディーな声色がいかにもニューロマンティックな“Ex-Boyfrined”へ。この2曲で場内をしっかり温めると、BIGMAMAに負けじと、ARCADE FIRE“Wake Up”ばりのビッグなコーラスから始まる“I Hate DISCOOOOOOO!!!”で一気にBPMをアップ!すると、ネズミ花火を放ったかのようにオーディエンスが一斉にギアを上げて踊り出し、フロアの各所に大きな渦が広がっていく。このステージ運びの上手さは、さすがの一言だ。
火に油を注ぐがごとく、「去年の方が盛り上がってたんじゃない?」と軽く挑発すると、ここからはもう完全に彼らのペース。“It’s Alright To Dance(Yes!!! Happy Monday!!!)”ではノブと長島涼平がEXILEダンス(“Choo Choo Train”のやつね)を披露し、“A A U U O O O”ではみんなで人文字を作り、“Monkey Discooooooo”では石毛がブリッジをしたままギターソロを決めたりと、どの曲もとにかく楽しい。すっかりアンセム化したラストの“Don’t Stop The Move, Keep On Dancing!!!”から、おなじみとなった石毛のエフェクトパフォーマンス、最後の「We are DISCO!!!」コールまで、体感時間はこの日のアクトの中でも一番短かった気がする。
気づけばthe telephonesもUK PROJECTで中堅というべきポジションとなり、今年の夏フェスでは四つ打ちを主体とした若手バンドが大いに盛り上がるなど、世代交代は少しずつ進んでいる。しかし、the telephonesのように、確実に音楽的な進化を遂げつつも、徹底したエンタテイメント精神でライブハウスの楽しさを伝え続け、日本の音楽文化を更新していこうとする明確な意志を持ったバンドというのは、やはり他にはいないのである。

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【set list】
01. Hyper Jump
02. Ex-Boyfriend
03. I Hate DISCOOOOOOO!!!
04. It’s Alright To Dance(Yes!!! Happy Monday!!!)
05. A A U U O O O
06. Monkey Discooooooo
07. Don’t Stop The Move , Keep On Dancing!!!


Helsinki Ramadan Club

UK.PROJECTオーディション2014『Evolution! Generation! Situation!』で最優秀アーティストに輝いた、Helsinki Ramadan Club。またもやthe telephonesの岡本伸明が、自身のステージ直後に関わらず登場し、これから演奏する最優秀バンドを大プッシュ! メンバーは、橋本薫(Vo,Gt)、佐久間公平(Gt)、稲葉航大(Ba)、アベヨウスケ(Dr)で、1曲目「ルイジアナの類人猿」から、耳に残る言葉遊び的な歌詞と全員コーラス、独特なリズムパターン、稲葉の奇妙な動きなど、そのすべてに度肝を抜かれた。客席も、目と耳が釘付けになってしまった状態だ。続く「ユアンと踊れ」は軽快なノリで、さっそく客席も揺れ始める。いずれも、そのサウンドは轟音爆音系のギターロックとは対極にある、隙間を生かしたアレンジで、とても新鮮に感じられる。
3曲目「檸檬倶楽部」で決定的に感じたのは(あくまで個人的所感だが)、80年代のバンドブーム前夜の雰囲気。ライブハウスはまだアンダーグラウンドなもので、シーンの中心は下北沢ではなく、新宿や渋谷。とにかく人と違うことをやろう、という気概に溢れたトンガリキッズ(←当時の言葉)がしのぎを削り、独自のカルチャーを形成していた時代の雰囲気だ。その時代と彼らをつなぐバンドがあるとすれば、ゆらゆら帝国ぐらいだろう。
そんな考えを巡らせているうちに、早くもラスト「バンドワゴネスク」。軽妙な歌詞が面白く、他のアーティストが歌っても、ただふざけているとか下世話になってしまったりして、おそらく成立しない。そしてサビの“そんなことを考えて バンドをやっている”でコール&レスポンスというのが、また面白い。今年は、他のオーディションやコンテストなどでも好成績を残しているようで、意味不明なバンド名ではあるが(笑)、個性と実力は申し分なく(アイドル性も…?)、覚えておくべき名前と言えそうだ。

【0820】UKP_HELSINKI0820KAZ0840

【set list】
01. ルイジアナの猿人類
02. ユアンと踊れ
03. 檸檬倶楽部
04. バンドワゴネスク


POLYSICS

愛すべき後輩the telephonesの後を受け継ぐ形で、この日の出演者の中で最もキャリアのあるPOLYSICSが登場。大阪公演にDJで参加したハヤシは、その日の盛り上がりを受けて仙台公演にもアンコール出演するなど、まさに「Mr.UK PROJECT」といった感じの活躍ぶり。そんな彼にとって、「UK」の名が冠されたイベントであれば、CLUB QUEだろうが、STUDIO COASTだろうが、どこでも関係なく自分の庭になってしまうのだろう。
この日は平日の昼間からのイベントということもあって、若いお客さんが多く、一見キャリアのあるバンドには不利なようにも思えるのだが、彼らにはそんなことは一切関係なし。「TOISU!」はよくいかりや長介の「オイッス!」と比較されるが、実際あの名フレーズ同様、若い世代にもすっかり浸透しているし、“Let’s ダバダバ”のコール&レスポンスをはじめとした各曲の振付けにしても、それぞれが「アイーン」や「ダッフンダ」ばりの浸透度で、オーディエンスはみんな嬉しそうに反応している。
最近の一発ギャグは消費のサイクルが速く、これはもしかしたら音楽シーンにも言えることかもしれないが、POLYSICSに関しては古びる様子が一切ない。これは夏フェスなどの場で初見のオーディエンスも確実に虜にし、リピーターを増やしてきた結果であるように思うし、それができたのはハヤシのパフォーマンス力はもちろん、卓越したリズム隊の存在と、コンパクトな中にキャッチーなフックを詰め込んだ楽曲自体の魅力があるからに他ならない。
この日の出演者の中で最多の全10曲を一気に駆け抜けた35分。“シーラカンス イズ アンドロイド”じゃないけど、POLYSICSという生きた化石は何度もアップデートを繰り返して、これからもUKFCに君臨し続けるのだろう。そう、やはり「ニューウェイブ」とは音楽ジャンルではなく、常に新しくあり続けることなのだ。個人的に、この日のベストアクト。

【0820】UKP_POLY-820MG_0160

【set list】
01. ACTION!!!
02. Young OH! OH!
03. Lucky Star
04. Let’s ダバダバ
05. Digital Coffee
06. Beat Flash
07. MEGA OVER DRIVE
08. How are you?
09.シーラカンス イズ アンドロイド
10.Electric Surfin’ Go Go


asobius

この日のFUTURE STAGEのトリを飾ったのは、2011年に結成し、2013年にRX-RECORDSからデビューを果たした人気上昇中の注目バンドasobius。1曲目「starlight」から美しい旋律が炸裂し、聴き入っていたところに突然ハッとさせる展開を入れるなど、静と動のダイナミズムも巧みに操る。演奏もサウンドも、若手としてはかなりハイクオリティな部類に入るだろう。ちなみに甲斐一斗(Vo)の指揮棒を振りながら歌うパフォーマンスは、一度観たら忘れないバンドとして印象づけるためのものだそう。続く「rise」を終えると、甲斐が“去年のUKFCで、来年はFRONTIER STAGEでって言ったのにダメでした。ごめーん!”というMC。憎めない(笑)。
3曲目、アコースティックギターを導入し、コーラスが印象的な「world tree」では観客に歌わせることに成功。続いて1stアルバム『pray&grow』を代表するナンバー「discovery」で、壮大かつ心地良い空間を形成する。そして最後の曲「universurf」を披露する前に、この楽曲がライブ会場および通販限定シングルとして9/20にリリースされることを発表。“ラスト1曲、俺たちとFUTURE STAGEの伝説を作ろうぜ!”という叫びと共に「universurf」が響き渡った。クライマックスでは、客席全体にワイパーを扇動。ステージと客席が、ひとつになった(ここで指揮棒を落とすという憎めないハプニングもあったが…)。この巨大な会場を隅々まで巻き込んで熱狂させるには、まだ越えなくてはならない山があるだろう。しかし、この日の彼らはFUTURE STAGEのトリという大役を充分に果たしたと言える。来年はFRONTIER STAGEに飛躍できるのか、楽しみにしつつ見守っていきたい。

【0820】UKP_asobius0820KOK0473

【set list】
01. starlight
02. rise
03. world tree
04. discovery
05. universurf


[Alexandros]

ちょうど一年前の8月20日、[Champagne]としてUKFC on the Road 2013東京初日のトリを務めたバンドが、初の日本武道館公演などを経て、[Alexandros]として堂々新木場のステージに帰ってきた。この日の一曲目は、その武道館のアンコールで、[Alexandros]としての一曲目に披露されたのと同じ“Droshky!”。続く“Waitress, Waitress!”では、スイッチが入ったかのように白井のステージングがよりエモーショナルなモードに入っていく。そして、そんな白井の熱気に後押しされるように、続く“Kick&Spin”で川上洋平はステージを飛び出し、なんとFUTURE STAGEへ!両ステージからの熱演に、オーディエンスからはひときわ大きな歓声が巻き起こっていた。
MCでは川上が「We are DISCO!!!」と石毛の真似をし、さらには「TOISU!」とハヤシの真似をするも、さすがに大先輩ということもあり、「スイマセン」と一言。こんな一幕が見れるのも、レーベルイベントならではだろう。“Run Away”や“Starrrrrrr”では、プログレッシブなパートでバンドの演奏能力の高さを見せつける一方、曲間では「聡泰~!」という野太い男性ファンからの声援に、バスドラで応えるという微笑ましい一幕も。その庄村聡泰がかつて「今まで聴いた洋平のメロディの中で、いちばん優しく心に入ってきた」と語っていた“Adventure”は、実際ここまでのグイグイと押す曲とはまた違い、会場全体を優しく包み込んで本編が終了した。
アンコールで川上は、UKFCのシンボルに描かれた日本地図をいつか世界地図にすると約束したことを話し、「インドネシアからのバンドが出演した今年は、その第一歩になったはず」と充実した表情を見せると、その後の“Cat 2”ではこの日最大の暴動のようなモッシュを引き起こし、さらには“city”を畳み掛け、「UK.PROJECTに大きな拍手を!」との言葉で、東京初日のステージが締め括られた。cityからcountry、そしてworldへ。[Alexandros]の挑戦は続く。

【0820】_MG_0125what's IN 8-20 Alexandros

【set list】
01. Droshky!
02. Waitress, Waitress!
03. Kick&Spin
04. Run Away
05. Starrrrrrr
06. Adventure
-ENCORE-
07. Cat 2
08. city


UKFC on the Road 2014 新木場STUDIO COAST DAY2→

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