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【UKP OFFICIAL INTERVIEW】Cettia「he(a)re」リリースインタビュー(後編)
メールインタビューを行った前回[http://ukproject.com/column/2015/02/7405/]に引き続き、今回は直接のインタビューをお願いしました。Cettiaというアーティストが日々何を感じ、なぜ音楽という表現手段を選び今に至ったのか。その片鱗が読み取れる取材となりました。ぜひご覧下さい。[取材・文:濱田和人(UKP)]
―:本格的に取材受けるのって、このリリースタイミングが初めてですか?
Cettia:この間、「GOOD ROCKS!」って大阪の雑誌の取材を受けさせて頂いて、「なぜ音楽をやり始めたんですか?」とか、「関西のシーンに関してどう思われますか?」とか訊かれて(笑)。
スタッフ:そんな偉い立場じゃないのにね(笑)。
一同:(笑)。
Cettia:関西のインディーズアーティスト特集だったんですよ。その取材で。
―:関東と関西との違いってどんなところに?
Cettia:私も東京のことそんなにわかってないんですけど、でも大阪はKANA-BOONとかオーラル(THE ORAL CIGARETTES)とかフレデリックとか関西だし、結構今盛り上がってきているんじゃないのかなって。まあ自分の住んでるとこだしひいき目で見ちゃうっていうのもあって(笑)。
―:今名前の挙がったバンドは関東でも活躍してますけど、発信源として関西っていう土地が機能してるんですかね?
Cettia:やっぱりさっき挙げたバンドの影響力とかもあるんじゃないですかね。
―:なるほど。学校の同級生とかとそういう話なったりはしない?
Cettia:全然しないですね。
―:全然なんだ(笑)。音楽好きな人とか学校にいなかったんですか?
Cettia:いないです。
―:いないんだ(笑)。Cettiaさんのこと知ってる友達も?
Cettia:友達にライブ観に来てもらったりとかはあるので、ただその友達も邦楽のロックはあんまり聴かないみたいな。
―:洋楽聴く方が多いってことですか?
Cettia:洋楽もそんなに聴かないのかもしれない。なんか結構アニソンとかアイドルとか…。この間中学の時の同級生のTwitterアカウントをたまたま見つけて、どんな感じなんだろ最近とか思って見てみたんですよ(笑)。
一同:(笑)。
Cettia:そしたらEXILEが好きだとかアイドルが好きだーとか書いてて、全然邦楽聴かないんだなあって。だからこの子らアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)とかもわからないんだろうなあって。
―:Cettiaさんの年代ってそんな感じなんですね。
Cettia:壁を感じるんですよ(笑)。ずっと音楽関係の友達とかの中にいたから、アジカンとかも共通の話題として話せるじゃないですか? でも同級生の聴いてる音楽とか聴くとやっぱ違うんだな…って。こっちが知ってるバンドのこととかを話しても「誰それ?」ってなってしまうというか。邦楽ロックってまだまだ根付いてない部分もあるんだなあって思って悲しくなった事例がありますね…。
―:事例(笑)。
一同:(笑)。
―:そういった周りと自分の感覚のズレみたいなものってずっと感じてたんですか?
Cettia:ずっとですね。中学校1年の頃とかはみんな嵐とかめっちゃ好きで。わたしもテレビとか観てたんですけど、だんだん洋楽にハマりだし、そういう流行から外れ始め(笑)。
―:そのきっかけって何だったんですか?
Cettia:テイラー・スウィフトとかアヴリル・ラヴィーンから洋楽聴きだして、そこから色んなバンドを聴き始めた感じだったんです。テレビでグラミー賞やってたんですよね。そういうの観てて、テイラー・スウィフトのパフォーマンスとか「いいなあ」って。メロディとか曲の感じとか。
―:それを観て自分も音楽やりたいってなったんですか?
Cettia:小6の時にテレビドラマで「タイヨウのうた」っていうのがあって、それ観てからギター始めたんですよ。遊びで曲も作ったりして。YUIのカバーして、曲作ったりして、飽きてみたいな感じだったんですけど、ちゃんと始めたのは中3の頃ですね。
―:じゃあ最初に始めてから3年くらい間が開くんですね。でも楽器に触れるの結構早い方のように思います。
Cettia:楽器はそれまでも色々やってたので、ピアノもやってたし。今全然弾けないんですけど(笑)。フルートとかもやってました。今全然吹けないんですけど(笑)。
―:始めたのが早い順からどんどん失われていきますね。
一同:(笑)。
―:その中からギターを選んだって事は、ギターがしっくりきたんですか?
Cettia:わたしすっごい飽き性なんですけど、ギターも一回小6の時飽きてますし…(笑)。
―:でも中3の時戻ってきたわけでしょう?
Cettia:でもまあなんかハマったんでしょうね…。
―:中3くらいになると周りにも楽器始める人とかいそうですけど、いかがでしたか?
Cettia:いなかったですねえ。みんな「AKBがさあ」みたいな感じで。ちょうどその頃AKBがブレイクして。男子とかみんな「誰々がかわいい」とか言って。女子は女子で「嵐がいい、EXILEがいい」みたいなこと言ってましたね。わたし周りそんなんでなんで音楽やり始めたんだろ(笑)。
―:そこが興味深いですね。
Cettia:中3の時に色々思うことがあって、そういうものを曲にしたら、なんかすごいすっきりしたんですよね。それからは「わたし、音楽でいきたい」って。その時に書いた曲に救われて感じで、そこからは日常的に曲作ってました。その時の曲が自主版の一枚目に入っていたりとかしてましたね。なので音楽でやっていきたいって思ったのは中3の頃からですね。
―:中3って進路の事とかも考える時期ですよね。
Cettia:わたし最初は英語得意だったんですよ。今は全然できないんですけど。
―:またでた(笑)。
一同:(笑)。
Cettia:その頃英語めっちゃ得意で(笑)。英語科のある高校に行こうと思ってたんですよ。普通に勉強もしてて、そういう高校に通うんだろうなあって思ってたんですけど。勉強と音楽と中途半端になっちゃうんなら、高校生の間は音楽いっぱいやりたいっていうのを親と話して、英語科のある高校はやめたんです。
―:色々あったんですね…。
Cettia:色々あったんですよ(笑)。まあでもそういう経験とか、その中で感じたものがあって今のCettiaの音楽があると思ってるので、結果的には良かったかなと思います。
―:春から上京するって聞いてるんですが、それに対して思うことはありますか?
Cettia:基本的にはなんも考えてなくて…。
―:考えてなかった(笑)。
一同:(笑)。
―:上京するにあたって期待とか不安とかって感じてたりしてないですか?
Cettia:楽しみだなあって思ってて。本格的に音楽活動もするし、基本的に楽しみではあるんですけど、わたし今が一番大事なので。先の事あんまり考え過ぎてもしょうがないのかなって。その時頑張ったことが次に繋がると思っているので、その時その時で色々あるだろうけど、まあ頑張ってこなせればいいかなって。だから楽しみに感じる方が強いですね。
―:今まで住んでた関西を離れるわけですけども。
Cettia:それはすっごいさびしいんです!(笑)。
―:そうですよね。
Cettia:わたしも曲を書きだして、高2の春夏くらいに初めてライブハウスで出て、最初は全然自信もなかったし、すごい恥ずかしかったし、お客さんに対しても壁とかあったと思うんです。でもそういうのを崩してくれたというか、なんか色んな人に「Cettiaいいな」って言ってもらえたし、助けてもらったし。だから関西ってそういう人達がたくさんいる所であり「戻ってくる場所」みたいな。故郷みたいなイメージなのですごいさびしいんです。帰ってきたいんですけど、最初の方は忙しいと思うのでなかなか帰ってこれないかなと。だから夏くらいまでお預けかなあと。大阪は「帰る場所」なんですけど、東京はなんか「戦場」みたいな!
―:そういう気持ちなんですね。
Cettia:そういう意味でもワクワクしてる部分もあって。最近チャットモンチーの「東京ハチミツオーケストラ」って曲があるんですけど。
―:「耳鳴り」の1曲目ですね。
Cettia:そうです! 今あの曲がめっちゃ沁みるんですよ!
―:自分でも上京をテーマに曲を書くって案も浮かんできそうですよね。
Cettia:そうですね、そういう事がわたしは曲になるので、多分そういう曲書くんだろうなあって思ってます。今はめっちゃわかるわあって思いながらチャットモンチー聴いてます(笑)。
―:レコ発の会場が大阪と代々木ってことなんですけど、地元でやるって事と、「戦場」である東京でやるって事に関してどう思っていますか?
Cettia:大阪は3/25なんですけど、それが上京前の最後のライブなので…。
―:そういうタイミングなんですね。
Cettia:大阪でたくさんお世話になった人、お客さんもそうやし、色んな人に観に来てほしいなあって思ってて。「今までありがとうございました。Cettiaはこれから東京で大きくなります!」って気持ちを込めようと思ってます。東京はなんだろ、始まりの日というか。「Cettiaはこんなアーティストです。これからよろしくお願いします!」みたいな日になったらなあと思ってて。結構二つの日に関しての気持ちはバラバラですね。
―:「故郷」と「戦場」ですものね。
Cettia:そうですね…。大阪は泣かないように気をつけなきゃと思って(笑)。
―:こみ上がってくるものもあると思いますし。
Cettia:泣くのは終わってからにしようと思って(笑)。気を抜かないよう頑張ります。
―:正直こんな喋る人だと思ってなかったんですよ。暗いのかなーって(笑)。
Cettia:根は暗いですよ(笑)。暗い曲もいっぱい書くし。でもわたしの場合は音楽やって変わりましたね。いい方向に。承認欲求が人より強いみたいで。
―:承認欲求? 認めてもらいたいとかそういうことですか?
Cettia:そうですね。「Cettia良い」って言ってくれる人みんな好き!みたいな(笑)。元々自分に自信なくて、自信ないまま曲書いて歌って、それを好きって言ってもらえて、どんどん変わっていってみたいな。今も自分に自信ないんですけど、前よりは全然よくなったと思うし。お客さんはすごいと思いますね…。
―:と言いますと?
Cettia:これはわたしだけじゃないと思うんですけど、アーティストって自分の個人的な出来事とかを曲にしたりすると思うんですけど、そういう曲に対する感受性っていうのかな、そういうものがお客さんやリスナーはすごいなって思うんです。お客さんがいてくれたからわたしは変われたと思うので、お客さんの言葉とか「Cettia良いね」って言ってもらえたからやってこられたし、一人じゃ歌えてないし。それはずっと思ってて。やっぱりステージとか、どこでもそうですけど、聴いてくれる人がいないと歌ってないし。最初は自分のために、個人的に曲を作ってって感じだったんですけど、人前で歌うようになってからはお客さんなしではもうできないなって思います。結構自分対お客さんっていうものを意識して曲書いたり、歌ったりしてるのでそれはずっと変わらないと思います。
<he(a)re 商品詳細>
アーティスト名 : Cettia
タイトル : he(a)re
発売日 : 2015年2月25日(水)
品番 : RX-103
価格 : ¥1,500+税
レーベル : RX-RECORDS / UK.PROJECT
収録内容:
1.スピレイ
2.SOAR
3.Beyond
4.escha
5.virtual society
6.さよなら少年