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【UKP OFFICIAL INTERVIEW】ヘルシンキファイトクラブvol.2開催記念、 Helsinki Lambda Club橋本薫×古舘佑太郎1万8千字ロングインタビュー。
Helsinki Lambda Clubが自主企画ライブ「Helsinki Lambda Club 武者修行ツーマンシリーズ “ヘルシンキファイトクラブvol.2〜2月の熱帯夜〜”」を2月24日に渋谷TSUTAYA O-nestで開催する。タイトルの通り、ありとあらゆる壁を超えたアーティストに真っ向から立ち向かい、打ちのめされながらも成長していきたいという思いを込めて行うこの企画。前回のどついたるねんとのツーマンライブから早5ヶ月、今回の対戦相手はHelsinki Lambda Clubのメンバーが愛して止まない古舘佑太郎である。
この企画を記念して、二人をよく知るタワーレコードの中村裕也をインタビュアーに迎え、橋本薫×古舘佑太郎のロングインタビューを行った。
進行役:中村裕也(TOWER RECORDS 商品本部)
ゲスト:庄司信也(youth records)
[写真:軽部徹 協力:筒井あかり]
◆サラバーズと一緒にやりたいっていうのを目標の一つとして話してたんですよね(橋本)◆
中村:橋本くんと古舘くんは年齢的には同じくらい?
橋本:僕が今25歳で…古舘さんは多分一つ下なんですかね…?
古舘:90年生まれですか?
橋本:90年生まれです。
古舘:じゃあそうですね。
橋本:キャリア的には全然先輩ですけどね!
中村:キャリアあるね~若いのに!笑
古舘:バンドっていつ始めたんですか?
橋本:バンド自体は高校からやってたんですけど、ヘルシンキとしてはまだ2年ちょっとくらいですね。
中村:最初はandymoriのコピーとかやってたんだもんね。
橋本:やってましたね~大学の時に…。
中村:そういう世代ってことですよね。
中村:お互いどんな話が聞きたいとかある? メインは薫くん(橋本)になるのかな。
橋本:まあ色々あるんですけど…話の流れが出来てからで…
古舘:そもそもなんで今回の企画に指名したのかとか…
中村:あー、それ、聞きたいね。
橋本:もともとサラバーズの頃から僕、好きで。UK PROJECTに入ってからもサラバーズと一緒にやりたいっていうのを目標の一つとして話してたんですよね。結局サラバーズとはやれなかったんですけど、古舘さんがまた新しくバンドをやるってことだったので…っていうのもありつつ、今回のヘルシンキファイトクラブって企画になんで指名したかっていうと、前回はどついたるねんと一緒にやって、なんとなく異色なコラボって感じだったんですよね。で、今回は「歌の力」というか、虚飾のない人と真っ向からぶつかる感じでいきたくて、じゃあ古舘さんがいいなってことで、指名させて頂いた感じです。
古舘:僕、きっかけは覚えてないんですけど結構前からヘルシンキのこと知ってたんですよ。なんでだっけなあ…。Twitterかな…メトロって曲あるじゃないですか?
橋本:あ、それプププのほうじゃないですか?
中村:プププランドの方だよ!笑
古舘:あ、違うか。笑 でも、めっちゃいいなって思ってて。そこから定期的によく聴いてたんですよ。それで今回対バンの話もらったので「やった!」って感じで。
橋本:聴いてくれてたんですね!ありがとうございます。
古舘:とにかくヘルシンキのことは知っていて。だから全く知らない状態で誘われたらまた違ったと思いますね。
中村:なんとなく俺の実感なんだけど、ヘルシンキのライブ観に来てる女の子たちって、サラバーズのライブで見たなっていう女の子がけっこういると思うんだよね。
古舘:でも確かに、僕もヘルシンキとは近いって感じていて…
中村:古舘佑太郎っていうのは、サラバーズとは立ち位置というか、やっていることも含めて明確に違って別物じゃない? そこの住み分けはお客さんもしっかり持ってるんだなって感じていて…っていうのも、さっきヘルシンキとサラバーズでお客さんが被ってるって言ったけど、ヘルシンキのライブに今来てるお客さんは、あくまでも古舘佑太郎じゃなくてサラバーズの時に観に来てたお客さんだなっていう。古舘佑太郎はまだ弾き語りが多くてバンド形式ではあんまりやってないから、バンドでやったらそっちも観に行くのかもしれないけど。
でも俺は、この2バンドが音として似てるって感じたことは今までにないんだよね。だからそこは不思議な縁がありつつ、今回の対バンがあるのかなっていうところはすごく感じてて。でもまあやってみたら、お客さんとしてもシンクロするところがあるのかなとも思うし、やってみないとわからないなと。とりあえずすごく楽しみだね。
古舘:僕が今、一人の形態でやってるので、もしサラバーズのときにこの企画やってたらまた全然違うものになっていただろうなと思って。バンドとバンドじゃなくてソロとバンドだから、ガチンコなようでガチンコじゃないのかなっていう気はしてますね。
橋本:今は気持ち的には「バンド」じゃなくて「ソロ」っていう感じなんですか?
古舘:うーん…まあそこの違いに固執してるわけではないんですけど…最近は「やっぱりバンドっていいな」って思い始めてますね。
橋本:今も、サポートメンバーっていう形ではあれバンドとして活動していると思うんですけど、今とサラバーズの頃の違いってどういうところですか?
古舘:気を使わなくて良くなりましたね。サラバーズの頃は、メンバーが幼馴染だったりしたので、逆に変な気を使わなくちゃいけないところがあったんですけど、それは今なくなりました。
中村:本来は仲のいい人とか馴染みのある人とやっているほうが気を使わないはずなんだけど、今の古舘くんには逆の現象が起こってるってことだよね。
古舘:そうですね。
中村:これはバンドとかやっている人にしかわからない感覚なのかもしれないね。
◆シャザムしたら「Helsinki Lambda Club」って出てきて(古舘)◆
古舘:今、ヘルシンキを知ったきっかけをふと思い出したんですけど…ラジオ聴いてて、INTER FMかなんかで流れてて、
それをシャザム(※ラジオ、テレビで流れている音楽を認識できるアプリ)して知ったんですよ!
橋本:え、じゃあ本当にちゃんと気に入ってくれてたんですね!
古舘:ラジオで流れててかっこいいなって思ってシャザムしたら「Helsinki Lambda Club」って出てきて、バンド名もかっこいいなって思って…その時「バンドワゴネスク」が流れてて。僕、けっこうラジオで流れてる曲をシャザムすることが多いんですけど、基本洋楽がメインで。邦楽って既に知ってるの多いしあんまりやらないんですけど、そのときはすごくフラットな状態で聴いて「いいな」って思ったんですよね。
橋本:それはすごくいい話が聞けましたね。嬉しいです。
古舘:それが1年くらい前かな…?
橋本:1年ちょっとくらい前ですかね。
中村:「バンドワゴネスク」良いよね。あの曲で一番シーンを食った感じがあって。でも、実は何にもやってない曲なんだよね。歌詞とか聴いてても何にも起きない、ただただバンドやってる曲なんだけど、それがすごく俺の中で刺さって。PVがまたすごくよかったね!今までにない切り口というか。「ボーイズ・オン・ザ・ラン(銀杏BOYZのPV)」の形式というか。
古舘:ラブ人間の金田さん出てましたよね?
中村:出てたね。バンドワゴネスクを聴いてPVを見てから、俺はヘルシンキを追っかけるようになったというか…。歌詞にくるりがでてくるよね。
古舘:くるりも好きなんですもんね?
橋本:くるり好きですね~。くるりのカバーやってますよね?前にラジオで「男の子と女の子」とかやってて…あれ、めっちゃYouTubeで聴いてました。笑
古舘:ヘルシンキは絶対くるり好きだろうなってわかったので、そこも僕としてはかなり嬉しいポイントでしたね。
中村:くるりのアルバム、何が好き?
古舘:「TEAM ROCK」かなあ…最初にはまったのがそれだったので。
橋本:どれかなあ…「図鑑」もいいですよね…迷うな…。
中村:そんな風に悩むよね。笑 くるりって、アルバムによって音も全然変わるし、切り取る場所が違えば見え方もまったく違うじゃん。それってすごいことだよね。形を変えても自分たちの色っていうのがしっかり残ってるっていうのは。メンバーも今は実質2人なのに、2人でもちゃんと「くるり」っていう形態を保ってて、それでいて新しいことをやってるっていう。
古舘:僕、イントロクイズすごい得意でした。くるりの。笑
中村:まじで?笑
古舘:一番すごかったのが、曲が始まる前のお客さんの一瞬のざわめきだけで、ライブ盤のどの曲かわかっちゃって。笑
橋本:それはだいぶコアですね。笑
古舘:それ当てた時は、さすがに出題した方もドン引きしてましたね。笑
一同:笑
中村:ライブ盤いいよね~
橋本:「Philharmonic or die」ですか?あれ良いですよね~。
中村:あれの磔磔のほうの。あれ最高だよね!俺、ライブ盤ていうものがそもそも好きなんだよね。
橋本:僕はあんまりライブ盤って聴かないんですけど、「Philharmonic or die」はめちゃくちゃ聴きましたね~。
中村:そうなんだ。ライブ盤聴くか聴かないかってすごい分かれるよね!あんまり聴かないっていう人の気持ちもすごい解るし。
古舘:くるりとかアンディとか、がっつり上に行った大御所な人達の音楽が僕は好きで、そういう人達のことを「めっちゃかっこいい!」と思って、影響受けて音楽やってるわけじゃないですか。でも、世間一般というか、リスナーの間では、そういう人から影響を受けたバンドのことを好きな人がどの程度いるんだろう?ってすごく思うんですよね。くるりは大御所って言われるくらいまでになったけど、そんなくるりに影響を受けたバンドがそこまで上り詰めるケースってあんまりないような気がしていて。今の10代から20代前半とかの若い世代で「くるりも好きだけど、くるりに影響を受けたバンドも好き」っていう人って少ないと思う。それって自分の中でけっこう悩みの一つで…。
中村:逆に抵抗があるっていう人もいるかもしれないよね。自分が好きだったものの匂いを出されることを良く思わない人っていうか。
橋本:そこ、分かれそうですよね。
古舘:自分がマイナーなことやってるのかなって思っちゃうというか。自分はこれが好きなのに、同じ気持ちの人が周りにあんまりいないから。。。
橋本:僕らよりもうちょっと上の世代だと、自分が好きな音楽に影響を受けたバンドに抵抗がある人が多いのかなって印象はあって……今の10代とかだと、自分の好きなものから拡げていくってことをしない人が多いのかなとは思います
ね。「くるりが好き」ってなったらそこからさらにいろんな音楽を掘り下げていくんじゃなくて、くるり単体でずっと好き、みたいな。線になって繋がっていくってことがないんだろうなとは思いますね。
古舘:くるり、スーパーカー、ナンバーガールとか僕はめっちゃ好きですけど、それにかなり影響を受けて活動した結果、サラバーズが予想外に売れなかったんですよね。それでなんか…2000年代の衝動みたいなものを、皆もう求めてないのかな?って思って。逆に今は、よく言われる四つ打ちだなんだとか、そういう音楽が流行ってるから……なんでかなあ…って。
中村:思いっきりその頃の音楽をなぞって成功してるバンドもいないわけじゃないんだけどね。古舘くんの言ったような時代からの影響を前面に打ち出して、成功してる…というか、ある程度のセールスをあげてるバンド。ただヘルシンキも、サラバーズも古舘佑太郎もなんだけど、いろんな影響を受けてるはずなんだけど、咀嚼の仕方が上手いというか。影響を受けつつもそれをモロに出さないから、どのバンドから影響を受けてるんだっていうことがリスナーに伝わりづらいのかもしれないね。
橋本:確かに。サラバーズだったら、音そのものに、というよりその時々のバンドの温度感というか、感情的な部分に影響が見え隠れしている感じがするから、音だけ聴いたのでは伝わらないかもしれないなとは思いますね。
古舘:そうかもしれない…。サラバーズのときに「ナンバーガールっぽい」って良く言われてたんですけど、実はナンバーガール聴いたのってそれを言われてからけっこう後だったんですよ。ずっとくるりばっかり聴いてたので。ナンバーガール知らない頃から似てる似てるって言われていたので、どんなバンドなんだろう?って気になってて。聴いたら「確かに似てるな!」って。本当はくるりみたいになりたくて音楽やってたけど、全然違うものになってたってことで…まあ結果、ナンバーガール大好きになったので良いことだったんですけど…。
中村:そっか…ナンバーガールね…言ったらそれだけのものと比較対象にされていたわけだから、それはそれですごいことだよね。
そういう話も踏まえて、古舘佑太郎もヘルシンキもそうなんだけど、変化の時期が来てるなって思ってるんだよね。古舘佑太郎の方は、ソロになって新しい音源も出して、確実に変化してるし、ヘルシンキにもそういうタイミングが来てる気がしてる。この間の会場限定シングル「TVHBD/メリールウ」を聴いた時にも思ったんだよ。「やっと来たか!」って感じ。
古舘くんもそうなんだけど、今までライブとか観てて「すごく良いんだけど、あともうちょっとこれが欲しい!」「これはこれで良いけど、これじゃないのも見たい!」って思いがどうしてもあって。でも最近そこを満たしてくれるものが出てきたというか。だからヘルシンキも古舘くんも、この次に作る曲はすごく面白いものになってくるんじゃないかなっていう気がしてる。このタイミングでの対バンだから、お客さんも、一緒にやってるのを見て「変わっていく様」っていうのを楽しめたら良いなと思うね。
「タンデロン」が出てきたときは俺、本当にびっくりしたからね!「TVHBD」の時もそうだったし…。ヘルシンキって良いんだけど、昔の曲とか聴いてると、どうしても平らな印象があるんだよね。抑揚がないというか…。いつもライブ観てて「ここがもうちょっとこんな風になったらなあ」っていうポイントがけっこうあって、もどかしいんだけど「もう少し見てたら変わるんじゃないかな」「もう少しで何か凄いのが出てくるんじゃないかな」っていう変化の兆しみたいなのはすごく感じられて、それを見ていたくてライブに通い詰めちゃうっていう、ヘルシンキは俺にとってそういうバンドだったのね。で、こないだのシングルを聴いて「ついに出てきたな!」って感じて。一つそういうのが出てくると、今までの曲も変わってくるんだよね、鳴り方というか。すごくバンドとして伸びてる感じがあって、それに伴ってお客さんも増えてて…俺の中でヘルシンキは「今、来てるところだな!」っていうイメージだから、このタイミングでの対バン企画はすごく期待できて、良いなって感じてるね。
橋本:「何かが起こる前夜」って感じの日になる気がしますね。
◆ずっと好きなのは90年代のUSインディーとかPAVEMENTとかそこらへんが好きです(橋本)◆
古舘:バンド名ってどうやって決めたんですか?
橋本:僕、もともと「ヒミズ」ってバンドをやってたんですよ。古谷実さんの漫画から取ったんですけど、その日本語のバンド名に引きずられて曲の感じもいなたくなってる気がしてて…メンバーがガラッと変わるタイミングがあったので、そこで名前も変えちゃおうってことで。あんまり意味がない名前にしたくて、今はめっちゃ増えちゃいましたけど、その当時は「~クラブ」っていうバンドあんまりいなかったので「クラブ」ってつけて…。
古舘:「Helsinki Lambda Club」ってなんか、めっちゃ好きなんですよね、僕。
橋本:ありがとうございます!
古舘:僕、英語のスペルとか読み方がちょっと変わってるのが好きなんですよね。「THA BLUE HERB」とか、サラバーズ(SALOVERS)もそうですけど。
中村:サラバーズってバンド名は適当につけたの?
古舘:そうですね~完全に適当です。笑
橋本:まあ僕らもそうですけどね。「~クラブ」にすることは決まってたので、なんかありそうもないクラブにしようってことで、「ラムダ」に変えるまえは、最初「ラマダン」ってつけて、ラマダンがイスラム教の言葉だから、全然関係ない言葉ってことで頭に「ヘルシンキ」ってつけて。笑
古舘:ヘルシンキってなんでしたっけ?
橋本:フィンランドの首都ですね。笑
中村:カッコいいジャズがいっぱいあるところだね~。
古舘:メンバー全員同い年ですか?
橋本:僕とドラムが同い年で、ギターが古舘さんと同じ1つ下で、ベースが一番若くて22ですね。
古舘:なるほど、皆同世代なんですね。
橋本:今のサポートメンバーってどういう経緯で集まったんですか?
古舘:僕がソロをやるってなって、最初にベースの中尾(憲太郎)さんに声かけて…
橋本:中尾さんに声かけるってすごいですよね…。笑
古舘:前にプロデュースしてもらってたこともあって仲良くしてもらってたんですよ。でも中尾さんを誘った時、僕はまだどんな音楽をやりたいかとか全然決まってなかったんです。とにかく「中尾さんと一緒にやりたい」ってことだけ考えてて。中尾さんに三軒茶屋に来てもらって「何するかわかんないですけど、とにかく一緒にやってください」っていう雑な誘い方をして…。笑 そしたら中尾さんが「じゃあとりあえずスタジオ入ろう」って言ってくれて、スタジオ入って…その時僕、3、4ヶ月ギターも触らないくらい音楽やってなかったので本当にリハビリみたいな感じでしたけど…。
それから中尾さんが「合いそうなドラマー連れてくるよ」って言ってオータコージさんを連れてきてくれて、最初は3人で始めて、最後に後輩のギターの子を誘って今のメンバーになりましたね。僕、曽我部恵一BANDも好きだったので、オータコージさんが来てくれたのもすごい嬉しかったですね…。
橋本:そのメンバー、最初ものすごい緊張しませんでした?笑
古舘:うーん…緊張はしなかったですね。僕、末っ子長男なので、ワガママ言えるってなったらとことんワガママ言っちゃうんですよね。笑 だからその時も、周りが目上の方々だからこそ遠慮せずにできたというか…。
中村:今の構図っていいよね。古舘くんが真ん中でガーッと好きにやってて、周りがそれをしっかり支えてるっていう感じがすごく良い。
古舘:洋楽はどんなの聴くんですか?
橋本:洋楽は…最初はパンクとかメロコアから入ったんですけど、ずっと好きなのは90年代のUSインディーとかPAVEMENTとかそこらへんが好きですね。あと、古舘さんが前にPhantom Planetが好きってTwitterで呟いてて、それにテンション上がってリプライ送ったりしました。笑
古舘:あー!確かにそれツイートした気がする…。
橋本:2~3年前とかですかね…その時は普通に、いちファンとして「僕も好きです!」みたいな感じでリプ送りましたね。笑 古舘さんは洋楽はどんなの聴きます?
古舘:最初はThe LibertinesとThe Strokesにハマって…ハマってというかカッコいいから無理して必死に聴いてたらそのうちハマっちゃった感じで。それからはその界隈のバンドの、当時の同級生とか周りが聴いてないようなCD探して必死に聴く病でしたね。笑 まあでも、結局は日本の音楽ばっかり聴くようになりましたけど…それこそくるりとかスーパーカーとか…。ストロークスとかももちろんカッコいいって思ってたんですけど、スタートがカッコつけから入っちゃったので…。
橋本:ちょっと背伸びしちゃった感じですね。それすごいわかる。笑
古舘:そうですね。笑 …その他は…オアシスとかも普通に好きだったし、当時いたレーザーライトってバンドとか…。
橋本:あー懐かしいなー!
中村:その時代だよね~。そういうバンドがいっぱい出てきた時代。2000年代初頭とか。
古舘:高校時代とかフジロックが好きだったので、フジロック行って色んなバンド知ったりとか…。だからフジロックは
自分の中で夢でしたね。いつか出たいなって。
中村:サラバーズの時は出てないんだっけ?
古舘:ROOKIE A GO-GOしか出てないですね…。
橋本:ルーキー出たんだ!いいなあ…。
古舘:でもルーキーって場内じゃないじゃないですか。結局外だから…。グリーンステージにいつか出たいって、よく語ってましたね。
橋本:でも僕たちもルーキー出たいですね…。
中村:ヘルシンキくらいやってたらもうルーキーではないんじゃない?
橋本:いや~全然ルーキーですよ!
古舘:ヘルシンキはフジロックすごく合ってますよね。
橋本:いや~、最近の流れからしたら外れてるのかなって思ってますよ。ちょっとお洒落な感じが今は良いのかなって。
中村:世の中の流れ的なね~。古舘くんとかヘルシンキだったら「とりあえずレッドマーキー!」って感じじゃない?笑
古舘:レッドマーキーいいですよね~。一番ステージがカッコいいですよね。
中村:音もでかいしね!
橋本:音も違うんですか?
中村:違うよ~。あ、フジロック行ったことない?
橋本:実は行ったことないんですよ~。
中村:そうなんだ!レッドマーキーは一番ライブハウスっぽいステージだよね。
古舘:前にレッドマーキー出てたオーストラリアかどっかのバンドで、The Vinesってバンドが来た時に…
中村:え、俺もあの時いたよ!
古舘:そうなんですか!
中村:なんだったら俺、あの時一番前にいたよ!俺、The Vinesめちゃくちゃ好きで…
古舘:ギターぶっ壊したの見ました?
中村:見た見た!あれ何年だったかな~
古舘:2007年か2008年かな…。
橋本:じゃあまだ結構バリバリな頃ですね~。笑
古舘:その時のフジロックにくるりも出てたんですよ。僕その時、演奏が終わった出演者が絶対に通る場所を見つけて、くるりがそこを通るのをずっと待ってて。笑 1時間くらい待って、くるりが通ったんですけど、その時高校生で全く知り合いでもなんでもなくて、近寄りたかったんですけどメンバーさんにギロって睨まれて終わるっていう思い出が…。笑
中村:あはは。笑 でもそういう思い出があった上での今の関係だもんね。
古舘:そうですよね…。その時俺、怖気付いて行けなかったくせして「岸田さんだけが俺を見た!俺に可能性を感じたんだ!」って自分に言い聞かせながら次のライブを観に行くっていう…。笑
◆オンコードで演奏するっていうのは絶対嫌でしたね(古舘)◆
中村:古舘くんは今、音楽以外の活動もあるじゃん。舞台とか、連載とか。自分的にその辺のバランスってどんな感じなの?
古舘:あんまりバランスとかは考えずに「話が来たらやる」ってスタンスでやってます。2月とか、多分ほとんど舞台の稽古になっちゃうんですけど、今回そのタイミングでヘルシンキが誘ってくれたんですよね。舞台中にライブってやったことなくて、一回やってみたかったんですよ。あまりにもずっと稽古ばっかりやってると、自分がちっちゃくなっちゃうような気がしていて。だから、このタイミングでライブができるのはすごく自分にとっていいことですね。
中村:意識的に、音楽をやってるときと、舞台とかその他の活動をしてるときとで気持ちの切り替えがあったりするの?
古舘:僕、舞台とかの方は何回かしかやってなくて経験的に全然浅いので、変な話、遊び感覚というか…初心者の頃の楽しい気持ちってあるじゃないですか?昔ギター弾き始めたころみたいな。今はそんな感じで、自分の中での気持ちの切り替えとか、まだそんな深いところまで考えずに楽しんでやってる感じですね。
中村:なるほどね~。ちなみに橋本くんはギター弾き始めたのっていつなの?
橋本:僕は中3くらいで買って…そのまま弾かずに放置してて、本格的にやり始めたのは高校からですね。でもずっとメロコアばっかりやってたから全然練習してなくて。パワーコードだけ弾ければいいやみたいな。笑 だから今めっちゃ苦労してます。笑
中村:逆に古舘くんはそういう方面は全然やってきてないんだよね?
古舘:メロコアとかってことですか?全然ですね。むしろ僕、最近でこそ許せるようになりましたけど、オンコードで演奏するっていうのは絶対嫌でしたね。
橋本:くるりから入ったらそうですよね~。
古舘:GREEN DAYとか、今は好きですけど、当時は嫌でしたね。
橋本:僕と逆ですね。僕は、中学のときとか、洋楽至上主義みたいな厨二っぽさがあったので…。笑
古舘:The Libertinesとかも、コード感とかがちょっと独特というか。そういうのばっかりが良いって思っちゃってたんですよね。
橋本:僕ら、入りはけっこう違うんですね。
古舘:そうですね!意外にも。
中村:今度の企画は2組だけだよね。こないだはMANGA SHOCKも出て3組だったけど。
橋本:めちゃくちゃなイベントでしたね。笑
中村:そこがいいところなんだけどね。今回の企画も、お客さんとしては「待ってた!」って感じの対バンなんじゃないかな。
橋本:一緒にやって欲しいとはずっと言われてましたからね~。
中村:古舘くん、バンド編成でも強いのよ~!
古舘:いやいやそんなことないです…。でも、サラバーズ時代との大きな違いは自覚してて。今は開き直ってるというか捨て身というか…サラバーズのときは、なにか自分を飾らなきゃいけないような感じがあったんですけど、それが全くないんですよ。昔はめちゃくちゃ練習しまくって緊張してライブやってて…今はサポートメンバーが上手いっていうのもあるんですけど、練習もそんなにせず「失敗してもいいや」くらいの気持ちでライブできるようになったんです。その捨て身な感じっていうのは明確な違いとしてありますね。
橋本:安心して任せられるメンバーがいるっていうのは強いですよね。
古舘:そうですね。あと、バンド経験が長いっていうのも大きいですね。昔はこんな今みたいな考え方できなかったので。
中村:曲の感じとか、通じるところは沢山あるんだけど、古舘くんと橋本くんってそもそものタイプは違うんだろうね。
橋本:思いのほか違いが大きかったですね。
中村:多分曲の作り方とかもかなり違うんだろうな…アレンジとかも含めて、楽曲制作をする上での細かい技術とかに関しては橋本くんの方が上手いんだろうなって思うのよ。古舘くんは、逆にそういうところよりもっと本能的な部分というか、内面が浮き彫りになってる部分にゾッとさせられる瞬間があって。ヘルシンキと古舘佑太郎バンドっていう、共通している部分もあるけどタイプの違う2つのバンドの共演ってところで、今回すごく楽しみだね。
古舘:僕はめちゃくちゃ音楽に詳しいわけではないけど、ヘルシンキのことは最初から知ってたし、共通する部分があったりとか、色んな面で繋がりを感じてるところはあるんですよ。でも共演してみてどんなステージになるかは、全然想像つかないしやってみないとわからないから、当日一緒にやるのがすごい楽しみですね。
中村:今ノリに乗ってるからね、ヘルシンキは!ライブも数こなしてるし、音源出したりとかも。そういえば、スーパーカーのカバーやってたよね?
橋本:そうですね。「バンドワゴネスク」のカップリングがスーパーカーの「DRIVE」のカバーです。
古舘:超かっこいいじゃないですかそれ!
中村:でもライブで一回もやらないよね。
橋本:歌いながら弾けないんですよ、あれ。笑
中村:そういうことなんだ。笑 古舘くんもけっこうカバーやるよね?「サヨナラCOLOR」とかさ。
古舘:やらされるんですよ!周りからすごいやれって言われて。笑
一同:笑
橋本:「茜色の夕日」とかやってましたよね?シングルで…。
古舘:そうなんですよ!ていうかこれ、すごい不思議な話があって。一応ちゃんとライブ映像観て、歌詞も読んで「すごい大事なこと書いた歌詞だな」ってこととか本人の想いとかも理解はしてたんですけど、俺、正直フジファブリックそんなに好きでもないしカバーも乗り気じゃないし…っていう状態でレコーディング始めたんですよ。でも、歌ってたらだんだんここらへんが重くなってきて…俺ぜんぜん霊感とかある人じゃないのに。「なんか重たいなー」って思いながら歌ってたんですけど、2~3回目くらいで、突然頭の中にぐわ~って色んな人の顔が浮かんできて、気づいたらすごい泣いちゃってて…。
中村:え~!
古舘:レコーディングのブースに、ずっとフジファブリック担当してたディレクターとか、フジファブリック好きだったマネージャーとかいたから、そんなとこ見られたくなくて。笑 頑張って隠れながらずっとやってたんですけど、なんかもう歌えなくなっちゃって…。っていう変な事件がありましたね。未だにその時のことは謎ですね…なんで涙出たのか…。
橋本:へえ~!それ、何かが降りてきてますね…そういうエピソード欲しい!笑
古舘:笑 ほんと、俺乗り気じゃなかったのになんで?って感じで…。
中村:ちゃんとしっかり向かい合わないと歌えない歌だってことだね。
古舘:こういうエピソードもう一つあった!bloodthirsty butchersの吉村さん。サラバーズのこと気に入ってくれてて、同じスタジオ使ってたので会えば話しかけてくれたりして関わってたんですよ。そしたら亡くなってしばらく経ってから吉村さんが僕の夢に出てきて。飲みに行こうってなって二人で飲み行って話すっていう夢だったんです。関わりあったとは言ってもそこまで親しかったわけでもないのに、ものすごくリアルな夢で…夜中起きてなんか怖くなっちゃって…。
…っていうことがあったちょうど一週間後に「ブッチャーズのオムニバスCDを出すからサラバーズにカバーして欲しい」っていう依頼が来たんですよ!ほんとにびっくりして…。
中村:やばいね~。オカルト入ってるね。笑
古舘:でもその2つだけですよ!
橋本:十分ですよ!すごい人ってそういうのあるんだなあ…。
中村:そうだよね~。カバー曲やると、古舘佑太郎の個性にすごく気づかされる瞬間ってあるよね。「なるほどな~」って。
古舘:俺、さっき言ってたスーパーカーのカバー、めっちゃ聴きたいです!
中村:あの曲、ヘルシンキの曲の中でも人気あるんだと思うよ。
橋本:今思えばもっと話題になっても良かったと思いますね。カップリングだからかな…。
中村:ライブでやらないからだよ~!
橋本:あれは歌いながら弾けないですよ~。笑
古舘:でも、今の若い人がスーパーカーあんまり聴かないからっていうのも話題にならない理由ですよね…。
中村:スーパーカーはそうだね~。
古舘:僕らはめっちゃ好きだけど、若い世代だとなかなか難しいかも…。
橋本:確かに…。
ーー「DRIVE」流れる
橋本:これ、さっきのカバーですね。
古舘:え、めっちゃいい!これ24日やりましょうよ!
中村:そうだよ~!
橋本:…やりましょう!…僕ギター弾かないかもしれないけど…。笑
古舘:この曲って確かスーパーカーが二十歳くらいの時に作ったんですよね?ソニーにデモ送ったら返事が来て…その瞬間に書いたらしいです。笑
カバー曲って、当たり前だけど原曲があるじゃないですか。そこにアレンジを加えたりするわけだけど、それが良い時と悪い時があって。良いアレンジが加わったカバー曲だと「この曲ってこんなふうにも聴けるんだ!」っていう新しい発見ができるというか。俺は今ヘルシンキの「DRIVE」を聴いて「あ、DRIVEってこんな曲だったんだ!」って改めて発見できましたね。
橋本:良かったです。
古舘:時々原曲を「薄めた」みたいなカバーありません?メロディをちょっと崩して平坦にした感じっていうか。
中村:あるね~そういうの。
古舘:それすごい嫌ですよね。でもこれは良い!原曲の「DRIVE」聴きたくなりましたもん。
橋本:24日、なんとかします!笑 24日の企画で初めてやれたら「おお!」ってなりますよね!_
古舘:これが「バンドワゴネスク」のカップリングなんですよね?
中村:そうそう。8センチシングルなのよ。
橋本:昔懐かしい感じで。
中村:俺、あれも聴きたかったな~古舘くんの「サヨナラCOLOR」。
古舘:あれはいいですよー!ほんとに揉めましたもん…。
ーー「サヨナラCOLOR」流れる
中村:本人はそういうふうに言うんだけど、これすごい良いんだよね~。「古舘くんの弾き語りはやっぱり良いな」ってなったもん。
古舘:ぜんっぜんやりたくなくて、最後までぐちぐち文句言いながらやりましたよ…。
橋本:これは何の時やったんですか?
古舘:当時、EMIのグレート・ハンティングってとこにいたんですけど、そこが10周年記念のイベントやることになって、歴代のグレート・ハンティング出身者の曲をカバーしたオムニバスCDを作るってなったんですよ。しかも無料で配るってことで。
中村:あったね~。
古舘:赤い公園とかハナエちゃんとか、皆乗り気になっててカバーしてたんですけど、その時俺はサラバーズとして他の人の曲は絶対やりたくなくて。「絶対嫌だ」って言ってたんですけど「どうしてもやってくれ」って言われて…。なんかもう取り立て屋みたいに電話かかってきて!
一同:笑
古舘:で、あまりにも言われるから、しょうがないから1人でやりますって言って。
中村:ははは。笑 でもなんかこれ、良いんだよね。削ってきてんな~!って感じで。
古舘:怨念は込められてるかもしれないですね。
中村:絶対こもってるよね!笑 これ街中とかでイヤホンで聴いてると、まるで古舘佑太郎と2人っきりになってるような感覚に陥るんだよね~。「聴け…!」って迫られてるみたいな…それがすごい良いんだよ。
橋本:それってすごいことですよね。古舘さんってSUPER BUTTER DOGとかは通ってきてない感じですか?
古舘:いや、好きでしたよ!ていうかハナレグミが好きでした。ハナレグミから入った感じですね。
橋本:僕もそうですね!
中村:古舘くん、ヘルシンキの新しいの聴いた?
古舘:まだ聴いてないんですよ!
中村:じゃあ聴いてみる?…まあでもライブで最初に聴いて欲しい気もするけど。
古舘:そういえば俺、最近凄いショックなことに気づいたんですけど、自分の家にCDを聴ける環境がないんですよ!僕のCDが売れない原因てこれなのかとか思って…。
中村:えー!まじで?
古舘:まじです!パソコンも、デスクトップはあるんですけどCDのドライブがなくて。
中村:どうしてるの?
古舘:データで送ってもらったりとか、iTunesで買ったりとか…。僕、ネットも超弱いので…。
庄司:古舘くんの「これだったら負けない」っていうものってなんなの?クレープ?笑
古舘:クレープじゃないです。笑 今はキックボクシングですね!
庄司:へ~!
古舘:まだ上手いってわけじゃないんですけど、センスがあるって言われて。
中村:キックボクシングやってるんだ!
古舘:そうなんですよ。
ーー「バンドワゴネスク」流れる
中村:「くるりの新譜を買いに来た」ってさ、良いよねこういう感じ。
古舘:かっこいいですよね。これ、ラジオから流れてたら気になりますよ!
中村:地味な曲なんだけどね。笑
橋本:地味ですね。笑
中村:でも俺も、この曲が最初に気になったよ、ヘルシンキの中で。地味なものに見えても、「何もないこと」を表現するっていうことの難しさってあるじゃん?この曲はPVも良かったしさ。あの当時、周りにああいうの作ってくる人がいなかったし、ほんとにすごく良かった。
古舘:確かに。
中村:PVの最後、ライブ映像になるじゃん、あそことかも「良いところ切り取ったなあ」って。
古舘:あれって全部友達のバンドなんですか?
橋本:いや、半々くらいですね。ほんとに普通にライブハウスにカメラ持って行って、面識ない人にもインタビューして。…よく考えたらデビューして一発目であのPVってかなり冒険でしたね。笑
中村:しかも「バンドワゴネスク」を持ってくるっていうね。最初ヘルシンキが出てきた時って「ユアンと踊れ」とかみたいにもっと速い曲が多かったし、そういう路線の曲でPV作って勢いのあるところを見せてくるのかと思ってたら、最初これだったからびっくりしたよ。
俺の中で「所詮音楽なんだ」っていう思いが礎としてあるんだよね。まあ俺はがっつり音楽の仕事して日々生活してるわけなんだけど…そこに囚われたくないっていうか。この曲とPVは「所詮音楽なんだ」っていうのを体現してる気がして…。着眼点が良いよね。変にエンタテインメントの要素を求めたりせずに「ただバンドだけをやってる」っていうことが一番良いんじゃないか、大事なんじゃないかっていう純粋さを語ってる歌なんだけど、それがリアル過ぎてというか本当のことすぎてもはや感動するっていう…。それをあえて歌にするっていうところが俺はすごく良かったんだよね。
◆たぶん僕、一人で喋るのが苦手なんですよね…。(古舘)◆
橋本:古舘さんはやっぱり芸能人とかいっぱい会ってます?
古舘:そんなことないですよ!笑 ミュージシャンはまあまあ会ってますけど…。
橋本:芸能人で誰と会った時一番テンション上がりました?
古舘:…まあ…古舘伊知郎とかはけっこうテンション上がりましたね、初めて会った時は…。
一同:笑
中村:これ、絶対使ったほうが良いネタだよ。笑
古舘:だって音楽やってて芸能人って会わなくないですか?笑
中村:…これ、まとまりましたかね?なんか綺麗な話しといたほうが良いんじゃない?
古舘:綺麗な話…。確かに最後、芸能人に会った話っていう。笑
中村:お父さん。笑 古舘伊知郎のとこ太字にして、それで終わるってのは?笑
古舘:ちゃんと「さん」付けで。笑
古舘:まあでも、今まで一度も対バンしたことないから、ほんとに当日迎えてみないとって感じですね。ツーマンだから、バンド数が多いイベントに比べたら、ぐっと距離が縮まるというか、仲良くなれる気がしますね。
中村:そこはちょっと戦闘モードで行ってよ!
橋本:ボコしに来てください!
中村:MCでも全部かっさらうつもりで!
古舘:たぶん僕、一人で喋るのが苦手なんですよね…。
中村:すごい昔、ライブのMCでいきなり落語やり出したことあったよね?
古舘:…やめてくださいそれ…俺の人生において一番の黒歴史なんで…。
橋本:やっぱりMCは乗り気じゃないんですか?
古舘:ダメですね~…。
庄司:ライブの時は一人じゃなくてメンバーがいるじゃん!
古舘:メンバーと喋る感じなら大丈夫です!
中村:MCってヘルシンキも課題だよね~。
橋本:そうですね…。
中村:MCで言ったら薫くんの方がちょっと負けてるかもしれない。
古舘:マジですか?
中村:古舘くんも苦手なんだけど、それでもお客さんがちゃんと「古舘くんが何か言う!」っていうモードになるんだよね。空気が出来るというか。そういう意味では、ヘルシンキは楽曲では勝負できるかもしれないけど、そこはまだ追いついてないかも。
橋本:そうですね~。そこはまだお客さんを巻き込めてない部分ですね。僕自身お客さんとの間にまだ壁があると思うので…。
中村:ちょっと困ると妖怪(ベース担当の稲葉)の方に振って逃げるじゃん?あの空気が良いところにもなりつつはあるんだけど…。
橋本:まだなかなか難しいですね…。
中村:でもMCって大変だよね。その後の曲をどう聴いてもらえるかにも関わってくるからさ。
庄司:「言いたいことないんで、とにかく曲聴いてください」って言って喋りまくるとかは?で、帰り道「話すことないとか言ってたけどすげえ喋ってたよね。笑」って話題になるじゃん。笑 それがまたキャラクターを作ってくよね。
橋本:それ好きだな。笑
庄司:古舘くんは力んじゃうんだよね。
古舘:そうですね~。リラックスできればちゃんと喋れるんですけど…。
庄司:昨日とかバンバン喋ってたもんね。
中村:やっぱり舞台とかドラマとかそういうのを経て、変化してるんじゃない?
古舘:確かに…実はMC得意かもしれないです。
庄司:そうだと思うよ!自分の頭の中では回路があるわけじゃん?ちゃんとロジックがあって言葉が出てきてる。
古舘くんはそれがちょっとズレてるところが面白いんだよね、「なるほどな」って思う反面、ボケ倒してるみたいな。
古舘:面白いこと言おうとすると余計ダメになっちゃいますよね。
橋本:それすごいわかります。僕も、わかりやすいこと言えばいいのにシュールな笑いが好きだから、MCとかでボケてるつもりでも全く伝わらなくて。
中村:たとえば?
橋本:たとえば…デビューしてすぐの時にUKFC(UK PROJECTのイベント)に出させてもらったときなんですけど、ライブの時よくステージで「新木場ー!」とか叫ぶじゃないですか。そこを、曲やる前に「僕ら、そういうこと言えないバンドなんで…」って言って普通に曲のカウント始まったところで、ベースがいきなり「新木場ー!!」って叫ぶっていうネタやったんですけど、ぜんぜん伝わらなくて…。
一同:笑
橋本:なんなら普通に盛り上がってましたね。ギャグのつもりだったのに。笑
古舘:僕、高松のライブの時にずーっと「浜松」って言ってたことある…。だんだん会場がざわざわし始めて…。
中村:あとさ、「タンデロン(アルバム「CHIC HACK」リード曲)」のことをラジオで「表題曲」って言いたいのにずっと「代表曲」って言い続けてたことあったよね。笑
一同:笑
庄司:俺、そのときのラジオ聞いててほんと死にそうだった…。笑 MCの人もなんとか修正しようとして「リード曲」って言い方してくれてたんだけど、ぜんぜん古舘くんには伝わらず。笑
中村:まず「タンデロン」のこと表題曲って言おうとすること自体間違ってるじゃん?「CHIC HACK」ってアルバムだから「CHIC HACK」って曲だったらわかるけど。笑 まして自分で「代表曲」って言っちゃうってどうなの。笑
庄司:代表曲って普通他薦だからね。「これが古舘さんの代表曲ですね」とかって言われるのが正しいのに自分で言っちゃうっていう。笑
古舘:そういう無意識なの怖いな…。
橋本:自分じゃ気付かないですよね。笑
中村:じゃあ24日はライブだけじゃなくて、お客さんにはお互いのMCにも注目してほしいね。
古舘:楽しみですね。その日のMCはいける気がします!
橋本:やりづらいな~。笑
中村:アンケートとか書いてもらったらいいんじゃないの?「どっちのMCが面白かったですか?」って。笑
橋本:それ、用意しときますね。笑
古舘:MC対決ですね。
庄司:でも二人とも狙っちゃうとちょっとね…狙って上手い人とそうでない人がいるからさ。
中村:ゴーイングアンダーグラウンドとかさ、素で喋ってるだけなのにめちゃくちゃ面白いじゃん。あそこまで行けとは言わないけど、MCにもそれぞれ自分たちの持ち味が出てきたら良いよね。まだわかってない部分があるじゃん。
橋本:そうですね。稲葉に振るとテンポが崩れるしなあ。
古舘:確かに、メンバーに振るとテンポ崩れる!俺もけっこうイライラしてましたもん。
橋本:これからの課題ですね…。古舘さんのMC楽しみにしてます!笑
中村:喋るのが苦手なのとMCが苦手なのってまた違うよね。
橋本:喋るの苦手だなあ。なんか言葉が出てこないんですよね。喋るのが苦手だから、言いたいことを整理して曲にしてるって感じなんですよね、
中村:本来曲作りってそういうもんだよね。
庄司:っていうことをMCで話せば良いんじゃない?で、「喋ってるやん!」ってつっこまれる感じに持っていくみたいな。笑
橋本:シュール路線ですね、それ。笑 良いこと言ってる風にも捉えてもらえるかもだし。笑
中村:喋ってる内容というより、「間」だよね!MCで大事なのって。
橋本:空気感というか。
庄司:古舘くんて告白とかしたことあるの?
古舘:ありますよ!
庄司:なんて言ったの?告白代表作。
古舘:代表作。笑 なんて言ったかなあ…。
庄司:そこって「キマったかそうでないか」じゃん。MCと一緒だよ!
古舘:…なんかすげえ恥ずかしい…普通に「付き合ってください」とかだったと思いますよ。
庄司:それは、そこまでの良い感じのグルーヴがあってからの「付き合ってください」だったわけ?
古舘:そうだったはず…。あと、中学の時とかは「あの子が俺のこと気に入ってるらしい」とか「古舘があの子のこと好きらしい」とかみたいな噂が先に独り歩きしちゃって、後から「じゃあ行くか!」みたいなのはありましたね。
中村:気になってなくても気になり始めちゃうとかね。笑
庄司:もう二度と戻れない時代って感じだよね~。
古舘:切ないっすよね…。そういえばこないだ運動会やってるの見て「俺はこれにもう二度と参加できないんだよなあ…。」って思ってすごい寂しくなったことありましたね。
中村:フジロックとかがミュージシャンの運動会みたいなもんじゃん!
古舘:良いこと言いますね。名言!笑
中村:そこで君らのこと見てみたいよ!ここ太字で!
中村:これ、UKPのオフィシャルホームページに載るんだよね?最後、良いこと言って締めましょうか。
庄司:中村さんがお互いの素敵だと思うところを一言で言うとかは?なんか、ヘルシンキ愛は伝わるんだけど、佑太郎愛はイマイチ…。
中村:俺の?!そうかなあ…逆に佑太郎持ち上げすぎたかなとか思ってたんですけど…。
庄司:それは心で言いなよ!笑
中村:俺、そういうのよくあるんだよなあ…。ヘルシンキといいpollyといい…。
庄司:あ、宇都宮のバンド?
中村:そうそう。そっちに行くと、「ヘルシンキばっかり応援しやがって」って言ってくる奴がいるんですよね~。で、ヘルシンキのとこ来たら来たで「pollyのライブ行ったらしいですね」とか「pollyのグッズのカバン持ってますね」とか言われたりして…もう俺居場所ないじゃん!みたいな。笑
古舘:確かにカバン持ってますね。
中村:もらったから使ってるだけなのにさ~。
庄司:レーベルの社長みたいになってる。大変だなあ、顔が割れるって。笑
中村:ほんとですよ!やりにくくてしょうがない。笑
中村:じゃあこんな感じで…
庄司:良いこと言って終了って言ったのに…
中村:笑 …まあ、さっきも言ったけどこの2バンドは変化してる真っ最中で、そういうタイミングでのこの対バンだから、なにかしらお互いに良い効果が生まれれば良いんじゃないかなって思うし、お客さんもこの変化を見逃さずに、楽しんで観てもらえたら良いなって思いますね。昨日もチラッと新曲やってたけど、あれも今までにないタイプの曲じゃん?あれにもすごい古舘くんの変化を感じたよ。相当良いものになると思う。
古舘:ほんとですか!次の代表曲になりますかね。
中村:次こそは他薦の代表曲ね。笑
古舘:すげえ、1時間40分も喋っちゃった。
中村:そうだよ!…じゃあ、こんな感じですかね?
橋本:ありがとうございました!
古舘:ありがとうございました!
Helsinki Lambda Club 武者修行ツーマンシリーズ
“ヘルシンキファイトクラブ vol.2”
~2月の熱帯夜~
日程:2016/2/24(水)
場所:TSUTAYA O-nest
時間:open 19:00 / start 19:30
チケット:前売り ¥2,800 / 当日 ¥3,300(共にドリンク代別)
出演:Helsinki Lambda Club、古舘佑太郎バンド
【プレイガイド】
チケットぴあ(http://t.pia.jp Pコード:287-142)
ローソンチケット(http://l-tike.com Lコード:71068)
e+(http://eplus.jp)
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◆Helsinki Lambda Clubプロフィール◆
2013年夏、西千葉のガザル(カレー屋)でバンド結成。
PAVEMENTとCLASHが恋人同士になってしまったような、
ポップなのにどこかひねくれたメロディと、
ひねくれているようで割と純粋な心情を綴った歌詞を特徴とする。
2014年上旬から数々のオーディションに入賞し、
UK.PROJECT主催のオーディションにて、
応募総数約1000組の中から見事最優秀アーティストに選出され、
同年12月10日にUK.PROJECTから2曲入り8cmシングルをリリース。
2015年3月18日にファーストミニアルバム「olutta」をリリースし、
FX2015、VIVA LA ROCK2015、MUSIC CITY TENJIN2015への出演を果たす。
同年12月18日にはシングル「TVHBD/メリールウ」をライブ会場と通販のみ限定500枚でリリース。
通販分の在庫は一時間で完売し、ものすごい勢いで売れ続けている。
2016年も注目されたい願望は高まるばかりだが、
世間の飽きやすさも承知しているので、飽きられないよう色々と画策中。
▼Helsinki Lambda ClubオフィシャルHP
http://www.helsinkilambdaclub.com
◆古舘佑太郎プロフィール◆
ミュージシャン・役者
1991年4月5日生まれ
東京都世田谷区出身
2015年3月、自身が率いていたロックバンドThe Saloversが無期限活動休止。
約半年後の10月21日にソロアルバム「CHIC HACK」をリリース。
音楽活動の他に、舞台、映画、ドラマ等で役者としても活動中。
また、webマガジンNeoLにて連載小説「青春の象徴 恋のすべて」を執筆中。
▼古舘佑太郎オフィシャルHP
http://yutaro-furutachi.com