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【UKP OFFICIAL LIVE REPORT】UKFC on the Road 2017《GATE STAGE》@新木場STUDIO COAST

aint

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「UKFC on the Road 2017」GATE STAGEのトップバッターを飾ったのは、福岡県久留米を拠点に活動する男女ツインボーカルによるaint(エイント)。今年のUK.PROJECTのオーディション「Evolution!Generation!Situation!Vol.2 supported by Eggs」で見事グランプリを獲得した注目の新人バンドだ。
(以前のライブでUK.PROJECT にデモテープを送ったことが今につながっているとステージで話していた [Alexandros]の川上洋平も「今日最初に出演したaint、良いですよね、俺らにも後輩ができるのは嬉しい」と、この日のMCで語っていた)。
そんな前評判を聞いてか、彼らのライブを一目見ようと平日の13時にも関わらず、フロアは既に多くの人が集まっていた。

1曲目、名刺代わりにおみまいしたのは「君のこと」。ポップソングとして純度の高い楽曲でありながら、一度聴いたら忘れらないギターのリフも印象的。開催前に「楽しみとか不安とかいろんな感情でワクワクしています」と、コメントをしていたので、緊張しているかと思いきや、そんな様子は一切なく、のっけから彼ららしい凛としたパフォーマンスを見せた。

そして2曲目は骨太なサウンドとミニマルなメロディラインが特徴の「アカシ」。冒頭の<鳴り響く合図 始まりを告げた 目の前で開く入口に立つ>という歌詞がまさに今日の彼らの状況と重なり、エモーショナルさが加速する。演奏も歌も新人とは思えないほど説得力があり、グランプリになるべくしてなったのだと思い知らされる。

続いての「明日が来るまで」は清風(Bass&Chorus)のシャウトから始まり、ニシダコウキ(Vocal&Guitar)が繊細なメロディを歌い上げる。aintの楽曲はこの2人の対比や新たに参加したという紅一点のusako(Vocal&Guitar)によって、静と動を感じられるのが魅力的だし、だからこそキレイなメロディラインが際立っている。
「立ち止まって聴いてくれてありがとう。最後の曲です。辛いこととか、悲しいこととか、そういうことばっかり歌っとって、中々、楽しい気持ちにさせてやれんかったけど……楽しかったこととか、気持ちよかったこととか、なんでも共有したいと思っとるけん。まだ小っちゃいライブハウスでライブしよるけど、良かったら遊びに来てね」と、地元・福岡の久留米弁訛りでゆっくりと誠実に語り、最後の曲に選んだのは「hello」。サビで何度も歌われる<笑って>というフレーズに、オーディエンスも心を惹かれて見入ってしまう。

これからの活躍を期待させる、圧倒的な演奏を披露したaintに会場から大きな拍手が送られて、彼らも手のひらを合わせて深くお辞儀をして、ステージを去った。CDリリースの発表はこれからだが、今日のライブで演奏されたエモーショナルな曲たちが音源ではどのように表現されるのか今から楽しみだ。

 

【SET LIST】
01. 君のこと
02. アカシ
03. 明日が来るまで
04. Alnitia
05. hello

 

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[text:真貝聡/photo:古溪一道]

 

▽ aint official Twitter:https://twitter.com/aint_info

 

the equal lights

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2組目は大阪の寝屋川を中心に活動するthe equal lights(イコールライツ)。過去には「RO69JACK13/14」などで入賞アーティストとして選出されており、実力は折り紙付き。開演の50分前にも関わらず、多くの女の子たちがフロアに駆けつけていて、これからのユースカルチャーを牽引するバンドになることを予見させる。

マイクチェックでミシマテツオ(Vocal&Guitar)が突然、フジファブリックの「若者のすべて」を歌い出し、前列で陣取りをしていたオーディエンスが「おぉ〜!」と興奮し、ステージを横切ろうとした人たちも「何事だ!?」と足を止めてフロアに集まる。

いよいよライブ本編がスタート。最初はピアノの旋律から始まる「Dear friend」。歌詞の<最終戦争の幕開け>というフレーズが、これから始まる25分の奇跡を暗示しているかのように、見事にシンクロしていた。

続いては、去年リリースしたミニアルバム『LaLaLa-prima』に収録されている「ファンファーレ」へ。2サビになりミシマが「みんなで行くぞ!」と煽り、オーディエンスも一緒になって手を挙げて合唱する。彼らの曲を聴いていると、観ているコチラまで、気付いたら歌わずにはいられないような不思議な引力がある。周りを見渡したら、フロアにいる全員がキラキラした眼差しでステージを眺めている。

会場の空気を完全に自分たちのものにして、3曲目に披露したのはボーカルの裏声がキレイに活きる「STORY WRITER」。一発目のサビから心をギュイーンと引っ張られる。メロディアスで、爽快感があって、キレイなコーラスがフロアに響き渡る。サビに入り、力を込めた拳を天に掲げるオーディエンス。外の雨が止んで、雲間から光が差し込んだような生命力に溢れる楽曲だ。

「二度と戻れない青春の歌を……」という曲紹介から「Yellow」へ。この曲は弾き語りから、バンド演奏へ移る展開が特徴のロックバラード。是非ドラマや映画主題歌に!と推薦したくなるほど、秀逸なメロディセンスが爆発している傑作曲。

「ずっとココ(UKFC on the Road)に出たかった。本当は去年も出たかったけど、なかなか出れなくて。枕を濡らす日々が続き、ようやく出れるのが本当に嬉しいです。」と、ミシマが今日のステージに立てた喜びを語り、最後に演奏したのはスタジアムロック的なスケールを感じさせる「Alche(mist)」。ホッタヨウスケ(Gt)が汗だくになって、腕を大きく空へ掲げる。それにつられて、フロアのオーディエンスも一緒になって手を挙げる。ステージ上のメンバーが全員笑顔で歌っている。こんなに美しい世界を作り上げてくれたthe equal lightsに心から拍手を贈りたい。

 

【SET LIST】
01. Dear friend
02. ファンファーレ
03. STORY WRITER
04. Yellow
05. Alche(mist)
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[text:真貝聡/photo:古溪一道]

 

▽the equal lights official Twitter:http://theequallights.com/profile.html

 

teto

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3組目は8月30日に、初の1stミニアルバム『dystopia』のリリースが控えているteto(テト)。リハーサルの時点で小池貞利(Vocal&Guitar)はブンブンとギターを振り回しながら歌ってるし、山崎陸(Guitar)もガンガン頭を振ってるし、こちらが心配してしまうほど本番前から危なっかしさを感じるピリピリと張り詰めた緊張感があった。小池はリハーサルを終えて、オーディエンスに向かって「一番大きなステージに立てて嬉しいです。宜しくお願いします!」と言い放ち、一旦ステージから降りる。2組目のthe equal lightsといい、3組目のtetoといい、今回のUKFCのGATEステージは本番前から目が離せない。

ライブがはじまり、自我を解放させるかのように1曲目の『PainPainPain』からジャンプをしまくる小池は「(自分を指差して)This isロックバンドteto!(オーディエンスを指差して)This is未来のホープ」と叫び、2曲目「this is」へ。小池は縦横無尽にステージを走り回った後、スピーカーによじ登り鋭い眼光で歌い上げる。(動きの激しさにギターのストラップが切れてました)

熱が冷める間もなくダンスナンバーである「36.4」をおみまいして、「俺がロックバンドだ!なにが起こるか分かんねぇからロックバンドだ!」と叫んで感情を爆発させる。「UK.PROJECTに所属して半年ぐらい経って、UK.PROJECTによる、UK.PROJECTのためのミニアルバム『dystopia』をリリースします」と、新譜発売の報告する。

「もちろん、こういうライブの一瞬の美しさだったり、儚さだったり、同じ空気を吸う一体感っていうのは確かに素晴らしくて。それがたまらなくて、今日もUKFCでライブをやらせてもらってるわけですが。俺がCDをリリースするっていうことは、家でも、電車の中でも、学校の休み時間でも、どこでも聴けるわけであって。俺の生活のために作った歌が誰かの生活に寄り添えたら、こんなに美しいことはないなって本気で思ってます。」と話し、故郷のことを歌った「teen age」へ。これまでの激しい曲とは打って変わり、少年時代を過ごした原風景を閉じ込めたtetoなりの言わば「STAND BY ME」なナンバーだ。<いつか並んで 自販機で買ったレモネードの味を思い出した>とキレイな高音で歌い上げた時に、優しい風がフロアを吹き抜けた。

「故郷からこっち(東京)に来て、今の自分について歌いました」と、青年期に作った「暖かい都会から」。この日は小池自身のヒストリーをプレイバックしているようなセットリストに思えた。全員が手を掲げて、再び熱気が蘇る。そして今のtetoを代表する名曲である「高層ビルと人工衛星」、ショートなパンク・チューン「朝焼け」を立て続けに演奏して、インパクト溢れるライブはギターアンプからのフィードバック・ノイズだけを残し、アッと言う間に終了した。

 

【SET LIST】
01. PainPainPain
02. this is
03. 36.4
04. teen age
05. 暖かい都会から
06. 高層ビルと人工衛星
07. 朝焼け

 

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[text:真貝聡/photo:古溪一道]

 

▽teto official site:http://tetot.info/

 

polly

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4組目に登場したのは、ベースのメンバーチェンジやツアーを経て、著しく研ぎすまされたロック・バンドに進化をとげている、宇都宮出身のpolly(ポーリー)。UKFCは今年で2年連続の出場となる。

まるで水中を泳いでいるような、無重力感のある楽曲「沈めてくれたら」で始まった。曲中でダイナミズムな演奏と美しいメロディが交差するのが魅力的なナンバーだ。この曲は時間も場所も忘れさせてくれて、どこか知らない世界へとトリップするような不思議な感覚を味わえる。

越雲龍馬(Vocal&Guitar)が「俺たちがpollyだ」と放ち、初期の名作「シシィ」へ。飯村悠介(Guitar)によるギターの轟音、須藤研太(Ba)と高岩栄紀(Dr)のリズム隊によるズシンとくる重低音が特徴で、疾走感と共に妙な喪失感が胸に迫る。この曲を初めて聴いたオーディエンスも手を挙げて応える。

3曲目はライブ会場限定シングル『愴』に収録されている「狂おしい」。胸に響くベース音が魅力的で、彼らの楽曲では随一の会場を沸かすダンスナンバーだ。<臭い液体 味など知らない 不快 消した>と、リズミカルに韻を踏んだ絶妙なリリックに合わせ、フロアが揺れる。さらに、ステージ上の越雲と須藤のステージ・アクションにも「ウォー」という歓声が起こる。

続いてライブ会場限定シングル『想』に収録されている「花束」。飛び跳ねるようなギターの音色に、思わず胸がトキめく最上級のPOP SONGである。ただし、サビは<落とした眼球を舌で溶かした>と、メロディに反して歌詞に毒がもられているのは彼ららしい。歌詞のどこを切り取っても、人間の歪みや悲哀を感じられるのがpollyの大きな魅力であると再認識させられた。

ほとんどMCを挟まずに「ありがとうございました。pollyでした」と、静かに挨拶をして、最後は圧巻のシューゲイザー・サウンドの「刹那」へ。緑のスポットライトに照らされる中で歌う<さよなら 忘れないようにと>のフレーズは、まるで天国へ登っていく天使の歌声を聴いているかのよう。最初にも書いたが、どんなステージにいようと、越雲龍馬の歌声は目の前の風景を変えてしまう圧倒的な表現力がある。

演奏が終わった後、しばらく間が空いて拍手が起きる。これがpollyのライブの醍醐味で、曲が終わって誰もが余韻に酔いしれている。彼らの音楽でしか作り出せない、多幸感とは違う特別な空気を味わったステージは計5曲で幕引きとなった。来年はGATE STAGEではなくて、FUTURE STAGEもしくはFRONTIER STAGEでpollyを観てみたい。そしたら、もっと贅沢な世界に導いてくれるに違いない。

 

【SET LIST】
01. 沈めてくれたら
02. シシィ
03. 狂おしい
04. 花束
05. 刹那

 

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[text:真貝聡/photo:古溪一道]

 

▽polly official site:http://www.polly-jp.net/

 

SPiCYSOL

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18時35分。夕方から夜に変わろうとする時間帯にTLCの「Creep」に導かれて登場したのは、GATE STAGEのトリを務めるSPiCYSOL(スパイシーソル)。5月10日に1stフルアルバム『SIGNAL』をリリースして、7月2日に「SPiCYSOL Tour 2017 “ FIRST SIGNAL ”」のファイナル公演を終えたばかりの彼ら。これまでの、このステージの出演バンドとちがって、ロックだけでなく、サーフミュージック、レゲエ、R&B、HIP HOPなどの影響も感じさせるバンド。KENNY(Vocal&Guitar)、AKUN(Guitar&Chorus)、PETE(Keyboard,Trumpet&Chorus)、KAZUMA(Drums)に、この日はサポートメンバーのAGURI(Bass)を加えた5人体制でのステージ。

「このステージのラストは俺たちSPiCYSOLが引き受けます!Are you ready?」と挨拶をして、まずは「EXA SCALE(Short Ver)」からスタート。PETEのジャジーなピアノにKENNYのメロウな歌声が乗る。KENNY曰く、「この曲は“ラフ”とか“ありのまま”をテーマに作曲された楽曲」で全体的にリラックスしたムードを醸し出す。

「雨だろうが、晴れがだろうが関係ねえ。みんな最高の1日にしようぜ」と、話し「Sex On Fire」に。心地いいメロディラインに、メロウでファンクなギターのリフがフロアに多幸感を運んでくる。彼らの演奏に引き込まれて、オーディエンスが手を挙げて一体感を作りだす。

3曲目の「WDTA(Shut Up)」ではKENNYが「中盤戦に突入だぜ。1つになろうUKFC!俺がShut Upと言ったら返してくれ」とオーディエンスにレクチャーして、ファンキーな心地良いリズムに体を揺らしながら、<Shut Up>のコール&レスポンスが起こる。演奏が終わると歓声と拍手が起こり、「パーフェクトです。ありがとう」と温かい雰囲気につつまれた。

「ちょっとだけ、しっとりした曲をやります。聴いてください」と、2ndミニアルバム『Tropical Girl』から結婚する友達のために作ったというウェディング・ソング「Coral」を披露。PETEの美しいピアノから始まる、この日唯一のピアノバラード。さらにトランペットも重なり、グッと心を掴まれてしまう。

そして6時間に及ぶGATE STAGEのラストに選んだ曲は、TOTALFATの「Room45」(しかも、レゲエ・アレンジバーション)。そして「今日のスペシャルゲストを発表するぜ!」と呼び込まれたのが、まさかの張本人であるTOTALFATのShun。突然のサプライズにオーディエンスの興奮も最高潮に。後方で見ていた観客もドドっとステージへ向けて集まる中、さらにTOTALFATのJose、Buntaも乱入して、完全にお祭り状態!こんな贅沢なステージを観れるなんて奇跡としか言いようがないし、UKFCでしか実現しないような夢のコラボ。最高のステージ・メイキングをしてくれたSPiCYSOLに鳴り止まない拍手が送られて、「UKFC on the Road 2017」のGATE STAGEが幕を閉じた。

 

【SET LIST】
01. EXA SCALE
02. Sex On Fire
03. WDTA(Shut Up)
04. Honey Flavor
05. Room45 ft.Shun(TOTALFAT)

 

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[text:真貝聡/photo:古溪一道]

 

▽SPiCYSOL official site:https://spicysol.com/

 

▶︎UKFC on the Road 2016《FRONTIER STAGE》ライブレポート

▶︎UKFC on the Road 2016《FUTURE STAGE》ライブレポート

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